転勤シーズンって急な引越しが多くて大変そうだよね。
確かにね。会社によっては2週間くらいしか余裕がないところもあるらしいよ。
ひえ〜。それだと引越し作業もてんやわんやだ……。
みんなどうしてるのかなあ?

人事異動のシーズンになると、その内容によっては急に引越しが必要になる人も多くなります。しかしたいていの人にとって、引越しは慣れないイベントです。それを短い期間でやるとなると、慌ててしまって必要以上に体力や精神力を消費しかねません。

しかも異動前の引き継ぎ作業などで仕事も忙しくなりますから、心も体も疲れ切ってしまうでしょう。

ここではそんな人の負担を少しでも軽くするために、引越しのために何をやるべきかをタイミング別にリスト化しました。前編では引越しが必要だとわかったタイミングから引越し先の部屋を決めるタイミングまでを解説します。

もちろんリスト化するだけでなく、各タスクごとに詳しいやり方も解説しているので、この記事を読みながら引越しを進めていくこともできます。ぜひ参考にしてください。

INDEX
  1. 引越しが必要だとわかったタイミング
    1. 持ち物の整理
    2. 業者への見積もり、業者の決定
    3. 引越し日の確定
    4. 今住んでいる部屋の管理会社などへ退去通知
    5. 引越し先の不動産情報のリサーチ
  2. 引越し先の部屋を決めるタイミング
    1. アポをとった不動産会社への訪問・内見
    2. 次に住む部屋の決定
    3. 鍵の引き渡し日などのスケジュール確認
    4. 間取り図をもとに家具の配置を計画する
  3. まとめ

引越しが必要だとわかったタイミング

□持ち物の整理
□業者への見積もり、業者の決定
□引越し日の確定
□今住んでいる部屋の管理会社などへ退去通知
□引越し先の不動産情報のリサーチ

引越しが必要だとわかったタイミングで考えるべきは、この5つです。具体的に何をしていくのか、以下で詳しく見ていきましょう。

持ち物の整理

引越しが必要だとわかってから最初にやるのは、持ち物の整理です。つまり必要なもの不要なもの、次の住居でも使うものと置いていくもしくは捨てていくものを分けるのです。特に家具や家電などの大きな荷物は、持っていくかどうかを決めておきましょう。

なぜなら、引越し業者が見積もりを出す際にどれくらいの荷物があるのかが非常に重要な要素になるからです。荷物が多いようであればトラックも大きくする必要があるかもしれませんし、荷物が少ないようであれば作業員を減らすことができるかもしれません。

しかしそこで引越しをする当の本人が「どれくらいの荷物になるかわからないんですが……」という状態では、業者側も正確な見積もりを出すことができません。

そのため引越しが必要だとわかったら、最初にやるべきは持ち物の整理なのです。なお「どうやって判断すればいいかわからない……」という人は、以下の2本の記事を参考にしてください。

色褪せない断捨離メソッド!こんまり流「捨てる」ためのエッセンス

断捨離の元祖!やましたひでこ流「捨てる」極意

業者への見積もり、業者の決定

電卓と見積書

次の住居に持っていく荷物を確定させたら、そのタイミングで何社かの引越し業者に見積もりを依頼しましょう。会社が引越し費用を負担してくれる場合は、気にせず引越し専門業者から見積もりをとればOKです。その中から自分が納得して荷物を任せられる業者を選ぶようにしましょう。

しかし自己負担で引越しをする場合は、できるだけ安い業者に頼みたいと考える人も多いのではないでしょうか。その場合は引越し専門業者以外にも選択肢があります。

それは不用品回収業者や便利屋などが提供している単身者向けの引越しサービスです。一人暮らしの人や単身赴任の人であれば、あとに触れる不用品の処分も同時にできる場合もあるため一石二鳥です。

確かに引越し専門業者にも不用品に対応してくれる業者はありますが、中には自社以外の不用品回収業者に委託するところもあります。この場合は料金に引越し業者と不用品回収業者の利益が含まれてしまうため、最終的な料金はどうしても高くなってしまいます。

