最近遺品整理サービスって話題だけど、あれって結局何してくれるものなの?
そりゃあ遺品整理をしてくれるんじゃないの?
でも遺品整理って言っても、いろいろ作業があるでしょ。
確かに。ただ整理するだけだと、ビジネスとして成り立ちそうにないもんね……。
くるり!今日はぜひその辺を詳しく説明してよ!
私も気になるし、ちょっと調べてみましょうか!

近年増加傾向にある遺品整理業者ですが、一口に遺品整理と言っても具体的にどのようなサービスを提供してくれるのかイマイチわからないという人も多いのではないでしょうか。

実は多くの遺品整理業者が、単に扱いに困ってしまっている遺品を引き取ってくれるだけでなく、値段のつくものは買い取ってくれたり、形見分けのサポートをしてくれたりと、様々なサービスを提供しています。ここではそれらについて網羅的に解説します。

INDEX
  1. 遺品整理業者のサービスまとめ
    1. 貴重品と処分品の仕分け
    2. 遺品の買取
    3. 遺品の供養
    4. 重要書類・貴重品の探索
    5. 処分品への対応
    6. 形見分け品の配送
    7. 遺品の梱包
    8. 搬出時の養生
    9. 生前整理
  2. その他の付随サービス
    1. ハウスクリーニング
    2. 特殊清掃
    3. リフォーム
    4. 各種手続き(不動産整理含む)
  3. まとめ

遺品整理業者のサービスまとめ

まずは遺品整理業者にとってメインとなる、遺品整理関連のサービスを9個紹介していきます。注意して欲しいのは、これらのサービスを全ての遺品整理業者が提供しているわけではなく、全てのサービスを網羅している業者もいれば、一部のサービスだけに絞って提供している業者もいます。

自分がいざ利用する立場になった時はその点を理解した上で、自分が求めているサービスを提供している業者を選ぶようにしましょう。

貴重品と処分品の仕分け

遺品の中には家具や家電、衣類や雑貨類、宝飾品類など今後も使っていきたいもの、保管しておきたいものもありますが、中には「捨てるのはしのびないけど、だからといって置いておいても困るもの」=処分品も混じっています。

しかし一軒家などになると、そうした遺品を残すものと処分するものに仕分けするにも一苦労です。また素人目には貴重品に見えなくても、実はまだまだ価値のある品物だという場合もあります。そのため自分の判断だけで仕分けをすると、思わぬ貴重品を処分してしまう可能性もあるのです。

そのような場合に利用したいのが遺品整理業者の貴重品と処分品の仕分けサービスです。次の項目でも触れるように、遺品整理業者は遺品の買取もしているため、リユース・リサイクル品にできるものとそうでないものの区別を素早く的確に行うことができます。

思い入れや思い出のある遺品を他人の手で仕分けしてもらうことに抵抗のある人もいるかもしれません。しかし業者によっては遺族の立会いのもと、目の前で仕分け作業をしてくれるところもあるため、その点の心配は無用です。

遺族が立会いできるということは、見られても問題ない、丁寧な作業ができるという業者側の自信の現れでもあります。そのため遺品をできるだけ大切に扱ってほしいという人は、立会いOKの業者を選びましょう。

遺品の買取

電卓

前述したように遺品整理業者には、まだ使える家電や家具などをリユース・リサイクル品として買い取ってくれるところがあります。「でももう古いものばかりだし」と思うかもしれませんが、遺品整理業者の中には幅広い流通網を持っていて、日本全国だけでなく東南アジアなどの海外に輸出するルートを活用している業者もいます。

そのため、素人目には一見してゴミのように見えても、実はまだまだ使ってくれる人がいるケースも少なくありません。思い出や思い入れのある遺品をただ処分してしまうのは気がひけるという人は多いと思いますが、幅広い流通網を持っている業者であれば次の使い手を見つけてもらえる可能性も高いのです。

また買い取れるということは、それだけ業者側の利益にもなるため、全体のサービス料金が抑えられる可能性も高くなります。

遺品の供養

とはいえどんなに広い流通網を持っている業者でも、どうしても処分しなければならない遺品もあります。しかしそれでもやはり単にゴミ処理場に運ばれて、他のゴミと一緒に焼却されるのは忍びないと感じる人も多いはず。そのような場合は、遺品の供養サービスを利用するのも選択肢の一つです。

遺品整理業者の中には寺院などと提携して、他の利用者の遺品と一緒にお焚き上げを行う合同供養サービスや、僧侶による読経を行うサービス、あるいは自宅まで僧侶がやってきて、その場で供養するサービスなどを提供しているところがあります。サービスによって料金が異なったり、僧侶へのお布施が別途必要になったりする場合もありますが、遺品とのお別れの時間をより大切に過ごすことができるはずです。

