エルメスのバッグの買取相場ってどれくらいなの?
なによ、急に。
いやこの間ヴィトンのバッグが売れたのに味をしめて、お母さんがまた「くるりちゃんに聞いてこい!」って言うから……。
なるほどね。じゃあ今日はエルメスについて解説しようか。

1837年に馬具工房としてスタートしたエルメスは、現在超高級バッグのバーキン、ケリーをブランドアイコンとする世界的なブランドに成長しました。エルメスはブランドとしての格式が非常に高いため、買取相場などにもいくつか特徴があります。

ここではまずエルメスのブランドとしての特徴について解説したあと、人気モデルの買取相場やその特徴、なるべく高く売る方法について解説していきます。

ブランドとしての「エルメス」3つの特徴

まずエルメスのバッグを売りに出す前に、エルメスがどういった特徴を持つブランドなのかを知っておきましょう。

ルイ・ヴィトン、シャネルに次ぐ3番目の人気

日本で圧倒的に人気のハイブランドといえばルイ・ヴィトンですが、二番目に位置するのがシャネル、その次に控えているのがエルメスです。若い女性から妙齢の女性まで、幅広い層に人気があるのがその要因です。

しかしルイ・ヴィトンもシャネルも一流のブランドではありますが、エルメスのブランドイメージはそのさらに上にあります。また新品の販売価格も高く、そもそも数をあまり売っていないため、ルイ・ヴィトンやシャネルに比べると全体的に流通量が少ない傾向にあります。こうした間口の狭さが、エルメスが人気3番目に甘んじている要因の一つだと考えられます。

供給量が圧倒的に少ない

エルメスの看板商品は皮革製品です。同ブランドの皮革製品には、もともと馬具工房であったという歴史を見てもわかるように、非常に高品質で美しく、しかも丈夫な素材が使われています。

しかしそうした素材は簡単に手に入るものではありません。そのため大量の皮革の中からごく一部しか使えないというケースも多々あります。これが販売価格を高くしているわけですが、同時に大量生産ができないという問題も発生します。

その結果、エルメスの皮革製品は欲しいと思う人の数に対して供給量が圧倒的に少なく、新品が店頭に並んでもあっという間に品切れになってしまうという特徴があります。実際エルメスは直営通販サイトを運営していますが、皮革製品はごく一部しか取り扱っていません。これはあくまで推測ですが、通販分の在庫を確保するほど生産できないモデルが多いからだと思われます。

「プレミア価格」が許される唯一のブランド

欲しいと思う人の数に対して供給量が圧倒的に少なくなると、その品物には稀少価値がつき、新品よりも高い値段で中古が取引されるようになります。いわゆるプレミア価格です。

ルイ・ヴィトンやシャネルなど他のブランドでは、どんなに人気の商品でも新品価格以下の金額が中古販売価格になります。しかしエルメスの人気バッグだけは話が別です。もちろんモデルによって変動はありますが、人気のものになれば買取価格がすでに新品価格を上回り、販売価格が1,000万円を超える場合すらあるのです。

したがってエルメスは、プレミア価格が許される唯一のブランドと言えるでしょう。

壊れていても買取価格がつく場合がある

こうした特徴のあるブランドなので、エルメスのバッグは壊れていても買取価格がつくケースがあります。例えばハンドル部分がちぎれていて使えないとか、そこに穴が空いているような場合でも数万円、時には10万円といった買取価格がつけられることもあります。

もちろんこうしたケースはエルメス本社に修理に出せば、中古商品として十分販売できる状態であったり、あるいは安くで販売すれば買い手が見つかる可能性があったりといった品物に限られます。

しかしすでにバッグとしての機能を損ねているにも関わらず、買取価格がつく場合があるというのは、それだけエルメスのバッグに価値があるということの証と言えるでしょう。

エルメスのバッグの買取相場

モデル名 買取相場(上限価格)
バーキン30(トゴ、ブラック、シルバー金具) 〜140万円前後
バーキン30(ボックスカーフ、ブラック、シルバー金具) 〜110万円前後
ケリー25(トゴ、ブラック、シルバー金具) 〜145万円前後
ガーデンパーティPM(ブラック×グレー) 〜13万円前後
フールトゥMM(ブラック) 〜1万円前後

※2019年1月現在

このうち定価を上回るプレミア価格での買取になっているのはバーキン30(トゴ、ブラック、シルバー金具)とケリー25(トゴ、ブラック、シルバー金具)の2モデルです。

またかつて生産されていたキャンバス地のガーデンパーティPMやフールトゥMMといったモデルは、製造から時間が経っていることと人気があまりなくなっていることから、買取価格がかなり安くなってしまう傾向にあります。

エルメスの買取査定はココを見られる!

