世界的に有名であり、日本国内では圧倒的な人気を誇るハイブランドルイ・ヴィトン。他のブランドとの人気の差が大きいため、ルイ・ヴィトンに関しては売る際にもいくつか特別に気をつけておかなければならないことがあります。
ここではルイ・ヴィトンのブランドとしての特徴や、人気モデルの買取相場、業者が見ている査定ポイントのほか、ルイ・ヴィトンを高く売るための方法についても詳しく解説します。
ブランドとしての「ルイ・ヴィトン」3つの特徴
まずはLOUIS VUITTON(ルイ・ヴィトン)のバッグや財布などを売りに出す前に、ルイ・ヴィトンがそもそもどういった特徴を持つブランドなのかを知っておきましょう。
日本国内での圧倒的人気
第一に挙げられるのが、日本国内での圧倒的な人気です。その人気は、かつてルイ・ヴィトンの世界の売上のうち6割を日本人が占めていたというデータもあったほどです。直近のデータとしては出ていませんが、その人気が衰えている様子はありません。
そのためブランド品買取専門のショップでも、ブランド品の取り扱いがあるリサイクルショップでも、最も買取が多いブランドはたいていルイ・ヴィトンとなっています。新品が売れる量が多いということは、それだけ中古として売りに出される量も多いのです。
他ブランドなら買取不可でもLVならOK
ルイ・ヴィトンにもハイブランドと呼ばれるブランドはたくさんあります。CHANEL(シャネル)やHERMES(エルメス)、GUCCI(グッチ)やPRADA(プラダ)なども世界トップクラスのブランドです。
しかし前述したように日本国内でのルイ・ヴィトンの人気は、これらのブランドの人気よりも非常に高くなっています。そのため多少状態が悪くても、「ルイ・ヴィトンなら欲しい」という人が多いのです。
買い手がいるのであれば、業者も買い取って販売しようと考えます。すると例えばグッチやプラダなら買取不可になるような状態の品物でも、ルイ・ヴィトンなら買取OKという判断が下されるケースが出てくるのです。
もちろん状態が悪ければそのぶん安くはなりますが、ルイ・ヴィトンのバッグや財布においては、状態を理由に買取を断られたり、無料引取りになったりするケースは珍しいと言えます。
買取相場の安定性
バブル期以降、日本でのルイ・ヴィトンの人気は安定しています。新品の人気が安定しているということは、中古の人気も安定しているということです。
そのためルイ・ヴィトンのバッグや財布の買取相場は、他のブランドよりも比較的安定している傾向にあります。特に定番でリリースされているようなモデルは、大きく値崩れすることはなかなかありません。
ハイブランド品は得てして一般ブランド品よりも値崩れしにくい傾向にありますが、ルイ・ヴィトンの安定感はその中でも特徴的だと言えます。
ルイ・ヴィトンのバッグ・財布などの買取相場
他のハイブランドよりも人気が高く、値崩れにくい傾向にあるルイ・ヴィトンですが、それでは具体的にどれくらいの買取相場になっているのでしょうか。
片付け大学ではこの疑問に答えるべく、ブランド品買取ショップの元店長に取材をしました。下表はその際に2019年1月現在の相場感も加味して計算してもらった、ルイ・ヴィトンの6モデルの買取相場表です。
ライン名 | モデル名 | 買取相場(下限〜上限) |
---|---|---|
モノグラム | スピーディ30 | 2,000〜5万2,000円 |
ダミエ エベヌ | ネヴァーフルMM | 5,000〜11万円 |
モノグラム | イエナPM | 7,000〜12万円 |
ダミエ アズール | ジッピーウォレット | 2,000〜6万5,000円 |
モノグラム | ポルトモネ ビエ トレゾール |
1,000〜3万円 |
エピ | ミュルティクレ4 | 100〜2万1,000円 |
※2019年1月現在
買取相場はモデルによっても大きく変わります。例えばスピーディ30の定価は12万7,440円(2019年1月時点。以下同様)なので、高くとも定価の半額程度にしかならないことがわかります。しかしネヴァーフルMMの定価は16万3,080円、イエナPMの定価は15万6,600円となっており、買取金額の上限が定価の7〜8割程度になっています。
ただし、ずっとこの買取相場のまま変わらないというわけではありません。ネヴァーフルやイエナはここ数年人気のあるモデルなので買取相場も高くなっていますが、人気がなくなれば相場が下落する可能性も十分あります。人気の高いルイ・ヴィトンとはいえ、流行に左右されるということを覚えておく必要はあるでしょう。
ルイ・ヴィトンの買取査定はココを見られる!