重要書類・貴重品の探索

定期預金通帳

・お父さん、生前に「通帳に○○○○万円残してある」って言ってたけど、通帳はどこにあるんだろう。
・遺言書があるはずなんだけど、どこに保管してあるのか見当もつかない。
・遺産相続のために土地関係の書類が必要だが、どこを探しても見つからない。

遺品整理の場面では、こうした状況が日常茶飯事に起きています。日本ではいまだに生前に死後の話をするのは縁起が悪いと考える人も多いため、重要書類や貴重品の置き場所を伝えないまま亡くなってしまう人も多いのではないしょうか。その良し悪しは別として、それらが見つからなければ遺された家族が困るということは間違いありません。

遺品整理業者の中には遺族のこうしたニーズに応えて、遺品整理の作業の中で依頼された重要書類や貴重品を探索するサービスを提供しているところがあります。また業者によっては、こちらが依頼していない重要書類や貴重品でも、作業中に見つければ保管・報告してくれる場合もあります。

生前に本人ときっちり話し合って重要書類や貴重品の場所を把握しているのが理想ではありますが、それができない場合やできなかった場合は、プロの手を借りるのも一つの手です。

処分品への対応

処分が必要な遺品の中には、日用消耗品など「供養するまででもないな……」というものもあります。それが少しだけであれば、通常のゴミの日に出すこともできますが、量が多くなると分別やゴミ出しの作業が大変になってしまいます。

遺品整理業者の中には、自治体から一般家庭のゴミを回収する許可を取得して、こうした処分品をゴミ処理場へ運び込むサービスを提供している業者があります。また許可を持っていなくとも、許可を持っている業者と提携して、その業者に処分品を引き渡すというサービスを提供している場合もあります。

そのような業者に遺品整理を頼めば、ワンストップで処分品への対応も済ませられるため、手間や時間を節約することができます。

形見分け品の配送

遺品整理をしていれば、親族に形見分けが必要な遺品も見つかります。また遠方から遺品整理に立ち会いに来ている人が、自宅に遺品を持ち帰りたいという場合もあるのではないでしょうか。それが段ボール一つ分の量であれば問題ありませんが、自分の手で持って帰るのが難しい量になると、別途運送業者を手配しなければなりません。

しかしこれも遺品整理業者に相談すれば、対応してくれる場合があります。遺品整理業者の方で運送業者を手配してくれたり、もしくは遺品整理業者自身が自宅まで配送してくれたりするのです。

遺品整理業者自身が対応してくれるのであれば、それが遺品だということを理解したうえで取り扱ってくれます。また目の前で作業を見ていれば、その業者がどんな風に遺品を扱うのかもわかっています。そのためより安心・納得して形見分け品を配送してもらいたいのであれば、自社で対応してくれる事業者を選ぶと良いでしょう。

遺品の梱包

形見分け品を各地に発送するのであれば、それらを段ボール箱などに梱包する必要があります。また遺品を買い取ってもらうにしても、遺品整理業者のトラックに積み込むには梱包が必要です。

このような作業も、遺品整理業者が迅速かつ丁寧に行なってくれます。自社で梱包材を全て準備してくれるところも多いため、その場合は遺品の梱包のためにわざわざ段ボールなどを購入する必要もありません。

搬出時の養生

引越しの養生

遺品の中には冷蔵庫や洗濯機、机やソファなど、重くて硬いものもあります。それを買取や処分、形見分けのために運び出すとなると、場合によっては床や壁に傷がつく可能性も考えられます。「もう取り壊すから、傷なんて気にしない」という人は別ですが、「それでは困る」という人も多いはずです。

そのような場合は、搬出時の養生作業を行なっている遺品整理業者を選びましょう。跡が残らないテープや段ボールなどを使って床や壁、品物自体を守ってくれるため、傷がつくリスクを最小限に抑えられます。

生前整理

何を遺したいか、何を遺しておくべきか、それは本人が一番よく知っているはずです。そうであるならば、生前(もしくは老前)に自分の身の回りを整理しておくのが一番です。

ただ前述した通り、日本では生前に死後の話をするのはタブー視されがちです。そのため生前整理の話ができるかどうかは、本人と家族との関係性などによって左右されます。

しかしもし生前整理の話ができる間柄なのであれば、遺品整理業者が提供している生前整理のサービスを利用するのも賢い選択肢です。遺品整理業者の中には多くの遺品整理の現場に立ち会い、死後どんなものを遺しておくと良いか、あるいは遺しておくべきかということを熟知している業者もあります。そうした業者に生前整理を依頼すれば、本人も安心・納得して作業を進められます。