ハイブランド品の査定ポイントは3つ

買取業者がエルメスを含むハイブランド品を買取査定する際に、チェックする主なポイントは「真贋」「状態」「モデル・人気」の3点です。これらのうち、エルメスに特有な査定ポイントがあるのはモデル・人気の見方です。以下ではこの点について解説しておきましょう。

なお他のハイブランドと共通する査定ポイントについては売りたい人は要チェック!ブランドバッグ・財布の買取査定ポイントで紹介しているので、こちらを参照してください。

エルメスに特有な項目は「人気による相場変動」

他のハイブランド品にも言えますが、エルメスのバッグは人気による相場変動が比較的大きくなる傾向にあります。特にレザーアイテムはもともとの販売価格が高いせいもあり、より大きく変動します。

・素材
・バッグのカラー
・金具のカラー
・サイズ

エルメスのバッグの買取価格には上記の4点の人気次第で、数万〜数十万の差が生じます。以下では人気のモデルの解説も含め、この4点における2019年1月時点の人気について解説します。

エルメスの人気モデルは?

バーキン、ケリーがツートップ

エルメスのバッグにおける人気モデルといえば、多くの人が知っているバーキンとケリーのツートップです。バーキンは非常に使い勝手の良い大口の丈夫なバッグで、5代目社長ジャン=ルイ・デュマ=エルメスがイギリス出身の有名女性歌手ジェーン・バーキンに贈ったバッグがもとになっています。

ジェーン・バーキンといえば72歳になった今でも強力なファッションアイコンとして影響力を持っている女性で、その力もあってかバーキンはエルメスの代表的なバッグとして人気を集め続けています。

一方ケリーは、1935年に婦人用サドルバッグとしてサック・ア・クロアという名前で発売されたバッグです。しかしこれを1955年にモナコ公妃グレース・ケリーがこのバッグを持っていることが注目を集め、これを受けて翌年1956年に「ケリーバッグ」と名付けられました。

ラフな使い方をするために作られているバーキンとは違い、ケリーはかっちりとした雰囲気を持っていて、フォーマルシーンにも使えるバッグとしても人気です。

より高くなるバーキン、ケリーはこれだ!

エルメスのツートップを走り続けるバーキンとケリーですが、同じバーキン、同じケリーでも前述した4つの要素、すなわち素材、バッグのカラー、金具のカラー、サイズによって買取価格は大きく変わります。以下ではそれぞれについて、より高くなるバーキンとケリーの特徴を解説します。

素材が定番か、稀少なレザーを使っている

エルメスは同じ牛革でも、トゴ、ヴォーエプソン、トリヨンクレマンス、ボックスカーフ、ヴォースイフト、ヴォーバレニア、クシュベル、アルデンヌ、ネゴンダなど非常に様々な種類があります。

それぞれにシボの出方や、ツヤ感・光沢、柔軟性や耐久性、防水性などの特徴があり、人によって好みも分かれます。人気があるのはトゴ、エプソン、トリヨンクレマンスの定番3種。中でもトゴは知名度があるため買取価格も比較的高くなります。

仮にトゴが使われたバーキンが140万円前後で買い取られるのだとしたら、ボックスカーフのバーキンは110万円前後、ヴォースイフトのバーキンが125万前後といった具合です。またワニ皮のクロコポロサス、同じくワニ皮のヒマラヤといった稀少なレザーを使ったものになると、500〜1,000万円になることもあります。

バッグのカラーはブラックかエトゥープ、金具はゴールド

エルメスのバッグはカラーも豊富でブラック、ゴールド、ローズティリアン、バンブー、ターコイズ、エトゥープなどシックな色合いからビビットな色合いまでをラインナップしています。このうち人気が高いのはブラックとエトゥープで、比較的人気の低いバンブーなどと比べると買取価格に10〜20万円の差がつく場合もあるほどです。

カラーに関してはバッグの色だけでなく、金具の色も重要です。エルメスではシルバー金具とゴールド金具の2色が使われていますが、ゴールド金具の方が人気が高く、それだけでシルバー金具より買取価格が数万円高くなることもあります。

