うーん、湿気でジメジメ嫌な季節がやってきたなあ。
そうねえ。うちの家具も梅雨が本格化する前に、湿気対策しとかなきゃな……。
え、家具に湿気対策なんてあるの?
あら知らないの?やっとかないと梅雨の間に家具がカビちゃうかもよ?
そ、そんなあ!教えてよ、くるり!
しょうがないわねえ。じゃあ今日は梅雨時の家具の湿気対策について解説しましょう!
雨が降る日が増え、部屋を閉め切ったり、洗濯物を部屋干ししたりと、とにかく室内の湿度がぐっと高まるのが梅雨の季節です。ここで気をつけなくてはならないのが、ソファやベッド、タンスなどの湿気対策です。
日当たりの悪い部屋などで対策を怠ると、お気に入りの家具がカビてしまうだけでなく、ダニの温床になる可能性もあります。ここではそうした事態を回避するための方法を紹介します。
家具の「湿気対策」はもう大丈夫?
ソファやベッド、タンスなどのカビ・ダニの原因
カビが発生するために必要なのは、5℃〜35℃の温度、そして80%以上の湿度です。一方、ダニが繁殖するために必要になるのも、25℃前後の温度に65%以上の湿度。つまり気温が高くなり、室内の湿度が80%以上になることもある梅雨時は、カビやダニにとって一番増えやすい環境なのです。
カビは一度発生するとそこからどんどん奥深くまで根を張っていくため、例えば布地張りのソファやマットレスの中で増殖されてしまうと、手の施しようがなくなってしまいます。木製の家具なども表面に発生したカビが木材の奥の方まで根を張ってしまうと、完全に除去するのは難しくなります。
ダニも増殖されると厄介な存在で、噛まれればかゆみの原因になりますし、フンや死骸がたまればアレルギーの原因にもなります。
湿気対策×予防掃除で梅雨のカビ・ダニをブロック
こうした事態を防ぐためには、室内にできるだけ湿気をためないような対策を施す必要があります。そうすることでカビやダニの発生を抑え、大事な家具や自分の体を守ることができるのです。
しかし実は湿気対策だけでは、カビ・ダニをブロックするための方法として不十分です。というのもカビはホコリを栄養源としており、ダニはホコリの他に人間のフケや垢、食べかすなどを栄養源にしているからです。いくら湿気がたまらないようにしていても、ある程度の湿度があるところに、栄養源が豊富にあれば、そこはカビやダニにとって温床になってしまいます。
こうした栄養源を断つためには、予防掃除が効果的です。予防掃除とは、簡単に言えば「汚くなってから掃除するのではなく、汚くなる前に掃除する」というもの。カビやダニにとっての栄養源が増える前に掃除をすることで、梅雨時のカビ・ダニの繁殖をより抑えられるようになります。
以下では特にカビ・ダニの発生に注意したいソファ・ベッド・タンスといった大きな家具における湿気対策と予防掃除を解説します。
ソファ・ベッド・タンスなどの湿気対策×予防掃除
基本は「空気の通り道」の確保
通常日本では、外気の湿度が80%以上を超えることはほとんどありません。室内でも湿度が80%以上を超えるのは、浴室のような水蒸気が非常に多い場所だけです。しかし梅雨時の室内は湿度が80%以上になる日もあり、特に狭い空間は空気の流れが悪くなるため、そこに湿気を多く含んだ空気が流れ込むと、湿度が非常に高くなってしまいます。
このような状況を作り出さないためには、家具と壁の間に空気の通り道を確保する必要があります。例えばソファを壁に対してぴったりとくっつけているのであれば、5〜10cmの隙間を空けて配置する。タンスを壁や他の家具に対して密着させているのであれば、これも5〜10cm離すようにします。
また可能であれば床と家具の間にも隙間を作るのも効果的です。100円均一などで売られているスノコを下に挟むなどすれば、そこに空気の流れが生まれ、カビやダニの発生を抑えることができます。
ちなみに5〜10cmの隙間を作ると、ゴキブリ対策にもなるんだよ。
え、どうして?
ゴキブリは自分の体の大きさギリギリの狭い場所が好きなの。だから自分の体よりも大きな空間は居心地が悪くて、移動したくなるんだって。
カビもダニも防げて、突然家具の隙間から出てくるゴキブリに驚かされなくて済むんなら、やるしかないね!
