転勤や結婚などによる引越しを機に洗濯機を買い替える人もいれば、通販で洗濯機を買ったものの思っていたものと違うものが届いて買い替えざるを得ない人もいます。そのようなときの選択肢の一つが、リサイクルショップなどの業者に古いものを売り、新しいものの購入資金に充てることです。
しかし基本的に業者は買い取った洗濯機を別のお客さんに中古として販売するわけですから、どんな洗濯機でも買い取ってくれるというわけではありません。また買取価格もメーカーや商品、状態などによって大きく変動します。
ここでは一般的なリサイクルショップの洗濯機の買取基準と、2018年11月現在の買取相場を紹介したあと、どうすればなるべく高く売れるのかについても解説します。
洗濯機の買取基準とは?
チェック ポイント |
買取OK | 買取不可 |
---|---|---|
動作 | 正常に動く | 正常に動かない |
状態 | 大きな傷や汚れがなく、洗濯槽の臭いなどが気にならない | 大きな傷や汚れがあったり、洗濯槽の臭いが気になる |
付属品の状態 | 排水ホース、コード、操作パネルが破損していない | 排水ホース、コード、操作パネルが破損している |
設置場所 | 室内置き | 外置き |
製造年 | 5〜7年以内 | 5〜7年以上 |
※業者によって差があります。
最初に自分の洗濯機が一般的な買取業者の買取基準をクリアしているかを確認しておきましょう。チェックポイントは全部で5つ。大前提となるのは正常に動くかどうかです。どんなに新しくてきれいな洗濯機でも、ちゃんと動かなければ買取不可になってしまいます。ちなみに、査定時には「洗い」と「脱水」の動作チェックが行われることが多いようです。
次にチェックしておきたいのが状態です。大きな傷や汚れがあれば買取不可か減額対象、小傷程度であれば買取OKと判断されます。また洗濯槽の臭いも必ず買取業者がチェックするポイントです。洗濯槽が汚れている洗濯機は、洗濯槽内の洗濯ネットに黒ずみやカビが出ることが多いため、ここもチェックされます。これは付属品に関しても同様です。
状態に大きな影響力持つのが設置場所です。というのもベランダや廊下などの室外に設置されている洗濯機は、雨や太陽の光による表面の劣化が激しくなるからです。
そのため2年程度の使用年数でも買取対象から外されるケースがあります。もし買取対象になったとしても、外置きという時点で大幅な減額対象になることを覚悟しておきましょう。
なお買取不可と判断された場合で、もう使わない(使えない)場合は、残念ながらその洗濯機を処分する必要があります。洗濯機の処分方法や処分料金については不要な洗濯機の処分にお悩みの方必見!洗濯機のおトクな処分方法3選!で解説しているので、こちらを参照してください。
洗濯機の買取相場を知っておこう
洗濯機の買取相場
買取基準をクリアしているとなれば、次に気になるのはいくらで売れるのかということ。まずは正常に動作し、目立つ傷や汚れがない洗濯機の買取相場を紹介しておきましょう。なお、表中の「0円」に関しては状態などによって無料引き取りになる場合を指しています。
タイプ | 容量 | 製造年 | ||
---|---|---|---|---|
1〜3年 | 3〜5年 | 5〜7年 | ||
全自動 | 〜5.5kg | 2,500〜 5,000円 |
0〜3,000円 | 0円〜 |
5.5〜7.0kg | 3,500〜 7,000円 |
0〜4,000円 | 0円〜 | |
7.0〜10.kg | 6,000円〜 12,000円 |
0〜6,000円 | 0〜1,000円 | |
全自動 (乾燥付) |
〜7.0kg | 4,500〜 9,000円 |
0〜5,000円 | 0円〜 |
7.0〜10kg | 10,000〜 20,000円 |
0〜10,000円 | 0〜2,000円 | |
ドラム式 | 〜7.0kg | 16,500〜 33,000円 |
0〜18,000円 | 0円〜4,000円 |
7.0〜10kg | 25,000〜 50,000円 |
0〜25,000円 | 0円〜6,000円 | |
二層式 | 〜5.0kg | 2,500〜 5,000円 |
0〜2,000円 | 0円〜 |
※インバーターが搭載されている場合は、されていないものに比べて買取金額が数千円アップする傾向にある。
※買取不可の場合は別途作業費等がかかる場合もある。
