不用品回収業者を初めて利用する人や滅多に利用しない人の場合、思ったよりも買取価格が安くなったり、それどころか料金を支払うことになったりと、いざ依頼してはみたもののイマイチ納得がいかないと感じることもあるかもしれません。「もしかして、危険な違法業者ではないのか?」「ぼったくりではないか?」という疑問を抱く人もいるでしょう。
確かに中には危険な違法業者もいないわけではありませんが、全うな商売をしている不用品回収業者もたくさんいます。そうした業者にクレームを言ってしまったり、そこからトラブルになったりしたら、不用品回収業者だけでなく依頼をした側としても気持ちよくありません。
ここではそんな嫌な気持ちになる人を少しでも減らすために、実際に不用品回収業者に寄せられた依頼や疑問をもとにして、不用品回収業者の実態を解説します。
1.どうして無料で引き取ってくれないの?
<実際に不用品回収業者に寄せられた依頼・疑問>
昔は軽トラで巡回している業者が無料で持っていってくれたよ。どうして無料で引き取ってくれないの?
不用品回収業者はリサイクルショップでは買い取ってくれないような家電などでも、リサイクル料金や作業代を含む回収料金を支払えば回収してくれます。しかしかつてはこうした品物も、無料で回収してくれる不用品回収業者がいました。
例えば拡声器などを使って無料回収を謳い、街中を軽トラックで巡回する不用品回収業者もその一つです。もしこういった業者に頼めば無料で回収してもらえるのに、自分は有料で回収されたとなれば確かに納得がいかないでしょう。
しかし現状の不用品回収業界は、無料で回収してしまうと利益が出るどころか、赤字になってしまうというのが現状です。実際軽トラックを使って無料回収を行っていた業者の多くが、近年相次いで廃業に追い込まれています。
原因としては不用品回収業者を取り巻く状況の変化にあります。かつては古い家電や家具、汚れた家電や家具を回収しても海外への輸出業者などに引き渡すことで利益化できていましたが、近年は断られる場合も多く、仮に引き渡せたとしても少額にしかならないケースが増えているのです。
これには輸出先の中国や韓国などの規制強化も影響しているため、不用品回収業者の企業努力でどうにかなるという状況でもありません。
このような状況の変化が起きた結果、他社との差別化のために無料で回収してしまうと事業を継続できない不用品回収業者が増えました。そのため不用品回収業者は事業を継続するために、スタッフの人件費や車両の燃料費などの出張料金などを受け取る必要がある、というわけです。
また以下の家電4品目に関しては、別途法律で定められたリサイクル料金が必要となるため、そのぶんだけ依頼者が側が支払う金額も高くなってしまいます。
●エアコン
●テレビ(ブラウン管、液晶・プラズマ)
●冷蔵庫・冷凍庫
●洗濯機・衣類乾燥機
2.転売するのに、どうしてそんなに料金がかかるの?
<実際に不用品回収業者に寄せられた依頼・疑問>
回収したものって転売するんですよね?どうしてそんなに高い料金がかかるの?
不用品回収業者にとっては回収はいわば仕入れです。不用品回収業者はそうして仕入れた商品を、リサイクルショップやメルカリなどのフリマサービス、海外への輸出業者や古物市場*に持ち込んで利益を出します。
一般的なビジネスモデルでは、仕入れをする際は仕入れる側がお金を払って購入し、そこに利益をのせて販売します。しかし不用品回収業者は仕入れのタイミングでも回収料金から利益を出し、転売のタイミングでも利益を出していることになります。
このように考えると「二回も利益を出すのだから、もう少し回収料金を安くしてもいいのではないか?」という疑問が生まれてしまって当然でしょう。
しかし不用品回収業者の立場からすれば、回収から転売するまでにコストがかかってしまうため、なかなか回収料金を安くできないというのが実情です。以下は不用品回収業者が回収から転売までにかけるコストの一例です。
<回収時>
人件費 | アルバイトでも移動に1時間かかればそれだけ時給が発生します。 |
ガソリン代 | 移動距離が長ければ長いほど、コストがかさみます。 |
<保管時>
人件費 | 転売先ごとの商品の選別などを行うための人員の人件費が必要になります。 |
家賃 | 倉庫などで在庫を保管する場合は、倉庫の家賃が必要になります。 |
光熱費 | 倉庫などで在庫を保管する場合は、倉庫で使う光熱費が必要になります。 |
<転売時>
人件費 | 回収時と同様です |
ガソリン代 | 回収時と同様です |
こうしたコスト以外に、回収した品物が輸送中に破損するリスクもあります。もちろん回収担当者は細心の注意を払って輸送しますが、それでも破損のリスクがなくなるわけではありません。
破損して転売できなくなれば、それは不用品回収業者から出た産業廃棄物ですから、産業廃棄物収集運搬業許可を持っている不用品回収業者は自分たちで処分料金を払って処分しなければなりませんし、許可を持っていない業者は他の許可業者に委託しなければなりません。その際も処分料金が必要になりますから、それだけ利益が少なくなってしまいます。
不用品回収業者の回収料金は、このようなコストやリスクを考えたうえでの料金になっています。そのため回収と転売の両方で利益が出るからと言っても、回収料金を安くするわけにはいかないのです。
※リサイクルショップなどが参加する競り場。
3.フリマサイトと同じ金額で買い取ってくれない?