なお生前整理のサービスの中身は、概ねここまで見てきた遺品整理サービスと同様です。

その他の付随サービス

続いて紹介するのは、遺品整理サービスに付随して必要になる場合がある4つのサービスです。それぞれ遺品整理業者とは別に専門業者が存在するサービスですが、大切な家族を失って心身ともに疲弊している時は、業者の選定や手配をするのも億劫になるものです。

そのような場合は以下の4つのようなサービスを提供している遺品整理業者を選ぶのも、賢い選択肢の一つと言えます。

ハウスクリーニング

故人が住んでいた家に親族が住む予定があったり、もしくは賃貸や売却をする予定があったりする場合、遺品整理をした後に家全体の掃除をする必要があります。しかし高齢者になるほど、家の掃除は大変になるもの。目が悪ければ汚れや埃が見えず、膝や腰が悪ければ低い場所や高い場所の掃除も難しくなります。そのため故人が高齢者だった場合は、その家を掃除するとなるとなかなか骨の折れる作業になりがちです。

このような状況を遺品整理業者に相談すれば、遺品整理後のハウスクリーニングを請け負ってもらえる場合があります。中には専用の機器や設備を持っていて、本格的なハウスクリーニングを行なってくれる業者もいます。ハウスクリーニングを遺品整理業者に依頼する場合は、あらかじめ家の状況を確認しておき、どれくらい掃除が必要なのかを把握しておきましょう。

特殊清掃

一人暮らしをされていた方で、かつ死後一定期間が経過してから発見されたような場合、通常のハウスクリーニング以上の清掃が必要になることがあります。こうした清掃は特殊清掃と呼ばれ、特別な知識や機器、技術が必要になります。

この特殊清掃をサービスの一環として提供している遺品整理業者も存在します。ただし特殊清掃のサービスには特別な許可や資格は必要ないものの、一歩間違えると感染病などにもかかる危険な作業でもあります。そのため特殊清掃を遺品整理業者に依頼する場合は、すでに実績のある業者を選ぶようにしましょう。

なお、特殊清掃が必要な現場の遺品は、ほとんどのケースでリユース・リサイクルするのが難しく、処分品として扱われるものが多くなります。そのため通常の遺品整理よりも料金が高くなるのが一般的です。

リフォーム

壁紙の張り替え作業をする男性たち

特殊清掃が必要になるようなケースでは、床材や畳、壁紙の張り替えが必要な場合も少なくありません。そのような場合は内装のリフォームをしなければなりませんが、遺品整理業者の中にはこうしたリフォームサービスを提供しているところもあります。

しかしリフォームをするということはその後も住むはずですから、技術や実績のない業者に頼んでしまうとトラブルに発展しかねません。遺品整理という大事な場面でトラブルが起きれば、のちのちまで嫌な思い出が残ってしまいます。そのため遺品整理業者にリフォームを依頼する場合は、その業者がそれまでどのようなリフォームを行ってきたのかを、写真を見せてもらうなどして入念にチェックするようにしましょう。

各種手続き(不動産整理含む)

遺品整理が終わったあと、土地や建物の相続手続きをしたり、場合によっては売却手続きをしたりする場合も考えられます。しかしこれらは専門的な知識が必要なため、自力で全てをやろうと思えば膨大な労力と時間がかかってしまいます。

通常であればここで税理士や行政書士などに依頼して手続きを進めるわけですが、遺品整理業者の中にはここでもワンストップサービスを提供している業者があります。何もかもを遺品整理業者に任せたいという人は、こうした手続きサービスを提供している業者を選ぶと良いでしょう。

まとめ

遺品整理業者って本当に色々なことをやってるんだね!
遺品の買取をやってくれてるのは知ってたけど、他にもこんなに色々やってるなんて、私もちょっとびっくりしちゃった。

親族が亡くなった時に考える、遺品との向き合い方でも触れたように、大切な人を失って体も心も疲れ切っていても、遺品の整理は避けて通れない作業です。もちろん自分たちの手できっちりとできるならそれがベストなのかもしれません。

しかし時間や手間、そして遺族自身の心身のことを考えると、プロの遺品整理業者の手を借りることも決して悪い選択肢ではありません。どこまでが自分でできる作業なのか、どこからはプロに頼みたい作業なのかをあらかじめ検討し、それに基づいて自分が求めるサービスを提供してくれる業者を探してみてはどうでしょうか。

確かに遺品の整理をプロに任せたからって、亡くなった人をないがしろにしてるってわけじゃないもんね。
そうね。私もそこは本当に大切なことじゃないと思う。
いざという時のために、今から色々考えとかないとなあ。
うん。私もいざというときどこまで自分でできるのか、考えてみようかな。