こちらは取材したあるリサイクルショップの買取相場になります。相場に幅があるのは、もともとの店頭で販売されている価格によって変動があることと、国内メーカーと海外メーカーでは買取価格に大きな差があることが影響しています。
例えばハイアールやアクアといった中国メーカー、LGエレクトロニクスなどの韓国メーカーの洗濯機になると、国内メーカーのおおよそ半分の買取価格になることもあります。この他相場は以下のような要因で高くもなれば、安くもなります。
・その時々の人気
・型番
・買取方法(店頭買取・出張買取・宅配買取)
・出張買取時の距離や搬出条件(エレベーターの有無など)
・傷や汚れなどの状態
ただし以下で挙げているような人気商品は、それ以外の商品と比べると比較的相場が安定する傾向にあります。参考までにメーカー、商品名、型番の例をまとめておきますので参考にしてください。
メーカー | 商品名 | 型番例 |
---|---|---|
シャープ | プラズマクラスター搭載洗濯機 | ES-W111、ES-U111、ES-PU11C、ES-PU10C、ES-PT10Cなど |
東芝 | マジックドラム | TW-117X5、TW-117V5、TW-Z96X1L、AW-8D2M、AW-8D2など |
パナソニック | 泡洗浄洗濯機 | NA-VX9900、VX8900、NA-FA120V1、NA-FA100H6、NA-FA90H6など |
日立 | ナイアガラビート洗濯機 | BW-DX120C、 BW-DV100C、BW-DV90C、BW-V70Cなど |
買取査定時の商品・メーカーごとの特徴
また買取相場には商品ごとに特徴があります。この特徴を理解しているだけでも、買取に出すベストなタイミングが変わります。そのため以下では買取査定時の商品ごとの特徴を解説しつつ、売り時の考え方について説明します。
プラズマクラスター搭載洗濯機
シャープのプラズマクラスターを搭載したタテ型洗濯機は、2つの点で清潔性に優れています。一つは独自技術の穴なし洗濯槽を採用している点です。これにより従来の穴あり洗濯槽で起こりがちだった洗濯槽の外側の黒カビが衣類に付着する問題を解消しているうえ、内側の黒カビの発生も防止しています。
もう一つはプラズマクラスターを搭載している点です。洗濯後プラズマクラスターを発生させることで、洗濯槽内部のカビの増殖を抑制しているのです。
このような性能が備わっているため、プラズマクラスター搭載洗濯機は他の洗濯機に比べて値崩れしにくくなっています。なぜなら洗濯機の査定時にチェックポイントとなる洗濯槽の汚れが、他の洗濯機よりも少ない傾向にあるからです。そのため現在使っている洗濯機がプラズマクラスター搭載洗濯機の場合は、比較的落ち着いて買取先を探しても問題ないでしょう。
マジックドラム
東芝のマジックドラムシリーズも、一般的な洗濯機よりも中古での需要が下がりにくい機種の一つです。その理由は2つ。一つはマジックドラムを搭載している点です。マジックドラムは特殊な技術による高い耐久性を持つ防汚加工がされているため、カビや汚れが付着しにくくなっています。
そのためプラズマクラスターのところでも述べたように、洗濯機の査定時にチェックポイントとなる洗濯槽の汚れが他の洗濯機よりも少ない傾向にあるのです。
もう一つはアクティブS-DDモーターと振動吸収クッションの採用により、振動や運転音が非常に小さいという点です。
共働き世帯や一人暮らし世帯が増えていくであろう今後の日本では、夜間でも気兼ねなく使える静音設計の洗濯機は生活必需品になっていくはず。そのためマジックドラムシリーズの中古市場での需要が、今後も続いていくと考えられるのです。
以上のことからマジックドラムシリーズについても、比較的落ち着いて買取先を探しても問題ないでしょう。
泡洗浄洗濯機
パナソニックの泡洗浄洗濯機は、洗濯機内部で洗剤を洗浄力の高い泡にしてから洗濯するという機能を搭載した機種です。人気機種の一つで、他の一般的な洗濯機に比べれば値崩れしにくくなっています。
しかしここまで見てきたプラズマクラスター洗濯機やマジックドラムシリーズのように、特別洗濯槽を清潔に保つ機能を搭載しているわけではないため、この2つの機種と比べると買取価格が製造年に左右されやすくなります。したがって泡洗浄洗濯機の買取を検討している場合は、なるべく早い決断が必要になるでしょう。
ナイアガラビート洗濯機
日立のナイアガラビート洗濯機(ビートウォッシュシリーズ)は、独自の節水循環ポンプを搭載することで、節水をしながら大量の水で衣類の汚れをしっかりと落とすことができる機種で、人気機種の一つとなっています。そのためここまで見てきた3機種同様に値崩れしにくい傾向にあります。