<実際に不用品回収業者に寄せられた依頼・疑問>
この洗濯機、メルカリで◯◯円で売れてるみたいなんです。なのでその料金で買取してくれませんか?
自分が不用品回収業者に回収を依頼している洗濯機が、「メルカリ」などのフリマサイトや「ヤフオク!」などのオークションサイトで売られていたら、それと同じ金額で買い取って欲しいと思う人も少なくないでしょう。
しかしそれはかなり難しいのが実情です。なぜなら不用品回収業というビジネスの仕組みを考えると、フリマサイトやオークションサイトと同じ金額で買い取ってしまうと利益が出なくなってしまうからです。
その理由は、フリマサイトやオークションサイトで売られている金額は販売価格であり、不用品回収業者の買取金額は仕入れ価格だからです。前述したように不用品回収業を営むには様々なコストが必要で、一定のリスクも負わなければなりません。
そのため仮に回収した品物をフリマサイトで転売するにしても、そうしたリスクとコストを考慮した価格で買取=仕入れをしなければ、利益にならないのです。
「それなら自分で売った方が儲かるじゃないか」と思うかもしれません。不用品回収業者が手にする利益分がすべて自分のものになるわけですから、確かに自分でフリマサイトやオークションサイトに出品した方が利益は大きくなります。
しかしアプリなどの普及により、個人での中古品売買が手軽になったとはいえ、自分で中古品を売るとなると相応の手間が必要です。例えば出品から取引成立までに、概ね以下のような手間がかかります。
・必要な場合は汚れを拭き取るなどの清掃をする。
・状態や品番がわかるように写真を撮影する。
・状態や品番、使用年数など、購入者に対しての情報を文章にする。
・サイトに出品する。
・値引き交渉などにも対応しつつ、購入者が現れるのを待つ(この間、品物は自宅で保管する必要がある)。
・購入者が現れたら、梱包を行い、発送手続きをする。
・購入者が受取りを確認して、取引が終了する。
・サイトによってはそのあと購入者を評価する。
不用品回収業者に依頼すれば、こうした手間がすべて不要になります。手間暇かけてフリマサイトやオークションサイトに出品する余裕がある場合は別として、そうした余裕がない人にとっては、不用品回収業者を利用する方がメリットが大きい場合が多いと言えるでしょう。
不用品回収業者とフリマサイトやオークションサイトを使った個人間売買を比較する際は、こうした点も踏まえて判断する必要があります。
4.他の地域の業者と同じ金額で回収してくれない?
<実際に不用品回収業者に寄せられた依頼・疑問>
他の県の不用品回収業者さんは◯◯円で回収と買取やってくれるらしいんです。その料金でお願いできません?
インターネットを使えば、自分が住む地域以外の不用品回収業者から見積もりを出してもらうこともできます。自分が依頼した不用品回収業者と比較した場合に、他の地域の不用品回収業者の方が安く済むとわかれば、同じ料金で回収して欲しいと思うのも無理はないでしょう。
しかし不用品回収業界の性質上、他の地域と同じ料金で回収や買取をするのは、簡単ではありません。なぜなら回収料金や買取価格というのは、地域によって大なり小なり変わるものだからです。
例えば提携しているリサイクルショップが、一人暮らし世帯の多い地域のお店だった場合、一人暮らし用の家具や家電は比較的高値で仕入れてくれますが、ファミリー向けの家具や家電は安くでしか仕入れてくれない可能性が高くなります。逆にファミリー世帯が多い地域の場合は、一人暮らし用の家具や家電には高い値段がつきにくくなります。
「じゃあ高く仕入れてくれるところに持ち込めばいいじゃないか」と思うかもしれませんが、それができないケースも少なくありません。リサイクルショップに持ち込むにしても、海外への輸出業者などに持ち込むにしても、普段から取引がなければ仕入れ値が安くなったり、断られたりする場合もあるからです。また遠く離れた場所に持ち込むとなると、ガソリン代や人件費もかさんでしまうので、そのぶんだけ利益が減ってしまうという事情もあります。
その結果不用品回収業者の料金は、地域によってある程度相場が決まってくるのです。したがって自分が住んでいる地域に回収に来てくれない業者に見積もりをとる意味は、あまり大きくありません。そのため料金を比較する場合は、同一地域の業者同士で比較するようにしましょう。
5.安心・納得の不用品回収業者選びはリサイクルページへ
ここで解説したような内容を知っていれば、不用品回収業者のサービスや料金にイマイチ納得がいかないというケースは少なくなるはずです。とはいえ、冒頭でも書いたように世の中には危険な違法業者も存在します。
そうした業者から身を守り、安心・納得の不用品回収業者を探したいという場合は、こちらの記事を読んだうえで自分で判断するか、もしくはリサイクルページの利用がおすすめです。リサイクルページなら自分の住んでいる地域で不用品を回収してくれる業者から、一括で相見積もりを取ることもできます。気になるという人はこちらからサイトを覗いてみてはいかがでしょうか。