引越しや買い替えなどで不要になった家電製品。およそ30センチを超えるものは粗大ごみとして有料回収してもらうか、テレビ・エアコン・洗濯機・冷蔵庫に至っては、家電リサイクル法によって、定められたリサイクル料金と収集・運搬料金を支払う必要があります。
その料金はなかなか高額で、大型家電をまとめて処分したら数万円かかってしまった、というパターンも少なくありません。
では、不用品となった家電を無料で処分することはできないのでしょうか?
その方法のひとつとして、リサイクルショップや不用品買取専門業者への買取依頼があります。
家電製品を買い取ってもらう方法や、買取基準などを詳しく解説します。
大型家電の査定・買取依頼には出張買取を利用
家電を買い取ってもらうには、さまざまな不用品を買い取ってくれる通常のリサイクルショップに依頼するか、家電専門のリサイクル業者に依頼するかのどちらかになります。
買い取って欲しい家電の種類や数、状態によって自分に合った方を選んでください。
どちらを選ぶにせよ、自分で持ち込みが出来ない大型家電の買取依頼をするときには、
- ・出張買取を行っているか
- ・取り扱い商品の中に売りたい家電が含まれているか
の2点を必ず確認しておきましょう。
業者によっては出張買取料金がかかる場合もあるので、注意が必要です。
不用品が多数ある場合にはリサイクルショップがおすすめ
リサイクルショップといえば、個人経営の店舗から全国展開する大手業者まで、家電はもちろん、家具や本、服など、さまざまな不用品・中古品を幅広く買取ってくれるのが一般的です。
- ・家電以外の不用品も一緒にまとめて処分したい
- ・できるだけ早く買い取りをして欲しい
という場合には、電話1本ですぐに出張買取に来てくれるような近隣のリサイクルショップを利用するといいでしょう。
リサイクルショップによっては、時期によって家電の強化買取などのサービスを行っている場合もあります。
愛好家には価値が分かるような物なら専門リサイクル業者がおすすめ
リサイクル業者の中には、家電を専門に取り扱う業者があります。そんな家電専門のリサイクル業者では、家電に関する専門知識を持ったバイヤーが査定を行います。特にオーディオ、テレビ、カメラなどは、それだけを専門に買い取りしている業者も存在します。
型は古いが専門家や愛好家から見れば価値のある家電など、専門的な知識がないと本来の価値がわからないようなものは、家電専門のリサイクル業者に買取依頼をすると良いでしょう。
このような家電を一般的なリサイクルショップに持ち込んでしまうと、「古い」「需要が狭い」という理由で安く買い叩かれたり、買取拒否されてしまう可能性があります。
家電の買取基準は「製造年数」と「状態」
一般的に家電の市場価値は時間が経過するほど落ちてゆくため、買取対象は製造から3〜5年以内が目安とされています。しかし、5年以上経過した家電であっても、種類や状態によっては買取対象または無料回収対象になるものもあるので、諦めずに一度査定をしてもらうと良いでしょう。
たとえ新品でも故障やひどい欠損があるものや、経年劣化が激しい製品は買取対象にはなりません。リサイクル業者によりますが、買取拒否された家電は、有料で回収・処分してもらうことも可能です。
また、家電をできるだけ高く買い取ってもらうには、次の5つのポイントが重要になります。
1.使わないと思ったらすぐに売る
家電は型が新しければ新しいほど買取額がアップするため、「使わないと思ったものはすぐに売る」ことが何よりも重要です。
家電の種類にもよりますが、動作不良や故障がなく、製造から2〜3年以内のものであれば高額買取が期待できます。
2.査定前に掃除をしておく
たとえ製造から1〜2年しか経過していない家電であっても、汚れていると買取価格に影響してしまいます。査定してもらう前に必ず掃除をして、できるだけ綺麗な状態にしておきましょう。
外観だけではなく、洗濯機の中(特にフチの汚れは残してしまいがちなので注意)や、冷蔵庫の中も丁寧に掃除してください。
電子レンジや冷蔵庫は、汚れだけでなく匂いが残っていても査定に響きますので、きちんと消臭しておきましょう。
3.キズや汚れがつかないよう使用時から気をつける
掃除で落ちない汚れがあったり、キズが目立つ家電は、買取価格が下がるだけではなく、買い取りそのものを拒否されてしまう場合があります。
家電は使っているときから売ることを前提に考え、
- ・スマートフォンやパソコン、テレビ画面などにはカバーやフィルムをつけておく
- ・普段からこまめに掃除をする
など、キズ・汚れがつかないよう気をつけて使用しましょう。
状態が新品に近い状態であれば、それだけ買取額がアップします。
また、
- ・喫煙者はタバコによる黄ばみ
- ・小さい子どもがいる家庭は貼ったまま古くなったシールやクレヨン等によるいたずら書き
など、一度ついたらなかなかとれない汚れには特に注意してください。
4.付属品・保証書が揃っているか
購入したときに同包されていた付属品や取扱い説明書、保証書などが揃っていると、買取額はさらにアップし、高価買取の対象になります。
保証書に購入先の店舗印が押してあるものであれば、尚良いでしょう。
取扱い説明書や小さな付属品はいつの間になくしてしまいがちなので、購入時に保管場所をしっかりと決めておくことをおすすめします。
家電を使用する際に必要な付属品が欠けていると、減額や買取拒否の対象になる場合もあります。
5.まとめて買取してもらう
家電の買取依頼をするときは、1つずつではなく、できれば複数の家電をまとめて査定してもらいましょう。
テレビ・レコーダー・ゲーム機のセット、冷蔵庫・洗濯機・掃除機のセットなどは単品で査定してもらうよりも買取額がアップする傾向があります。
悪質な押し買い業者に注意
悪質なリサイクル業者の中には、突然家へやってきて玄関まで上がり込み、売る意志のない日用品や装飾品まで強引に買い取っていく「押し買い」という悪徳商法を生業にしている業者がいます。
はじめは、
- 「何でも買い取ります」
- 「無料査定、高額買取しますよ」
- 「不用品も無料回収します」
など、調子の良い営業トークをしてきますが、実際には不用品の買い取りはしてくれず、
- 「宝石や貴金属なら高額で買い取りますよ」
- 「高価なものを売ってくれるなら不用品も一緒に回収します」
- 「査定だけでもどうですか」
と、宝石や金、貴金属、着物といった高価なものを出してくるよう要求してきます。
家電の処分に困っているときにはこのような口車に乗ってしまう人も少なくありませんが、一度品物を出してしまうと、強引に安く買い取られる場合もあります。事前に口コミを確認するなどして、こういった悪質なリサイクル業者に狙われないよう十分気をつけましょう。