あちゃ〜、参ったなあ。
どうしたの?
これ、さっき買い取った洗濯機なんだけど、排水エルボが中に入ってるのを気づかずに買い取っちゃった。
排水エルボ?
うん、排水口のところについてるL字型の部品なんだけど、これって基本賃貸物件とかの付属品なんだよね。だから売っちゃダメなの。
た、大変だ!
まあホームセンターとかでも安く売ってるんだけど、出費は出費だからね……。
そういう、お客さんが売っちゃダメなものを知らずに売っちゃうことって多いの?
少なくはないかな。
それぜひ知っておきたいな!そういう余計な出費は防ぎたいもの!
わかった!
不用品回収やリサイクルショップの買取サービスを利用する人の中には、うっかり売ってはいけないものを売ってしまう人は少なくありません。
業者側も査定時にチェックはしていますが、中には業者側には判断がつかないものもあるため、利用者側が注意していなければ、うっかり売ってしまって、そのあと代替品を買ったり、返品してもらえても送料がかかったりと、余計な出費が生じたり、リサイクル事業者や賃貸管理会社とのトラブルに発展したりする可能性があります。
ここではリサイクル事業者への取材をもとに、利用者側がうっかり売ってしまいがちなものについて例を挙げて紹介します。不用品回収やリサイクルショップの買取サービスを利用する前にこれらをチェックして、余計な出費やトラブルを回避しましょう。
リサイクル事業者に聞いた!お客様の困った「うっかり」
洗濯機と一緒に「排水エルボ」も売りに出してしまう
排水エルボとは洗濯機の蛇腹のホースと排水口をつなぐ部品を指します。洗濯機からの排水が漏れないようにしっかりと固定されているので、洗濯機を売りに出す際にも「付属品だったかな」と考えて一緒に売ってしまいがちですが、実は賃貸物件の付属品であるケースがほとんどです。
勝手に売ってしまった場合は、自分で排水エルボを買い直さなければなりません。安いもので数百円、高いものになると数千円と、値段としてはそこまで痛い出費ではないものの、出費は出費。洗濯機を売りに出す際には注意するようにしましょう。
といっても出張買取の場合は洗濯機の搬出をプロである業者が行うため、排水エルボはきちんと残しておいてくれます。注意が必要なのは、自分の車などで直接持ち込んで買い取ってもらう場合。ホースの先端に排水エルボがつけっぱなしになっていないか、よく確認してから持ち込むようにしましょう。
エアコンの配管穴カバーを捨ててしまう
次に紹介する配管穴カバー(クーラーキャップ)は売ってはいけないものというより、エアコンを売る際に注意が必要な部品です。
エアコンを売りに出すと、家の外から中に伸びていた配管が通っていた場所に穴が空いてしまいます。このままでは雨や風、虫などが入ってきてしまうため、そこに再度配管を通さないのであれば、配管穴カバー(クーラーキャップ)をつけなければなりません。
しかしクーラーキャップを見たことがないという人も多いため、押入れなどに入っていたクーラーキャップをそれと気付かずに捨ててしまっているケースも少なくないのです。とはいえそのまま穴を塞がずに放置しているわけにもいかないため、排水エルボと同様に捨ててしまった人がクーラーキャップを購入する必要があります。
確かにクーラーキャップ自体は数百円程度の安価なものなので、特に気にする必要はないかもしれません。しかし例えばクーラーキャップがないことに気付かずに穴が空いたまま引っ越してしまうと、雨が入ってきて部屋が痛み、管理会社などとのトラブルになる可能性がないわけではありません。引っ越さずとも、外出中に雨が入ってきて頭を抱えることになる可能性もあります。
そのためエアコンを売りに出す際は、クーラーキャップの有無に注意する必要があるのです。
備え付けのものを売りに出してしまう
毎日の生活の中で、家具や家電を当たり前のように使っていると、それがまるで自分が買ったもののように思えてきますが、中には最初から備え付けられていた家具や家電もあります。実は不用品回収やリサイクルショップの買取サービスを利用する人の中には、こうした備え付けのものをうっかり売りに出してしまい、あとから慌てるという人がいるのです。
取材に協力いただいたリサイクル事業者は、シーリングライトやクローゼット、有線・無線LANルーターなどの備付品をそうと知らずに買い取り、あとから「返して欲しい」と言われて困った経験があるとのこと。確かに排水エルボやクーラーキャップであれば「買い直せばいいか」で済みますが、ある程度値の張るものになると同じようにはいきません。
しかしすでに買い手がついている場合、リサイクル事業者側はもちろん、買い手の人にも迷惑がかかり、思わぬトラブルに発展する可能性もあります。また小さなものであればまだしも、クローゼットのような大きくて重いものを運ぶとなれば、そのための送料が必要な場合もあります。
まとめ
長年同じ部屋に住んでいたり、長年同じ家具・家電を使っていたりすれば、確かに「自分で買ったものか」「それとももともと部屋にあったものか」をうっかり忘れてしまうこともあるでしょう。そのため余計な出費やトラブルを防ぐためには、売った後に「しまった!」と思う前に、あらかじめ記憶を辿っておく必要があります。
売ってから後悔しないためにも、くれぐれも注意しましょう。
確かに、長いこと住んでいるとうっかり忘れちゃうこともあるよね……。
だから売りに出す前は、一度よく思い出して欲しいのよ。
わかったよ!今日もありがとう、くるり!
どういたしまして。