ただしこの機種もパナソニックの泡洗浄洗濯機と同様に、特別洗濯槽を清潔に保つ機能を搭載しているわけではありません。もちろん洗濯槽を掃除する機能は実装されているものの、プラズマクラスターやマジックドラムのような高い性能があるわけではありません。
そのためこの2つの機種と比べると買取価格が製造年に左右されやすいという弱点があります。したがってナイアガラビート洗濯機の買取を検討している場合は、なるべく早い決断が必要になると思われます。
インバーター搭載洗濯機
その他人気のある機種としては、インバーター搭載洗濯機が挙げられます。インバーターとは電流の流れを自在に変えることで、モーターの回転数を微調整したり、エネルギーの消費量を節約したりする装置のことです。洗濯機以外にもエアコンや冷蔵庫にも搭載されている機種があります。
洗濯機では各社の上位機種に搭載される傾向にあり、日立ならビートウォッシュやビッグドラム、シャープならプラズマクラスター搭載洗濯機、東芝ならZABOON(ザブーン)、パナソニックではななめドラム洗濯乾燥機などに採用されています。
現在インバーター搭載洗濯機は中古市場でも人気の商品ですが、今後の相場に関しても値崩れしにくいと考えられます。それはマジックドラムと同様に今後増えていくであろう共働き世帯、一人暮らし世帯に適した静音性能があるからです。
また上位機種に搭載される傾向にあるため、インバーターとは別に洗濯槽を清潔に保つ機能も採用されているケースも多くなっています。そのため、査定時における減点対象にもなりにくいのです。
したがってインバーター搭載洗濯機の買取に関しては、慌てずに売却先を選んでも、その間に大きな値崩れが起きて損をするということは考えにくいと言えます。
海外メーカー
前述したように、ハイアールやアクアといった中国メーカー、LGエレクトロニクスなどの韓国メーカーの洗濯機の買取価格は、国内メーカーの洗濯機に比べてもともと半額近く安くなる傾向にあります。そのため、使用年数が長くなればなるほど買取不可と判断される可能性もより高くなっていきます。
そのため「生活をスタートさせるために間に合わせで買った」「試しに買ってみたけど、あまり使い心地が良くない」といった場合は、そのまま使い続けるよりも早めに国内メーカーの洗濯機に切り替えるのが賢い判断と言えるかもしれません。
洗濯機を少しでも高く売る5つの方法
買取金額を決める要素とは?
ここまで見てきたように、買取相場の幅は時に数万円単位になりがちです。なぜこのような幅が生まれるのかというと、先ほども触れたように中古品の査定には以下のような要素が絡んでくるからです。
・その時々の人気
・型番
・買取方法(店頭買取・出張買取・宅配買取)
・出張買取時の距離や搬出条件(エレベーターの有無など)
・傷や汚れなどの状態
こうした要素が絡み合った結果、買取相場の幅が大きくなるというわけです。したがって中古洗濯機の買取金額は実際に査定してみないとわからないというのが実情なのです。
しかしいくらになるかが正確にわからなくても、できるだけ高値がつくように手を加えることはできます。以下では上記の5つの要素を踏まえたうえで、洗濯機をできるだけ高く売るための方法を5つ紹介しましょう。
なお使わない洗濯機をどこでどうやって売ればいいのかについては、【まとめ】リサイクルショップって何が売れるの?【随時更新】で詳しく説明しているので、こちらを参照してください。
簡単なメンテナンスをしておく
最初にやるべきはメンテナンスです。メンテナンスするべきは大きく4カ所。すなわち洗濯ネット、洗濯槽、洗剤ケース、そして洗濯機全体です。
洗濯ネットは査定時に業者が必ずチェックするところなので、ここがきれいなだけでも印象が大きく変わります。やり方は簡単で、カビキラーのような塩素系の洗濯槽クリーナーに3分程度つけ置きしてから水洗いをするだけです。これだけでも驚くほどきれいになるので、ぜひ実践しておきましょう。
洗濯槽も同じく業者が必ずチェックする場所です。カビキラーやウルトラパワーズなどの洗濯槽専用クリーナーを使ってクリーニングをしておきましょう。
ただし洗濯槽をしっかりきれいにしようと思うと、洗濯槽クリーニング機能が搭載されている洗濯機でもかなりの時間がかかります。搭載されていない機種であればなおさらです。そのためクリーニングをする前に洗濯を済ませておくなど、計画的に行うようにしましょう。
