こんぶ、加湿器ってどうやって使ってる?


え?普通に部屋の隅っこに置いてるよ。


じゃあお手入れはしてる?


うーん、シーズンの終わりに一回やるくらいかなあ。


こんぶ、それどっちもかなりよくないよ……。


え、なんで!?


加湿器って正しい使い方、手入れをしてないと、最悪命の危険もあるんだから!


命の危険なんて、そんな大げさな。


それが大げさじゃないんだよ。


マジ?


マジ。じゃあ今日は加湿器の正しい使い方・手入れの方法を紹介するよ。


よろしく頼みます!

冬はただでさえ空気が乾燥する季節ですが、暖房を使えばさらに乾燥はひどくなります。そんな冬に加湿器は必需品。でも実は、正しい使い方・手入れの方法を実践できていない人も少なくありません。

加湿器を正しく使えていないと、電気代が余計にかかったり、湿度が思うように上がらなかったり、最悪の場合は病気の原因になることもあります。これは手入れの方法も同様です。

そんな事態を回避するために、ここで加湿器の正しい使い方・手入れの方法を知っておきましょう。

INDEX
  1. 加湿器の「間違い」がもたらす、怖すぎるデメリット
    1. 加湿器の設置場所、間違えてませんか?
    2. 加湿器の手入れをサボると「レジオネラ症」のリスクが上がる
  2. 加湿器の正しい使い方、正しい手入れ方法を知ろう
    1. 加湿器の正しい使い方
    2. 安全に使用するためには手入れが大事
  3. まとめ

加湿器の「間違い」がもたらす、怖すぎるデメリット

デメリットに怯える女性

加湿器の設置場所、間違えてませんか?

乾燥防止のための加湿器を、何気なく空いている場所に置いている人も多いかもしれません。しかし実は加湿器には、はっきりと「間違った設置場所」があります。下表は、加湿器を置いてはいけない場所とその理由をまとめたものです。

加湿器を置いてはいけない場所 理由
エアコンの対面の壁 カビの発生の原因になる
窓・カーテン、木製家具の近く カビの発生の原因になる
家電製品の近く 家電製品の故障の原因になる
換気扇の下 湿気が排出されてしまう

エアコンの対面の壁に加湿器を設置すると、エアコンからでる風で水蒸気が壁側に滞ってしまい、その場所だけ湿度が異常に高くなってしまいます。窓・カーテン、木製家具の近くに加湿器を置くと、水蒸気が染みこんでしまいます。

これらが原因でカビが発生すると、胞子が体内に入ってアレルゲンになったり、肺の中で繁殖して病気を引き起こしたりするおそれが出てくるのです。

家電製品に水をかける人は滅多にいないと思いますが、近くで加湿器を使い続けるのは結果的に水をかけているのと同じです。そのため長時間、家電製品の近くで加湿器を使い続ければ、故障の原因になることがあります。

換気扇は部屋の内部と外部の空気を入れ替えるためのものですから、その近くに加湿器を置けば、水蒸気が全て室外に排出されるので、加湿器を使う意味がなくなってしまいます。

このような結果を避けるために、加湿器は後述する正しい場所に置かなければならないのです。

加湿器の手入れをサボると「レジオネラ症」のリスクが上がる

ウイルス

2018年1月に、大分県の高齢者施設で80〜90歳代の男性3人が「レジオネラ症」にかかり、そのうち1人が亡くなるという出来事がありました。原因は加湿器。タンク内で増殖したレジオネラが空気中に広がり、感染したのです。

レジオネラ症というのはレジオネラ属菌による感染症です。この菌は自然界の土や淡水(川や湖)にたくさんいて、水を使う日常的な設備のなかでも繁殖します。

レジオネラ症になると全身のけだるさや頭痛、筋肉痛などの症状をきっかけに、乾いた咳や痰、高熱や悪寒へと繋がっていきます。

正しい治療を受ければ致死率は7%程度ですが、放置した場合は60〜70%と危険性は十分です。

地方独立行政法人大阪健康安全基盤研究所によれば、2009年ごろからレジオネラ症の患者数は増えており、原因には従来の公衆浴場や旅館などのお風呂の水以外に、「加湿器」が挙げられています。

