GUCCI(グッチ)はプラダと並ぶイタリアを代表するハイブランドです。オードリー・ヘップバーンやジャクリーン・ケネディのほか、エルメスのケリーバッグの名前の元となったグレース・ケリーにも愛されました。日本では多くのハイブランドと同様に、バブル期に大ブームを巻き起こしています。
ここではグッチのブランドとしての特徴や、人気モデルの買取相場、業者が見ている査定ポイントなどついて詳しく解説していきます。
ブランドとしての「グッチ」 2つの特徴
グッチのバッグや財布の買取相場を知る前に、まずはそもそもグッチがどんな特徴を持ったブランドなのかを知っておきましょう。それがグッチの買取相場を理解するためにも役立つはずです。
イタリアを代表するブランドの一つ
元ホテルマンのグッチオ・グッチが1921年にフィレンツェで創業したのがグッチの始まりです。グッチのアイテムにおなじみのGGデザインは、当時としては世界初のデザイナーの名前をデザインにしたもので(グッチオ・グッチのつづりはGuccio Gucci)、同ブランドの品質を保証するものとして人気を集めました。
こうしたグッチの妥協のない品質へのこだわりは、やがて同ブランドをイタリアを代表するブランドへと成長させました。グッチオ・グッチの死後、お家騒動で一時期は経営が不安定になりましたが、1994年にトム・フォードがクリエイティブディレクターに就任してからは往年の人気を取り戻しました。
その結果、サン・ローランやバレンシアガなどを擁するケリンググループを代表するブランドへと返り咲いています。
時代に柔軟に対応してきた歴史を持つ
グッチのデザインと聞いてGGキャンバスと呼ばれるキャンバス地を使ったもの、あるいは持ち手に日本産の竹を使ったバンブーシリーズを思い出す人も多いのではないでしょうか。実はこれらのデザインは、グッチが時代の要請に答えてデザインを変化させてきた結果です。
このGGキャンバスとバンブーシリーズはいずれも第二次世界大戦下に開発されたもので、戦火が激しくなるにつれて良質な皮革が手に入らなくなったことを受けて、グッチが考案したアイデアでした。
このようにグッチは時代に合わせてデザインを変える柔軟なデザイン哲学を持つブランドなのです。
グッチのバッグ・財布などの買取相場
イタリアを代表するブランドでありながら、時代の要請に柔軟に対応できるブランドでもあるグッチ。では同ブランドのバッグや財布は、買取に出した場合にどれくらいの買取相場になるのでしょうか。
片付け大学ではブランド品買取ショップの元店長に取材を行い、グッチの人気モデルの買取相場を、2019年1月現在の相場感も加味したうえで計算してもらいました。
モデル名 | 買取相場(上限価格) |
---|---|
グッチシマ ショルダーバッグ | 〜8万円前後 |
GGキャンバス トートバッグ | 〜5万円前後 |
プリンシーライン ハンドバッグ | 〜4万円前後 |
グッチシマ 長財布 | 〜4万円前後 |
GGキャンバス 二つ折り財布 | 〜2万5,000円前後 |
※2019年1月現在
これを見ると、想像以上に安いと感じる人も多いかもしれません。サイズや素材にもよりますが、例えばグッチシマのショルダーバッグの定価は30万円弱はします。つまりグッチのバッグや財布の買取価格は、高くても定価の3分の1程度になってしまうということだからです。
要因としてあげられるのは人気とデザインの傾向です。グッチはルイ・ヴィトンやシャネル、エルメスなどと比べるとどうしても人気が劣ってしまいます。また流行に合わせたアイテム展開を行なっているため、古いデザインはそれだけ人気がなくなり、中古の販売価格も下がってしまう傾向にあります。結果として買取価格も下がってしまう、というわけです。
グッチを売りに出す際は、こうした事情もあらかじめ把握しておくと、必要以上にがっかりせずに済むはずです。
グッチの買取査定がココを見られる!
