前編では引越しの準備段階について考えたよね。
次は今回は荷造り以降の話だね。
うわあ、一番大変なところだ……。
いったい何をしていけばいいのかな?

多くの人にとって引越しというイベントは慣れないもの。そのため慌てたり、何も考えずに動き出してしまうと、必要以上に体力や精神力を消費しかねません。仕事の関係で引越しまでの期間が短いとなればなおさらでしょう。そこに移動前の引き継ぎ作業などが重なれば、心身ともに疲れ切ってしまいます。

ここではそんな人の負担を少しでも軽くするために、引越しのために何をやるべきかをタイミング別にリスト化しました。

急な引越しでも慌てなくて済む!引越しやること完全リスト【前編】では引越しが必要だとわかったタイミングから引越し先の部屋を決めるタイミングまでを解説しました。続く後編では荷造りから引越しまでのタイミングと、引越し当日のタイミングにやるべきことを解説します。

もちろんリスト化するだけでなく、各タスクごとに詳しいやり方も解説しているので、この記事を読みながら引越しを進めていくこともできます。ぜひ参考にしてください。

INDEX
  1. 荷造りから引越しまでのタイミング
    1. 不用品を処分する
    2. 事前に必要なものの購入
    3. 荷造りを始める
    4. 行政での手続きを行う
    5. 電気・ガス・電話・ネットなどの手続きを行う
    6. 郵便局への転居転送手続きを行う
  2. 引越し時の挨拶品を準備する
    1. 引越し当日のタイミング
    2. 荷ほどきしていく
    3. 近隣への挨拶回り
  3. まとめ

荷造りから引越しまでのタイミング

□不用品を処分する
□事前に必要なものの購入
□荷造りを始める
□行政での手続きを行う
□電気・ガス・電話・ネットなどの手続きを行う
□郵便局への転居転送手続きを行う
□引越し時の挨拶品を準備する

荷造りから引越しまでのタイミングで考えるべきは、この7つです。具体的に何をしていくのか、以下で詳しく見ていきましょう。

不用品を処分する

荷造りを行う前に真っ先に行うべきは、不用品の処分です。迷いなく荷造りを済ませるためにも、まずは次の住まいに持っていかないものをリセットしておきましょう。不用品の処分方法としては大きく以下の3つがあります。

方法 メリット デメリット
行政のサービスを利用する。 最もコストがかからない。一つあたり安ければ数百円、高くても千円程度。 手間がかかる。行政の窓口に連絡し、日程を決め、必要な粗大ゴミ券(シール)を購入し、自分で所定の位置まで持っていく必要がある。
引越し業者のサービスを利用する。 ワンストップで対応してもらえるため便利。業者によっては不用品の買取金額を引越し料金から差し引いてくれることもある。 専門の業者に外注する場合も多く、その際は引越し業者と専門業者の二社の利益が必要になるため、割高になる。
不用品回収業者など専門業者に依頼する。 専門業者なので、引越し業者経由で依頼するよりも安くで対応してもらえる場合がある。また対応してもらえる品目も多い傾向がある。 手間がかからないぶん、行政サービスよりコストが高い。

それぞれメリットとデメリットがあるため、自分に適した方法で処分するようにしましょう。

事前に必要なものの購入

部屋の間取りが大きく変わる場合、今使っている棚やテーブルといった家具などの買い替えが必要になることがあります。

もちろん引越し先で購入した方が引越し料金が安くなる可能性はありますが、それが生活にとって重要なものの場合は、引越し前に購入して置く方がその後の生活がスムーズになります。

引越しに際して新しく購入が必要なもののうち、引越し前に確保しておきたいものをピックアップして、このタイミングで購入しておきましょう。

荷造りを始める

ここまでできたら、いよいよ荷造りです。しかし目についたものから手当たり次第にダンボールに詰めていくと、いざ荷ほどきをする時に何がどこにあるのかわからず、片っぱしからダンボールを開けて回らなければならなくなります。そのため荷造りは以下の2ステップで進めていきましょう。

ステップ1:部屋のブロック分け

最初にやるのは部屋のブロック分けです。例えば以下のように分けてみましょう。

・洗面所
・浴室
・トイレ
・玄関
・キッチン
・リビング
・寝室
・バルコニー

こうしてブロックに分けて荷造りしていけば、「トイレ用品はこのダンボール、キッチン用品はこっちのダンボール」というふうに分類した状態で荷ほどきを進めていくことができます。もしダンボールの中の空間が余ってしまう場合は、隣接するブロックの荷物を詰めるなどして対応しましょう。