洗剤ケースはきれいにするための洗剤を入れる場所なので、きれいなはずだと思っているかもしれません。しかし実際は洗剤のカスなどがこびりついており、そのままでは買取金額に悪影響を及ぼします。メンテナンス自体は洗濯機から外して洗うだけなので難しくありません。ぜひとも掃除しておきましょう。
最後の仕上げは掃除機全体。埃やちょっとした汚れ、水垢などを取り除き、一見してきれいに見えるように雑巾などを使って拭きあげておきます。ここまでやれば、査定時の印象もかなり良くなっているはずです。
付属品を揃えておく
洗濯機の付属品は保証書、説明書、替えのホースや接続部品のほか、洗剤ケースや糸くずフィルター、排水ホースなどを指します。
このうち保証書には購入年月日が記されている場合が多いので、査定時に使用年数を証明する書類にもなります。型落ち品を買っていれば製造年は6年前でも、使用年数は4年というケースもあり得ます。その際に「まだ4年しか使ってません」と口頭で伝えるだけか、保証書の日付を見せられるかでは、査定時の印象が大きく変わります。
また洗剤ケースや糸くずフィルター、排水ホースなどの交換できそうなものに関してはメーカーや量販店、ホームセンターで取り寄せをして新品に換えておけば、これも査定時の印象をよくする効果があります。
交換時には多少の費用がかかりますが、たいていの場合交換にかかる費用よりも、交換したことでアップする買取金額の方が大きくなる傾向があるため、交換する方が結果的にはお得になります。もし心配な場合は、あらかじめ業者への問い合わせ時に「汚れている○○を交換したら買取金額はいくらアップしますか?」などと聞いておきましょう。
店舗に直接持ち込む
洗濯機の買取方法には大きく2種類あります。一つは直接店舗に持ち込む店頭買取で、もう一つは自宅などに来てもらう出張買取です。このうち店頭買取は、リサイクルショップなどの業者側にとってリスクとコストが少ないため、買取価格が高くなる傾向にあります。
ただし苦労して人手と車を使って持ち込んでも、そこで「この洗濯機は買取できないですね」と言われてしまったら全てが水の泡です。また洗濯機の店頭買取に対応していない業者も少なくありません。
そのため事前の確認は必要不可欠。自分が持ち込もうとしている業者が店頭買取に対応しているか、自分の洗濯機が持ち込み先の業者の買取基準を満たしているかを、あらかじめ電話などで確認しておくようにしましょう。
また運搬時の注意も必要です。タテ型洗濯機の場合は、洗濯槽が壊れないように立てて運搬しなければなりませんし、ドラム式洗濯機の場合は洗濯槽を固定する輸送用固定ボルトを必ずつけて運搬するようにしましょう。
使わないのならできるだけ早く売る
洗濯機の買取価格は製造年で左右されます。そのため「売るのはまた今度でいいだろう」と古い洗濯機を放置してしまうと、その間に買取価格はどんどん下がっていってしまいます。
したがって使わなくなったのであれば、その洗濯機はできるだけ早く買取に出すべきです。そうすれば、その洗濯機にとって最も高い値段で売ることができます。
相見積もりをとる
業者が高く買い取りたいと考える洗濯機とは、ずばり売れる洗濯機です。どんなにスペックの高い洗濯機でも、売れないものを買い取りたいとは思いません。
また売れる洗濯機というのは、業者によって少しずつ違います。一人暮らし用の洗濯機がよく売れる業者もいれば、ファミリー用の洗濯機がよく売れる業者もいます。
これが同じ品物でも業者ごとに買取価格が変動する大きな理由です。そのため洗濯機をできるだけ高く売ろうとするのであれば、自分の洗濯機を最も欲しがっている業者に売るのが一番です。その業者を見つけるための方法が相見積もりです。
つまりいろいろな業者に相見積もりをとって、どこが一番自分の洗濯機を買い取りたいと思っているのかを調べるのです。面倒かもしれませんが、場合によっては大きな金額差になるため、ぜひとも試してみましょう。
一括見積もりはリサイクルページで!
洗濯機を含む中古品の買取価格は、様々な要素が絡むうえに業者によっても変動するため、一度相見積もりにかけてみなければ、自分が売りたい洗濯機がいくらくらいで売れるのかはわかりません。しかし自分であちこちの業者に査定をしてもらうのはかなりの手間と時間がかかります。
そこでおすすめなのがリサイクルページです。リサイクルページでは、洗濯機の買取に対応している全国のリサイクルショップや不用品回収業者、便利屋などを見つけることができます。
しかも単に見つけられるだけでなく、情報や写真を送るだけで一括見積もり依頼をすることも可能なのです。ぜひ洗濯機を高く売りたいという人は活用してみてください。