使いやすい、手頃なサイズ

エルメスのバーキンには5cm刻みで25〜35cmの3サイズがあり、ケリーには25cm、28cm、32cm、35cmの4サイズがあります(現行品の場合)。

定価自体はサイズが大きくなるほど高くなりますが、実は25〜30cmの小さなモデルの方が人気は高く、買取価格も小さい方が高くなる傾向にあります。したがって35cmのバーキンが130万円前後の買取価格だったとしても、25cmのバーキンには140万円前後の買取価格になることもあるのです。

エルメスの相場は変わりやすい

エルメスのバッグの買取価格は以上の4点も含めた金額になります。しかし人気はタイミングによって少しずつ変わるので、現時点の人気と1年後、5年後、10年後の人気が同じかどうかは誰にもわかりません。

そのため自分の持っているエルメスのバッグが現時点で人気のアイテムで、かつ売ろうという気持ちがあるのであれば、それはこのうえない売り時と言えるでしょう。

エルメスをできるだけ高く売る方法

前述したように、エルメスのバッグの買取価格は状態と人気・モデルによって大きく変動します。そのため中古のエルメスの買取価格は、実際に査定してみないとわからないというのが実情です。

しかし買取価格が明確にわからなくとも、手元にある品物の買取価格ができるだけ高くなるよう工夫することは可能です。そこで以下では特にエルメスに対して有効な方法について解説していきます。

なお、ハイブランド品のバッグや財布全般に共通する方法については、知らなきゃ損する!ブランドバッグ・財布を高く売る3つの方法で解説しているので、こちらもぜひ参考にしてください。

付属品はきっちり揃える

ハイブランドの中でも、付属品の有無が買取価格に影響しないブランドもあります。しかしエルメスに関しては、多くの場合付属品の有無によって買取価格が少しずつ変動する傾向があります。

・布袋
・外箱
・鍵、南京錠(カデナロック)
・クロシェット
・レインカバー
・バッグのフタ部分を保護する当て布

エルメスのバッグの付属品は上記の通りです。ただしこのうちレインカバーが付属するのはバーキン、ケリー、ボリードの3モデルのみとなっています。また布袋や外箱の欠品は買取価格の大幅ダウンにはつながりにくい一方で、カデナロックとクロシェットに関しては数万円の買取価格ダウンにつながる場合もあります。

そのため売る予定があるのであればきちんと保管し、売りたいのに手元にないという場合は探して見つけておきましょう。

壊れていても修理には出さない

革のスレやキレ、染色の色落ちや糸のほつれなど、ずっと使っていれば非常に丈夫なエルメスのバッグでも壊れることはあります。しかしその後も自分で使い続ける場合はともかく、もしそのバッグを売りに出そうと考えているのであれば、下手に修理に出す前に買取業者に査定を依頼することをおすすめします。

その理由は大きく2つあります。一つはエルメスのバッグをエルメス本社以外に修理に出してしまうと、それ以降はエルメスからの修理やサポートを受けられなくなるからです。これは中古品としての価値を大きく下げるため、買取価格が大幅にダウンしてしまいます。

第二に仮にエルメス本社に修理を依頼すると、時間と費用がどうしてもかかってしまうからです。もしその費用分、買取価格がアップするのであれば問題ありませんが、そうでなければ明らかな損です。

このような事態に陥って後悔しないためにも、まずは買取業者に持ち込んで査定してもらい、「修理に出したらいくらになるか?」などと相談をしたうえで、どう対応するかを考えるのが賢明です。

まとめ

どう?お母さんのバッグは売れそう?
大丈夫だと思う!でも付属品はちょっと怪しいかも……。
何はともあれ、一度持ち込んでみたらいいよ。
そうだね、そう伝えておくよ!

ハイブランド品はもともとが非常に価値のあるものなので、多少状態が悪くとも買取不可や無料引き取りになるケースは稀です。エルメスのバーキンやケリーの場合は低下が非常に高いこともあり、持ち主にとっては「もうダメだろうな」という状態でも買い取ってもらえる可能性が高くなります。

もちろん買取不可になったり、納得がいかないほど安くなったりする可能性がないわけではありません。しかし使わないまま眠らせておくよりは安くても売った方がお得ですし、業者によっては他の業者より高く買い取ってくれるところもあります。

リサイクルページではブランド品の取り扱いがある業者に、一括で見積もりを出すことができるようになっています。もう使わないエルメスのバッグがある人はぜひ活用してみてください。

なお、この他に家電などもまとめて売りたいと考えている人は、【買取まとめ】リサイクルショップで買い取ってもらう方法を参照してください。