また封をする際は「浴室」「玄関」など場所を書いておくと、引越し業者がその場所に運び込んでくれたり、自分で分類がしやすくなったりします。

ステップ2:ブロックごとの3種のラベル分け

翌朝が引越し当日でもない限り、引越しの荷造り中も生活に必要なものはダンボールの外に出して置く必要があります。

しかし同時にしばらくは使わないものもあるわけで、そうしたものはダンボールに詰めておいた方が効率的です。こうした分類はスムーズにするために、ブロックごとに荷物を以下の3種のラベルに分類しながら荷造りを進めましょう。

ラベル
引越しまでに使う予定のないもの 詰め替え用の洗剤、テレビ台に収納したDVD、シーズンオフの洋服など
引越しまでに使う可能性があるもの 調理器具、食器、書類や本など
引越しまでに毎日使うもの シャンプーや石鹸、下着やスーツや制服など

引越しまでに使う予定のないものはガムテープで封をしてしまっても構いませんが、引越しまでに使う可能性があるものはダンボールに入れておいて、封をせずにいつでも開けられるようにしておきます。

また引越しまでに毎日使うものというのは、引越しをしてすぐに使い始めるものでもあります。そのためダンボールに詰めた後は何か印をつけるなどして、わかりやすいようにしておきましょう。

プロの手を借りるのもアリ

荷造りをする女性と便利屋の男性

荷造りは基本的に上記の2ステップで対応できますが、どうしても時間がない場合などは引越し当日までに間に合わない可能性も高くなります。前日に徹夜でやればいいと思う人もいるかもしれませんが、そこで体調を崩してしまえば引越し後の作業や仕事に支障がでかねません。

そんな時に活用したいのが便利屋などが提供している荷造りサポートサービスです。こうしたサービスを利用すれば、何をどう詰めるのかを指示する必要はあるものの、何倍もの速さで荷造りを進めることができます。

行政での手続きを行う

荷造りと並行して進めたいのが各種手続きです。特に行政の手続きには時間がかかる場合が多いので、優先的に進めておきましょう。引越しの際には以下のような手続きが必要になります。

転居届け(同一市区町村へ引っ越す場合)
転出・転入届け(他市区町村へ引っ越す場合)
マイナンバーカード等の住所変更
印鑑登録の住所変更(登録者のみ)
国民健康保険の住所変更(加入者のみ)
国民年金の住所変更(該当者のみ)
検診補助券の交換(該当者のみ)
児童手当(該当者のみ)
保育園・幼稚園の転園手続き(該当者のみ)
要介護・支援認定の住所変更(該当者のみ)
犬の登録(該当者のみ)
免許証の住所変更(該当者のみ)

それぞれのやり方や、自分はどの手続きが必要なのかわからない場合は、ネットなどで調べるより前に直接市役所や区役所などに尋ねるようにしましょう。その際は窓口に行って尋ねるよりも、電話で相談する方が圧倒的におすすめです。

窓口に行くとやり方や必要な書類、手続きを知るだけでも、数十分〜数時間待つことになる可能性もありますし、移動時間や交通費もかかります。しかし電話であれば移動時間も交通費もかからず、拘束時間も電話をしている間だけで済みます。

また市役所や区役所は電話対応専属のスタッフを配置しているところもあるので、その場合窓口よりもスムーズに対応してもらえる可能性も高くなります。このことから、行政の手続きに関する質問などは電話の方が効率的なのです。

電気・ガス・電話・ネットなどの手続きを行う

引越しの際はインフラ系の手続きも進めなければなりません。しかし電気・ガス・電話・ネットなどはいずれも民間企業なので、インターネットを使ってパソコンやスマートフォン経由で手続きを済ませられる場合も多くなっています。

自分が契約している会社を調べたら、まずはそのホームページや相談窓口から必要な手続きを確認し、指示に従って進めていきましょう。

郵便局への転居転送手続きを行う

郵便局

引越しからしばらくの間は各方面に新住所を伝えるのに時間がかかるため、前の住所に自分宛の郵便物が届いてしまう場合があります。これを防ぐには郵便局への転居転送手続きを行う必要があります。

この手続きを済ませておけば、1年間は前の住所宛の郵便物を新住所宛に転送してくれるようになります。手続きは簡単で、郵便局の窓口に転居届を出しておくだけです。なおe転居を使えばパソコンまたはスマートフォンから手続きを済ませられます。

また対象サービスの制限はあるものの、ヤマト運輸でも宅急便転居転送サービスがあり、これを利用すれば郵便局と同様に1年間自動的に転送してくれるようになります。

しかし佐川急便を含むその他の運送会社にはこうしたサービスがないところも少なくありません。そうした運送会社から荷物が送られてくる要諦がある場合は、早い段階で発送元に連絡し、住所の変更をしてもらう必要があります。