ハイブランド品の査定ポイントは3つ
買取業者がルイ・ヴィトンを含むハイブランド品を買取査定する際に、チェックする主なポイントは「真贋」「状態」「モデル・人気」の3点です。これらのうち、ルイ・ヴィトンに特有な査定ポイントがあるのは状態の見方です。以下ではこの点について解説しておきましょう。
なお他のハイブランドと共通する査定ポイントについては売りたい人は要チェック!ブランドバッグ・財布の買取査定ポイントで紹介しているので、こちらを参照してください。
ルイ・ヴィトンに特有な項目
・モノグラムやダミエなどのキャンバスアイテムの角のスレ・めくれ
・内側に合成皮革が採用されているアイテムのベタつき
・ヴェルニの表面の傷、ベタつき
・ヌメ革部分の色ヤケや水ジミなどの有無
モノグラムラインやダミエラインなどは、キャンバス地をPVC(塩化ビニール)でコーティングして作られています。
これらの切れ端(コバ)はコーティング剤で覆われていますが、使用に伴ってその部分が擦れ、コーティング剤が剥がれてくると、PVCとキャンバス地が分離してめくれ上がってきます。こうなるとルイ・ヴィトン製品としての価値が大きく下がってしまうため、買取価格も安くなってしまいます。
また内側がベージュやブラウンの合成皮革で覆われているバッグや財布などの場合、湿気や経年に伴って合成皮革が劣化し、ベタついてくることがあります。このベタつきが原因でルイ・ヴィトンを売りに出す人も多いわけですが、これも買取価格がダウンする原因の一つになります。
エナメル加工が施されたヴェルニラインのアイテムは、デザインの特性上何かに擦れたりすると簡単に表面が白けてしまい、傷として残ってしまいます。さらにエナメル加工は湿気や経年に伴って劣化し、ベタついてくる特性もあります。ヴェルニラインのアイテムでこうした状態になっている場合は、そのぶん買取価格がダウンしてしまいます。
最後はルイ・ヴィトンのバッグのハンドルなどに採用されているヌメ革の状態です。ヌメ革は蛍光灯の明かりに当てているだけでも日焼けしてしまいます。結果全く使っていないにも関わらず、日焼けが原因で買取価格がダウンしてしまうケースもあります。
またヌメ革は使い始めた頃は水に弱く、すぐに水ジミになってしまいます。これを放置して見た目が悪くなってしまうと、これも買取価格ダウンの原因になります。
ルイ・ヴィトンのバッグ・財布などの人気ライン
人気ラインはモノグラムとダミエ
ルイ・ヴィトンのアイテムにおいて、不動の人気を誇っているのがロゴが前面に散りばめられたモノグラムラインと、日本の市松模様がデザインのもととなったダミエラインの2つです。ダミエラインにはブラウンのエベヌ、白のアズール、黒のグラフィットの3色がありますが、グラフィットは男性向けアイテムが多いため全体的な人気で言えば他の2色には劣ります。
そのためモノグラム、ダミエエベヌ、ダミエアズールの3つのデザインはバッグや財布のモデルを問わず、他のデザインのものより高値がつく傾向があります。
定番デザイン以外は高値になりにくい
逆に言うと、こうした定番デザイン以外のアイテムは高値がつきにくい傾向があります。例えばカラフルなモノグラムが特徴のマルチカラーライン、カラーバリエーションが豊富なヴェルニライン、流行の影響を受けやすいエピラインが挙げられます。この他、シーズンアイテムも古くなるにつれて高値がつきにくくなります。
また買取相場表でも挙げたスピーディのような昔からあるモデルは、すでに中古市場でも飽和状態にあるため、新しいモデルや人気のモデルに比べて買取価格が安くなる場合があります。
そのため定番デザイン以外のアイテムや、昔からあるモデルを売ろう考えている場合は、特に状態がキレイなうちに売りに出すのが賢明だと言えるでしょう。
ルイ・ヴィトンをできるだけ高く売るには?