「予防掃除」がカビ・ダニの発生を抑える
予防掃除の基本は次の2点です。
・その場で掃除。
・ついでに掃除。
以下ではこの基本に従って、ソファ・ベッド・タンスの手入れについて解説します。
ソファは「あ、しまった!」の時にきちんと対処
ソファの中でも布張りの製品は、飲み物や食べかすを落としてしまうと内部にまで入り込みやすく、カビやダニの原因になってしまいます。そのためうっかり飲み物や食べ物を落とした時は、「とりあえず今はテキトーに拭いておこう」とごまかすのではなく、その場で洗剤などを使ってきっちり掃除するようにしましょう。
また布地は座っている人の体から出た汗や水蒸気をそのまま吸い込んでしまうので、湿気がたまりやすくなっています。そのため、ソファの下や後ろを掃除するついでに、窓際に1日干しておくなどして、定期的に湿気を追い出すようにします。
これに対して革張りソファは比較的汚れや湿気に強いものの、縫い目やつなぎ目にはホコリがたまりがちです。「細かい部分の掃除は面倒だ」と思うかもしれませんが、テレビを見ながらでも革用の柔らかいブラシでかき出す癖をつけるだけでもホコリはたまりにくくなります。
晴れの日にはマットレスに風を通そう
健康的な大人であれば、一晩にコップ1杯分程度の寝汗をかくと言われています。その汗はパジャマやシーツにも吸収されますが、当然布団やマットレスにも吸収されていきます。そのため、構造にもよりますが寝具にはたっぷり湿気が含まれているのです。
これを放置しておくと、布団やマットレスそのものにカビやダニが大量発生する原因にもなりますし、その周辺の壁や床、ベッドにカビやダニが発生する可能性もあります。
対処方法としては、ベッドの下のホコリを掃除機で掃除したり、シーツを洗濯したりするついでに、布団やマットレスに風を通すことです。ベランダやバルコニーに干すスペースがあるのであればそれが一番ですが、スペースの問題で難しい場合は壁に立てかけておくだけでも、湿気を追い出せます。
壁とタンスの隙間にご用心
ついつい掃除が面倒で、壁とタンスの間にホコリやゴミをため込んでしまうという人も多いのではないでしょうか。しかしここまで見てきたように、壁とタンスの間のホコリやゴミはカビやダニにとっての栄養源となるため、特に梅雨時は用心しなければなりません。
壁とタンスの間をカビやダニの温床にしないためには、その原因となる「狭い場所の掃除が面倒」を解消する必要があります。その方法として効果的なのが、5〜10cmと言わず、「掃除道具に合わせて隙間を空けておく」です。
主な掃除道具が掃除機なのであれば、ヘッドを付け替えなくてもそのまま掃除できる程度に隙間を確保する。床拭きワイパーで掃除することが多いのなら、それがすんなり入る隙間に空けておく。
これによって他の床を掃除するのと同じ感覚で隙間の掃除ができるため、面倒だからという理由でホコリやゴミを溜め込むことはなくなります。
エアコンも湿気対策に有効
・室内の湿気を追い出すために、窓を開け放っている。
・「6月まではクーラーを我慢するんだ!」とエアコンをつけずに暮らしている。
これは湿気対策という意味においては、あまり賢い選択とは言えません。なぜなら梅雨の季節は室内より外気の方が湿度が高い場合も多く、そんな状況で窓を開け放てば室内の湿度が上がるだけでからです。
一方でエアコンは室内の空気を効率的に回転させ、隙間にたまってしまった空気を追い出してくれますし、ドライモードなどに設定すれば空気中の湿気を室外に出してもくれます。確かに電気代はかかりますが、快適に過ごせるうえに湿気対策にもなるのですから、効果的に活用しない手はないでしょう。
まとめ
どれも簡単な方法ばかりだから、今日から始めるよ!
お役に立てたみたいで嬉しいわ。
家具の湿気対策はどれも今日から始められるものばかりです。家具の移動は多少大変かもしれませんが、「今日はタンス」「明日は○○」という風に、少しずつ動かしていけば大した作業にはなりません。
ここで紹介したのはソファ・ベッド・タンスの湿気対策と予防掃除についてでしたが、「壁と家具の間に隙間を作る」「こまめに掃除をしてカビ・ダニの栄養源を断つ」という基本はどの家具に関しても同じです。「あの時ちゃんと対策しておけばよかったのに……」と後悔しないためにも、早めの対策をおすすめします。