引越し時の挨拶品を準備する

引越し当日は移動や荷ほどきなどで忙しいため、隣近所に渡すための挨拶品もこのタイミングに準備しておきましょう。挨拶品としてふさわしいものの条件は、以下の3点です。

・あっても邪魔にならない
・誰もが使う
・おおげさでない

例えば海苔などの日持ちのする食品、質のいいトイレットペーパーやティッシュなどの消耗品、タオル類などが定番です。

引越し当日のタイミング

□荷ほどきしていく
□近隣への挨拶回り

引越し当日のタイミングで考えるべきは、この2つです。いよいよ最後の作業です。気を抜かずにこなしていきましょう。

荷ほどきしていく

新しい住まいに荷物が届いたら、いよいよ荷ほどきです。一度詰めたものを全部出す作業ですから、大変なように思えるかもしれません。確かに楽な作業ではありませんが、前述した荷造りのポイントを押さえていればかなり楽になります。以下では荷ほどきの際の手順を3つに分けて解説しておきましょう。

ステップ1:大きな家具・家電の位置を決める

最初にやるべきはダイニングテーブルやテレビ、冷蔵庫や洗濯機などの大きな家具・家電の位置を決めてしまうことです。自分一人で移動させるのが難しい場合は、あらかじめ見取り図を見て決めておいた位置に置いてもらえるよう、引越し業者にお願いしておきましょう。

ステップ2:ブロックごとに段ボール箱を仕分けする

次に荷造りの際に段ボール箱に書いておいたブロックにしたがって、各ブロックごとに段ボール箱を仕分けしていきます。といっても、これも引越し業者に「書いてある場所に運び込んでください」と言っておけば、その場所まで運び込んでくれます。

ステップ3:必要性の高いものから荷ほどきする

荷ほどきをする男性

荷ほどき時にやってしまいがちなミスは、なんとなくで箱を開け始めてしまうこと、そして何個も同時に開封してしまうことです。効率よく荷ほどきを進めたいのであれば、必要性の高いものから一つずつ荷ほどきをするのが基本です。

ここでも荷造りの際の準備が効果を発揮します。引越しの最後の最後まで使う予定のある品物を詰めた段ボール箱に印をつけておけば、まずそこから荷ほどきを始めればよくなるからです。

逆に荷造りの際に、引越しまでに使う予定のないものとしてラベル分けしたものが入っている段ボール箱は、荷ほどきの際は優先順位が低くなります。

ここでもプロの手を借りられる

荷造り同様、荷ほどきでも便利屋などのプロの手を借りると、何倍もの早さで作業を終えることができます。確かに荷ほどきの場合は生活さえできればタイムリミットがないので、わざわざお金を払ってまでスピーディに終わらせる必要はありません。

しかし段ボール箱が積み上がっている環境は、お世辞にもリラックスして生活できる環境とは言えません。そうした環境をできるだけ早く整えたいのであれば、プロの手を借りてしまうのも賢い選択肢と言えるでしょう。

近隣への挨拶回り

荷ほどきの作業が終わってから、もしくはその合間に用意しておいた挨拶品を持って、挨拶回りも済ませましょう。引越し先での挨拶回りのポイントは、以下の3点です。

どこに回るか?

一軒家であれば家の表と裏に面している3軒、そして両隣の2軒の合計8軒が基本。マンションの場合は両隣と上下階の4軒が基本となります。

いつ回るか?

引越しから1週間以内が一般的。何度か訪問しても挨拶ができない場合は、手紙などにどこに引っ越してきた誰なのか、そして何度か訪問したが留守だった旨を書き、挨拶品とともに郵便桶などに入れておくようにしましょう。また食事の時間帯や、夜遅い時間はなるべく避けるようにします。

どんな挨拶をするか?

氏名や家族構成のほかに挨拶の際に伝えておきたいのは、迷惑をかけるかもしれないことです。子供がいて夜などに騒がしくなる場合や、夜遅い時間に帰宅する仕事をしている場合などは、その旨を伝えておきましょう。

まとめ

ズラッと並べてみると、中には急がなくてもいいものもありそうだね。
インターネットの手続きなんかは、とりあえず暮らしていくには急ぎじゃないかも。
そういう意味では「今はいいかな」って思うものは、後回しにするのも大事だね。

引越し作業をしていると「本当は荷造り(あるいは荷ほどき)したいけど、今はこれをやっている余裕はない」という状況に陥ることもしばしばあります。そのような場合はうまく優先順位をつけて、必須ではないものを後回しにする勇気も必要です。

しかしもしどうしても後回しにしたくないという場合は、不用品回収業者や便利屋などのプロの手を借りるのも賢い選択です。確かにお金はかかりますが、うまく利用できればよりスムーズに新生活をスタートできるでしょう。