ハイブランド品の査定ポイントは3つ
次に買取業者がハイブランド品の査定時に見るポイントについて解説します。買取業者がグッチを含むハイブランド品を買取査定する際に、チェックする主なポイントは「真贋」「状態」「モデル・人気」の3点です。これらのうち、グッチに特有な査定ポイントがあるのは状態と人気についてです。以下ではこの点について解説しておきましょう。
なお他のハイブランドと共通する査定ポイントについては売りたい人は要チェック!ブランドバッグ・財布の買取査定ポイントで紹介しているので、こちらを参照してください。
グッチに特有な項目
キャンバスアイテムは使用感に大きく左右される
GGキャンバスに代表されるアイテムに関しては、レザーのアイテムに比べるとどうしても使用に伴う経年劣化が激しくなりがちです。最初はハリのあった記事も、日常的に使っていれば毛羽立ちやヘタリが出てきて、いわゆる使用感が一見してわかるようになります。
また生地に使用感が出ているものは、アイテムの底や角にスレがあったり、ハンドル部分の変色があったりと、状態が悪くなっている傾向にあります。
こうなってから売りに出すのと、こうなる前に売りに出すのとでは、買取価格に大きな差が出てきます。もちろんまだ使う予定があるのに売りに出す必要はありませんが、もし売る予定があるのであれば使用感が出る前に買取業者に持ち込む方が買取価格も高くなります。
オールドグッチは状態次第で高額買取の可能性
1980年代以前に出回っていたモデルをオールドグッチと呼びます。古いだけあって状態が悪いものも多く、得てして買取価格が安くなりがちなオールドグッチですが、近年のレトロブームで人気が再燃しており、状態さえよければ高額買取の可能性もあります。
また状態が多少悪くても、今のレトロブームの間はある程度の買取価格がつく可能性が高くなっています。このブームが終わってしまうと、無料での引き取りなどになってしまいかねないため、もし使う予定がないのであれば今のうちに買取に出しておいた方が賢明と言えるでしょう。
グッチのバッグ・財布などの人気ライン
ルイ・ヴィトンを売る前に知っておきたいこと!買取相場や高く売る方法などを徹底解説でも解説していますが、ハイブランド品では一目見てそのブランドだとわかるほど定番化しているラインやモデルほど人気を集めます。そこで、以下では買取価格が高くなりやすいの3つの人気ラインを紹介します。
グッチシマ
グッチシマは2005年に登場したラインで、グッチの中でも最高級のレザーを使用しており、そこに熱によるGGロゴのエンボス加工を施した素材を採用しています。GGロゴがしっかりとグッチであることを主張する一方で、最高級レザーであることによる上品さや高級感が魅力となっています。
GGキャンバス
「グッチと言えばこのライン」と言っても過言ではないのがGGキャンバスです。前述の通り第二次世界大戦下における素材不足を機にリリースされたものですが、今ではグッチの代名詞的な存在になっています。
定番であるうえ、グッチシマなどのレザーアイテムと比べると定価もお手頃なので中古販売価格もリーズナブルになるため、買取業者の店頭でも売れやすいラインの一つです。
プリンシー
グッチシマやGGキャンバスにプラスされることの多いラインがプリンシーラインです。デザインのアクセントとして可愛らしいリボンがつけられているのがこのラインの最大の特徴で、リボンの素材にはグッチではお馴染みの赤と緑の3本ラインや、レザー素材を使ったものなど様々なものが選ばれます。
2019年1月現在プリンシーラインの生産は終了してしまっているため、今後オールドグッチのように時代から見直されていく中で、価値が上昇していくことも考えられます。
グッチをできるだけ高く売るには?
前述したように、グッチのバッグや財布などの買取価格は状態と人気・モデルによって大きく変動します。特にグッチは人気・モデルの影響を受けやすくなっています。そのため中古のグッチの買取価格は、実際に査定してみないとわからないというのが実情です。
しかし買取価格が明確にわからなくとも、手元にある品物の買取価格ができるだけ高くなるよう工夫することは可能です。グッチに特有な方法と言えば、PVC加工を施したアイテムの保管でしょう。
GGスプリームなどのPVC加工を施したアイテムは全くと言っていいほど風を通さないため、湿気の管理を怠るとあっという間にカビやベタつきが発生してしまいます。そのため保管時はシリカゲルなどの除湿剤や新聞紙などをバッグや財布の中に入れて置いたり、直射日光の当たらない風通しの良い場所で保管したりして、湿気防止に務めましょう。
またグッチに特有な方法というわけではありませんが、使用したり保管したりする際は、バッグや財布ができるだけ劣化しないように気を遣ったり、売る前にできるかぎりのメンテナンスをしておいたりするだけでも、買取価格は変わってきます。また相見積もりをとって、一番高く査定してくれたところに売るという方法も有効です。
こうした方法については、知らなきゃ損する!ブランドバッグ・財布を高く売る3つの方法で詳しく解説しているので、こちらもぜひ参考にしてください。
まとめ
グッチは時代に合わせて臨機応変なデザインを行なっているため、時代の流行に左右されやすい傾向にあります。そのため古いデザインが人気を復活させることは珍しく、それだけ値崩れもしやすくなっています。
しかし業者によっては中古のグッチの買取を強化していて、他の業者より高く買い取ってくれるところもあります。リサイクルページではブランド品の取り扱いがある業者に、一括で見積もりを出すことができるようになっています。もう使わないグッチのバッグや財布などがある人はぜひ活用してみてください。
なお、この他に家電などもまとめて売りたいと考えている人は、【買取まとめ】リサイクルショップで買い取ってもらう方法を参照してください。