これに対して引越しサービスを提供している不用品回収業者や便利屋であれば、利益が上乗せされていないので安く対応してもらえる可能性が高いのです。

ただし不用品回収業者や便利屋は不用品の取り扱いに関してはプロですが、引越し作業に関してはどうしても専門業者に劣ります。そのぶん引越し料金は安くなりますが、不安を感じる人もいるかもしれません。

単身者必見!引越しと不用品回収をできる限り安く済ませる方法では、そんな人のために引越しを依頼する不用品回収業者の選び方を解説しているので、そちらを参考にしてください。

引越し日の確定

カレンダー

引越し業者が決まれば引越し日も確定します。しかし引越し業者と自分の間だけで話を決めてしまうと色々と問題が起きる可能性があります。第一に転勤の場合は会社との相談が必要になるかもしれません。

繁忙期の場合は引越し業者のスケジュールも詰まっているため、こちらが指定した日に引越しできない場合もあります。しかし引越し業者側が提示した日では、会社として都合が悪いという可能性もゼロではありません。繁忙期は後からのスケジュール変更が難しくなるため、この点は事前に確認しておきたいところです。

第二に今の住居が賃貸の場合、管理会社や大家などにも早い段階で連絡しておくべきです。なぜなら賃貸契約には退去ルールがあり、いつまでに退去の通知をしなければ翌月分の家賃が発生してしまうかといったことが決まっているからです。

もちろん翌月分の家賃を支払えば、通知が遅れても問題はないわけですが、そうした費用が必要なのかどうかは事前に確かめておく方が良いでしょう。引越し日を確定する際は、こうした関係者との調整もきっちりとしておきましょう。

今住んでいる部屋の管理会社などへ退去通知

前述したように管理会社などへは、引越しが決まった時点で「これくらいの時期に退去したい」という話をしておく方が無難です。そして実際に引越し日や退去日が決まったら、また改めて「○日に退去が決まりました」という旨の連絡を、相手方に入れることになります。

この際、同時に以下の3点も確認しておきましょう。

・退去時には管理会社などの立会いの有無について
・原状回復のための費用について
・敷金の返還がある場合は、その方法や期限について

転勤による引越しの場合、引越し日当日はかなり忙しい可能性が高くなります。そのため退去時の立会いの有無は非常に重要な情報になります。また会社が契約している賃貸でないのであれば、原状回復のための費用や敷金の取り扱いについても、きっちりと聞いておく方がいいでしょう。

引越し先の不動産情報のリサーチ

時間に余裕がある引越しの場合は、実際に引越し先の街に足を運んで見て回り、その時の印象をもとに住む土地などを決めることもできます。しかし時間に余裕がない引越しの場合は、なかなかそんな暇はありません。そのため引越し先の不動産情報のリサーチも、このタイミングでやっておく必要があります。

リサーチを始める前にやっておくべきなのは、「勤め先などから何駅以内」「駅から徒歩何分」「日当たり」「間取り」「家賃」など自分が優先する住居の条件を決める作業です。これが決まっていなければ選択肢が絞れず、いたずらに時間ばかりが過ぎてしまいます。今の住居と比較するなどして、何を基準に住居を選ぶかを考えておきましょう。

これさえ決まれば、あとはインターネットを使って近隣の不動産情報をリサーチしていくだけです。この時点で3〜4件に絞っておけば、十分1日で全ての物件の内見に行くことが可能になります(同じ不動産会社の場合)。

引越し先の部屋を決めるタイミング

□アポをとった不動産会社への訪問・内見
□次に住む部屋の決定
□鍵の引き渡し日などのスケジュール確認
□間取り図をもとに家具の配置を計画する

引越し先の部屋を決めるタイミングで考えるべきは、この4つです。具体的に何をしていくのか、以下で詳しく見ていきましょう。

アポをとった不動産会社への訪問・内見

内見に行きたい物件の見当がついたら、その物件を管理している不動産会社にアポを取り、内見に行きましょう。しかし引越し先が遠い場合や、引越しまでの時間がない場合は内見の日程も確保しづらくなるため、できるだけ無駄が生じないように準備をしておく必要があります。

