シンプルかつナチュラルなインテリアに適した無垢材の家具。DIYする際にオイル塗装とウレタン塗装で迷ったことはありませんか?

どちらの仕上げ方法もそれぞれ長所と短所があり、甲乙をつけがたい点もあります。

ダイニングテーブル

何年も使う大切なものだからこそ、仕上げ塗装の違いをしっかりと把握してライフスタイルや考え方に合った方法を選ぶようにしましょう。

INDEX
  1. 木本来の質感を活かすオイル塗装
  2. オイル塗装はグラスの水滴や湿度に注意
  3. 艶やかな光沢が特徴のウレタン塗装
  4. ウレタン塗装は経年劣化と再塗装に注意
  5. まとめ

木本来の質感を活かすオイル塗装

オイル塗装のイメージ

無垢材のオイル塗装は、木材の表面に天然の植物性オイルなどを塗り内部までしみこませること長持ちさせる塗装方法のこと。表面に硬い膜を作らないので木本来の質感を活かすことができます。

シックハウス症候群の原因ともいわれている有害物質を使用しないため、体にも環境にも優しい塗装方法ともいえます。オイル塗装に使うオイルは体に害がないものなので、万が一、赤ちゃんがなめてしまっても大丈夫です。

木目がはっきり浮かび上がるので、木の表情が楽しめるのもオイル塗装の醍醐味といえるでしょう。

オイル塗装の家具は使用年数が経てば経つほど味わいが出るため、無垢材ならではの色の変化である「経年変化」も楽しめます。その木が本来持つ色合いをきれいに引き出してくれるので、チーク材やウォールナット材など色のある木材に使用するのがおすすめ。また、浸透することで木目がひきたつのでナラ材やタモ材などのはっきりした木目の木材にも適しています。

メンテナンスもとても簡単なのもオイル塗装のメリットの一つ。食事の後はから拭きや固く絞った布巾で拭けばすぐ綺麗になります。

また、へこんでいる部分にはスチームを当てることで簡単に直すこともできます。さらに、オイル塗装は木の呼吸を妨げないので、部屋の湿度を調節してくれる効果も。梅雨時など湿度が高い季節は湿気を吸い取ってくれ、逆に冬場など乾燥している時期には湿気を放出してくれます。

赤ちゃんがなめても大丈夫だなんて、オイル塗装は体にやさしい塗装方法なんだね~。

無垢材を使いたいってことは木の温もりを感じたいってことでしょ?なめても大丈夫だし、木材そのもののよさを最大限に活かせるのがオイル塗装のメリットなのよ♪

へこんでもスチームをあてるだけで簡単に直せるのはすごいよね~

木は木材になっても生きている証拠よね。呼吸しているからこそのデメリットもあるけど、メリットもたくさんあるんだよ。

オイル塗装はグラスの水滴や湿度に注意

オイル塗装前の床

オイル塗装の家具には表面に塗膜がないため、シミや汚れがつきやすいというデメリットがあります。水に濡れたコップなどを長時間おくと輪じみができてしまうことも。

また、木が呼吸しているので急な乾燥で割れたり反りがでたりすることもあります。湿度が高いところやストーブのそばで使用すると変形することもあるので、置く場所には注意しましょう。

また、木材に染み込んだオイルは、時間が経つとともに少しずつ抜け、半年から1年くらいで乾ききってしまいます。

オイルを塗り立ての時にはしっとり吸い付くような肌触りですが、いつの間にかかさかさに。それでは、せっかくのオイル塗装のよさが活かせなくなってしまいます。そのため、定期的なメンテナンスは必要です。といっても、メンテナンスの基本はオイル塗装。上からオイルを塗ることで元のしっとり感が復元できます。

ひっかき傷などの軽めの傷であれば、紙やすりでこすった上でオイルを塗るだけで修復可能なのもオイル塗装のいいところ。どこに傷があったのかわからないくらい目立たなくなります。