前述したように、ルイ・ヴィトンのバッグや財布などの買取価格は状態と人気・モデルによって大きく変動します。そのため中古のルイ・ヴィトンの買取価格は、実際に査定してみないとわからないというのが実情です。
しかし買取価格が明確にわからなくとも、手元にある品物の買取価格ができるだけ高くなるよう工夫することは可能です。そこで以下では特にルイ・ヴィトンに対して有効な方法について解説していきます。
なお、ハイブランド品のバッグや財布全般に共通する方法については、知らなきゃ損する!ブランドバッグ・財布を高く売る3つの方法で解説しているので、こちらもぜひ参考にしてください。
使うときはコバ塗装の剥がれに要注意
角のスレに注意が必要な点はハイブランドのバッグ、財布、カードケース、キーケース全般に言えることです。しかしルイ・ヴィトンの場合、角のスレには特に注意が必要です。
なぜなら角にスレが生じているということは、その部分のコバ塗装が剥がれているということだからです。前述したようにルイ・ヴィトンのモノグラムラインやダミエラインなどのPVCコーティングが施されているアイテムは、コバ塗装が剥がれてきたところから劣化していきます。こうなるといざ売りに出そうと思っても、買取価格が低くなってしまいがちです。
そうならないためにも、バッグを自転車のカゴに入れたり、財布などをバッグに投げ入れたり、お尻のポケットに入れたりといった使い方はくれぐれもしないようにしましょう。そうやって丁寧に扱うことが、結果的には高い価格で買い取ってもらえることにつながるのです。
革パーツ・金属パーツの手入れも大切
使用中、売却前の手入れが高く売るために大切なのも、ブランドやアイテムにかかわらず同じです。しかしここでもルイ・ヴィトンに特有なポイントがいくつかあります。
一つはハンドルなどに使われているヌメ革パーツの手入れです。査定ポイントのところでも説明したように、ヌメ革は色ヤケや水ジミなどによって見た目が悪くなりやすい素材です。そのため使用すればするほど新品の状態からは見た目が変わってしまいますし、使用していなくても蛍光灯の光に当たっていれば日焼けしていきます。
こうした見た目の変化を「劣化」や「悪化」にしないためには、日常的な手入れが必要になります。といっても日焼けや水ジミ、手の脂などで色むらができないように、定期的に革用のクリームなどで手入れをするだけです。
もちろんクリームを使うほど色は変わっていきますが、丁寧に手入れしていればキレイな飴色に変化していきます。その状態は決して見た目に汚いものではなく、むしろ味になります。新品よりはどうしても価値が下がってしまいますが、色むらがある状態よりは査定時の印象が良くなります。
もう一つは金属パーツの手入れです。ルイ・ヴィトンのアイテムには留め具などに真鍮が使われていますが、真鍮には緑青と呼ばれるサビが発生します。これを放置していると革が傷んでしまい、最悪の場合ハンドルなどが千切れる可能性もあります。
そうなれば一気にジャンク品扱いです。このような結果を避けるためには、緑青が発生しないよう湿気の少ない場所に保管するか、緑青が発生した際に適切な手入れをする必要があります。手入れの方法は簡単で、綿棒などに重曹を溶かした水を染み込ませ、金属パーツの周りを拭き取るだけでOKです。
また合成皮革パーツのベタつきに関してはアルコールなどで拭くくらいしか手立てはなく、メンテナンスで完全にリカバリーすることはできません。しかしヴェルニラインの表面に出るベタつきに関しては靴クリームなどである程度リカバリーできるので、ベタつきが出ている人は売りに出す前に試してみましょう。
PVC素材のものの保管は特に湿気に注意
合成皮革パーツのベタつきをリカバリーするのは難しいですが、ベタつきが発生しないよう予防することは可能です。ベタつきの原因は湿気なので、保管時にシリカゲルのような除湿剤や新聞紙などをベタつきやすい内ポケットに入れておいたり、直射日光の当たらない風通しの良い場所で保管したりするだけでも、何も考えずに保管するよりはベタつきを予防できます。
湿気対策はカビ防止にも役立ちます。特にモノグラムやダミエのようなPVCコーティングが施されているアイテムは、軽やかな見た目とは裏腹に風を全く通しません。そのため油断していると湿気の多い日本の気候の影響を受けて、ベタつきやカビが生じてしまいます。そのため保管時には特別気を遣ってあげるようにしましょう。
まとめ
ハイブランド品はもともとが非常に価値のあるものなので、多少状態が悪くとも買取不可や無料引き取りになるケースは稀です。特にルイ・ヴィトンの場合は日本での圧倒的な人気があるため、持ち主にとっては「もうダメだろうな」という状態でも買い取ってもらえる可能性が高くなります。
もちろん買取不可になったり、納得がいかないほど安くなったりする可能性がないわけではありません。しかし使わないまま眠らせておくよりは安くても売った方がお得ですし、業者によっては他の業者より高く買い取ってくれるところもあります。
リサイクルページではブランド品の取り扱いがある業者に、一括で見積もりを出すことができるようになっています。もう使わないルイ・ヴィトンのバッグや財布、キーケースやカードケースがある人はぜひ活用してみてください。
なお、この他に家電などもまとめて売りたいと考えている人は、【買取まとめ】リサイクルショップで買い取ってもらう方法を参照してください。