内見を効率的に済ませるために必要なものは以下の通りです。

必要なもの 必要な理由
メジャー 今使っている家具や家電、カーテンなどが次の部屋にも設置できるかどうかをあらかじめ確認しておくため。
メモ&筆記用具 間取図をメモするため。
デジタルカメラ 部屋の中をより具体的に記録しておくため。
路線図 候補物件の位置を書き込むことで、職場への距離感などを比較するため。

内見の際は部屋のチェックだけでなく、エントランスやゴミ捨て場所、廊下や階段などの共用部のチェックも必要不可欠です。

例えば生垣などの植生がある物件の場合、ここが手入れされていないと管理会社などがあまり手をかけていない物件の可能性が高くなります。他にもゴミ捨て場所が荒れている場合は、マナーの悪い住人がいる可能性が高いと言えるでしょう。そうしたところでも住みやすさは変わってくるため、しっかりとチェックする必要があります。

次に住む部屋の決定

こうした観点から内見を進めたら、その中から次に住む部屋を決定します。もし引越しの日程が差し迫っている場合は、内見に行った日に契約まで済ませる必要がありますから、以下の持ち物を準備しておきましょう。

必要なもの 備考
身分証明証 入居者が複数いる場合は、全員分が必要になることもあるので、事前に不動産会社に確認しておく。
源泉徴収票 収入を証明するためのもの。源泉徴収票以外に給与明細や住民税決定通知書、確定申告書などでも可。具体的には不動産会社に要確認。
緊急連絡先の住所、氏名、生年月日 特になし。
保証人の氏名、生年月日、住所、勤務先名、勤務先住所、従業員数、年収など 保証人が必要な物件の場合。

なお、必要なものは不動産会社によって違う場合があるので、急ぎで契約を済まさなければならない旨を伝えたうえで、何が必要かをあらかじめ確認しておきましょう。

鍵の引き渡し日などのスケジュール確認

引越しをスムーズに進めるためには、スケジュール管理が非常に重要です。そのため契約を済ませたら、いつから入居できて、どのタイミングで鍵を引き渡してもらえるのかを不動産会社に確認しておく必要があります。

ここを疎かにしてしまうと「引越しの荷物は新居の前に着いたものの、鍵がもらえないせいで作業が進められない!」という最悪の事態になりかねません。引越し業者と決めた引越し日にスムーズに作業を進められるよう、必要ならば不動産会社との間で調整をしながら、スケジュールを確定させておきましょう。

間取り図をもとに家具の配置を計画する

間取り図

あとで見るように、何をどこに置くのかをあらかじめ決めておくと引越しの作業をスムーズに進めやすくなります。そこで、内見の時にメモに書いた間取図や撮影した写真をもとに、持っていく家具や家電をどこにどう置くのかを考えておきましょう。

例えば今は部屋の中に置いている洗濯機も、次の家では外置きになることもあるでしょうし、今使っている収納グッズは収納部の都合で次の部屋では使えなくなるかもしれません。持っていくと決めていたダイニングテーブルも、契約した部屋では小さすぎたり、大きすぎたりして、この時点で買い替えが必要になる可能性もあります。

こうした点も踏まえて、事前に計画を練っておけばより引越しをスムーズに済ませることができます。

まとめ

やることがたくさんあるのは大変だけど、こうやって分けて考えるとちょっと気が楽になるね。
「困難は分割せよ!」って昔の偉い人も言ってるしね。
なるほどなるほど。

前編では引越しが必要だとわかったタイミングから引越し先の部屋を決めるタイミングまでを解説しました。確かに引越しは住む場所を変えるという大仕事ですが、こうして分割して考えていけば少しは気が楽になるのではないでしょうか。

とはいえここまではいわば準備編。引越しの本番とも言える荷造りや荷ほどきはまだ終わっていません。急な引越しでも慌てなくて済む!引越しやること完全リスト【後編】では、荷造りから引越しまでのタイミングと引越し当日のタイミングにやるべきことを解説しています。準備ができた人はぜひこちらも参考にしてください。