へえ~、メンテナンスかぁ。めんどくさそう・・・

基本はオイル塗装だけだから、慣れたらそんなに手間暇かからないわ。それに簡単な傷なら紙やすりでこするだけでほとんど目立たなくなるのもオイル塗装ならではよ。

簡単なメンテナンスだけで家具が綺麗に保てるんだね。メンテナンスの予定を先に組んでしまえばいいのか~。

そうそう。毎年、春と秋に1回ずつメンテナンスするなど、あらかじめ決めてしまえば忘れずに済むし管理も楽ちんよ。

艶やかな光沢が特徴のウレタン塗装

一方、ウレタン塗装は、木材の表面にウレタン樹脂を吹き付け、コーティングして仕上げる方法です。

ウレタン樹脂とはプラスチックのこと。見た目にも艶やかな光沢があり高級感あふれる仕上がりになります。最近では、薄く塗ることも可能になってきたため、一目見ただけではオイル塗装との違いがわからない場合もあります。

ウレタン塗装で仕上げた家具な水分や汚れに強いのが特徴。水分や汚れはさっと拭くことですぐに落とすことができ、樹脂コーティングが水や汚れをはじいてくれるので、濡れたコップを長時間おいても輪じみの心配がありません。

また、オイル塗装のような定期的なメンテナンスも不要です。表面を塗膜で覆ってしまうので、木材の表面が外に接することがなく、割れや反りも出にくいのもウレタン塗装のメリットといえます。

ウレタン塗装はお手入れが簡単でいいねー。めんどくさがり屋さんにはウレタン塗装が向いてる?

汚れてもさっと拭くだけで綺麗になるからね♪

濡れたコップをずっとおいといても大丈夫なんだー。くるりみたいにダラダラしていても大丈夫(笑)

濡れたコップくらいちゃんと片づけるわよーーー。

ウレタン塗装は経年劣化と再塗装に注意

ウレタン塗装イメージ

ウレタン塗装の家具は年月が経つと樹脂が劣化し、表面の一部がはげてくることがあります。

見た目にも美しくないばかりか、表面に粘り気が出て、紙などが引っかかってしまうことも。そのようになってしまうと、機械で塗装を全てはがし再塗装する必要があるので、DIYでの補修は難しいものがあります。再塗装すれば新品同様に蘇りますが、専門の業者や工場に頼む必要があるため、どうしても時間と費用がかかってしまいます。

また、DIYの家具は、木の温もりが感じられるというメリットがありますが、ウレタン塗装はいわばウレタンで木にふたをしてしまっている状態。実際に触っているのはプラスチック製の樹脂になります。

そのため、ウレタン塗装をするとどうしても人工的な冷たい肌触りになってしまうというデメリットもあります。

ひゃ~、時間とお金がかかってしまうのは嫌~。

再塗装にお金がかかるといっても、使い始めてから10~20年先の話だよ。

そうなんだねー。節約してお金をためておけばいいのか~。

オイル塗装と同じように、大切に使えば長持ちするわよ。

まとめ

塗装のまとめ

家具をDIYする際の仕上げ塗装について、ご紹介しました。

汚れやすく定期的なメンテナンスが必要とはいえ、木の温もりや経年変化も楽しめるオイル塗装。DIYでの補修は難しく時間や費用がかかってしまうものの、日常的にはメンテナンス不要でお手入れも簡単なウレタン塗装。

どちらの仕上げ方法もひっかき傷や熱に対する強度の違いはさほどありません。作り手の想いがこもったDIY の家具。長く使うものだからこそ大切に使いたいですよね。

どちらの方法もそれぞれメリットとデメリットがあります。自分たち家族にとって、どちらの方法がより魅力的なのか、ライフスタイルや考え方に合わせ、充分納得した上で選ぶようにしましょう。

これから家具をDIYしようとされている方は、参考にしていただけると嬉しいです。

小さいお子さんがいるご家庭なら、汚れがさっと落ちるウレタン塗装の方がいいのかな~。

一概には言えないよ。オイル塗装には傷が簡単に直せるというメリットもあるし、より体に優しいというメリットもあるよ。

そうなんだね~。めんどくさがり屋さんにはウレタン塗装、きちんと管理できる人はオイル塗装ってことでいいのかな~。

そうね~。好みもあるだろうし、もともとの性格やライフスタイルなどに応じて、合っている方を選ぶのがベストよ。