とりわけ水を加熱しない超音波式の加湿器はレジオネラ属菌が繁殖しやすいため、より注意深くお手入れをする必要があります。

加湿器の正しい使い方、正しい手入れ方法を知ろう

メガネの主婦

置き場所の間違いによるカビの発生や、レジオネラ属菌の繁殖によるレジオネラ症を防ぐには、加湿器の正しい使い方、正しい手入れ方法を知っておかなければなりません。

以下ではそれぞれについて、具体的に解説していきます。

加湿器の正しい使い方

加湿器を正しく使うためには、適切な場所に置く必要があります。下表はカビの発生や他の家電の故障などを引き起こさない置き場所とその理由をまとめたものです。

加湿器の正しい置き場所 理由
サーキュレーターの横 水蒸気が室内にムラなく行き渡る
部屋の真ん中 水蒸気が一か所に止まらない

サーキュレーターはエアコンの空気を効果的に室内にめぐらせるためのものですが、加湿器から出る水蒸気もムラなく行き渡らせることができます。

サーキュレーターを使っている人は、その隣が加湿器のベストな置き場所と言えるでしょう。

サーキュレーターを使っていない人は、なるべく壁や他の家電がない、部屋の中央に近い場所に置くようにします。

電源がない場合は、通信販売などで安い延長コードなどが売られているので、それらを利用しましょう。

「空気を循環させればいいのなら、エアコンの下でもいいのでは?」と思う人もいるかもしれません。

確かにエアコンの下は加湿器の水蒸気は循環しやすくなります。しかし場合によってはエアコンの中の湿度が高くなってしまい、故障やエアコン内部のカビの原因にもなりかねません。

そのためエアコンの下に加湿器を置くのはおすすめしません。

ちなみに、空気清浄機能つきの加湿器なら、置く場所を選ばないわよ。


じゃあもうそれで決まりじゃん!


まあ、そのぶんお金はかかるけどね……。


なるほどね……。

安全に使用するためには手入れが大事

クエン酸

正しい場所に置くことができても、ちゃんと手入れができていなければ、加湿器を安全に使うことはできません。以下では「毎日する手入れ」と「週1〜隔週でする手入れ」に分けて、加湿器の正しい手入れの方法を紹介します。

毎日する手入れ

・水の交換
・タンク内の簡単な掃除

いつも隅々まできれいにするに越したことはありません。しかし他にも家事などがありますから、現実的には難しいはず。そのため毎日の加湿器の掃除は、上記の2つに絞りましょう。

継ぎ足しをせず、毎朝(あるいは毎晩)タンクの中の水を捨てて新しい水に入れ替える。その際は、柄付きブラシなどを使ってタンク内部を軽くこすって掃除をする。これだけです。

週1〜隔週でする手入れ

毎日の手入れをしたうえで、週1〜隔週の頻度でやっておきたいのが、以下の7ステップの手入れです。

1.クエン酸水を作り、タンクに入れる。
2.1時間程度運転する。
3.クエン酸水を捨てる。
4.重曹水を作り、タンクに入れる。
5.1時間ほど放置する。
6.古い歯ブラシ、スポンジを使って各部品を掃除。
7.エアコンの前などで乾燥させる。

クエン酸は水垢に有効なアイテムなので、まずはクエン酸を溶かした水で内部の汚れを落とします。

ただ、カビやカビの原因を取り除くにはクエン酸の酸はむしろエサになってしまいます。そのためカビ防止に効果のある重曹も合わせて使うわけです。

まとめ

手入れの方法はそこそこ面倒だけど……仕方ないね。レジオネラ症が怖すぎるよ。


だよね。目に見えないだけに、あらかじめきちんと対策をしておきたいよね。


教えてくれてありがとう、くるり!今日から実践するよ!

加湿器の置き場所を工夫したり、定期的に加湿器の手入れをしたりするのは、確かに面倒かもしれません。

しかしレジオネラ症によるリスクを考えると、適切な対策をせざるを得ません。ましてや子どもがいる家庭ならなおさらでしょう。

ここで紹介した方法を参考に、今年は加湿器を正しく使い、正しくお手入れしましょう。