家具の買取をしていると「こんなに安くなっちゃうの?」って言われることって多いんだ。
確かに買った時の1割とか2割になることも多いよね。
リサイクルショップだって精一杯高い値段をつけてるつもりなんだけどなあ。
どうしてこういうすれ違いが起きるのかな?

リサイクルショップに家具の買取を依頼しても、家具によっては値段がつかず、引き取ってはもらえたものの作業代金が必要になるということもあります。こうした「こんなはずじゃなかった」が起きてしまうのは、買取を依頼する側から見た売れる・売れない家具の基準が、プロの目から見た買取できる・できない家具の基準とズレてしまっているからです。

ここでは基準のズレを解消し、納得したうえでリサイクルショップに家具の買取もしくは引き取りを依頼するための、プロ目線の基準を解説します。

プロがどこを見て、どう判断してるのかを知ってもらう必要があるんだね。
よし!日頃リサイクルショップ側が見ているところをきっちり解説しちゃうよ!

INDEX
  1. 家具全般の売れる基準・売れない基準
    1. 状態(傷・汚れ・破損・色褪せ)
    2. 人気(相場)
    3. 使用年数
    4. 構造
  2. 家具別の「売れる基準」「売れない基準」
    1. 寝具類はもともと買取のハードルが高い
    2. 棚類は「白くてきれいなもの」が人気
    3. 机類も「白くてきれいなもの」が人気
    4. 椅子類は「家電的」な椅子が特に厳しい
    5. ソファー類も実は買取のハードルが高め
    6. タンス類は使用年数がポイント
  3. 損をしないための買取金額アップ術
    1. 埃や汚れを拭き取る
    2. 木製のものはワックスをかける
    3. 小さな傷は補修しておく
    4. 持ち込みも高価的な買取金額アップ術
    5. やりすぎにはくれぐれもご注意を
  4. プロの視点から自分の家具を見てみよう

家具全般の売れる基準・売れない基準

ベッドやマットレス、本棚や食器棚、机や椅子に、ソファーやタンス……家具と一口に言っても色々な種類がありますが、まずはこれらすべてを含めた家具全般の売れる・売れないの基準を解説します。しかし、実はその基準はたった1つだけ。すなわちリサイクルショップの店頭に並べて(もしくはネットなどを通じて販売して)、買い手がつく商品になるかどうかです。

リサイクルショップは中古の家具を仕入れて、それを販売して利益を得ているわけですから、買い手がつかないような家具を仕入れても意味がありません。したがって買い手がつく商品だけを買い取るのです。この買い手がつくかどうかを判断する要素となるのが、以下の4点です。

1.状態
2.人気(相場)
3.使用年数
4.構造

以下ではそれぞれについて詳しく見ていきましょう。

状態(傷・汚れ・破損・色褪せ)

状態の悪いソファ。

新品の家具でも、展示品だったなどの理由で傷や汚れがついていれば、定価よりも安く販売されるケースはあります。これはつまり、傷や汚れはそれだけ商品の価値を下げるということです。そのため傷・汚れ・破損・色褪せなどの状態が悪い家具は、それがたとえもともとは非常に高価な家具であったとしても、買取価格が安くなったり、出張買取の作業代金と差し引いて無料になったり、場合によってはお金を払って引き取ってもらうという結果になる可能性があります。

ただし、状態の良し悪しの判断はリサイクルショップによって変わりますし、一つ一つの家具によっても変わります。例えば多少状態が悪くても安ければ買ってくれるというお客が多いお店の場合は、状態の悪いものも積極的に買い取ってくれるでしょうし、状態が悪ければ安くても買ってくれないお客が多いお店の場合は、そもそも引き取りさえ断られる可能性もあります。あるいは見えにくい場所の傷や汚れ、人によってはアジに思えるような色褪せなどであれば、あまり買取価格に響かないケースもあります。

状態について納得して買取もしくは引取をしてもらうために必要な視点は、「自分だったら、いくらでこの中古の家具を買うか?」です。そこからリサイクルショップ担当者の作業代金や店舗でのメンテナンスのための時間と労力、お店としての利益を加味した金額を計算に入れれば、自ずといくらくらいの買取価格がちょうどいいのかが見えてくるのではないでしょうか。

人気(相場)

金やプラチナなどの貴金属ほどではありませんが、中古家具の市場も基本的には時価で動いています。

例えばイタリア系の「カッシーナ」や「アルフレックス」、国内の「マスターウォール」や「天童木工」といった、「新品で買うには高いけど、安いなら中古で多少傷があっても買ってみたい」と思われているようなブランドの家具は、時代に左右されずに安定した相場で推移しています。

しかし以前は人気があって、新品価格も中古価格も高かったブランドでも、デザインが陳腐化したり、ブランドイメージが変わったりすると、中古価格が一気に安くなります。また「買うなら新品で買いたい」と思われているようなブランドも、中古市場では人気がなく、買取価格も安くなりがちです。

これはブランドだけでなく、色やデザインにも同じことが言えます。例えば時代によってバブル期のような派手なデザインや色でも買い手がつくこともあれば、めったに買い手がつかないことがあるのです。

以上のことから新品の家具を見ていて「最近、こういうデザインがまた流行ってるんだな」と感じれば売り時と言えますし、逆に「こういうデザイン、最近あまり見かけなくなったな」と感じれば売るのを待つべきタイミングと言えるかもしれません。

使用年数

家具は生活の中で日常的に使うものなので、使用年数は消耗の度合いに直結します。もちろん使い方にもよりますが、3年使っただけの家具と20年使い込んだ家具では文字通り年季の入り方が違うのです。そのためどうせ売るのなら、早いうちに売りに出したほうがいいという側面もないわけではありません。

もちろん無理に売りに出す必要はありませんが、どんなに大切に使っていても使用年数は中古家具としての価値を下げてしまうという点についてはよく理解しておく必要があるでしょう。

ただし例外として、使用年数が中古家具としての価値を高めるケースもあります。例えば100年以上前に作られた欧米のアンティーク家具がその代表例ですが、近年はアンティークブームで多少時代が浅くても古いことに価値を見出す人が増えてきたため、第二次世界大戦前後や高度経済成長期などの日本の家具でも高く売れるケースが増えています。

しかしこうした使用年数を価値として認めるような買取査定をするリサイクルショップは、そうした古さに価値のある商品を多く取り扱っているお店が大半です。そのため、「こんなに古いんだから、もしかすると価値があるかもしれない」と思った場合は、同じような年代の商品を多く取り扱っているリサイクルショップに買取を依頼するのが賢明でしょう。

構造

・組み立てられた状態で家の中に運び込んだものの、リサイクルショップのトラックに載せるには分解が必要。
・販売業者が部品を運び込んで家の中で組み立てたものの、そのままでは扉から運び出せない。

ボルトとネジを使って組み立てるようなタイプは別として、こうした理由から分解が必要な家具で、経年によって変形する木ネジをつかっている場合や、電動ドライバーで直接ネジを打ち込んでいるような場合は、そもそも買取や引取を断られる可能性が高くなります。

なぜならこうした家具は、一度分解してしまうと組み立て直した時に大きく強度が落ちやすいからです。リサイクルショップからすれば、こうした家具は買い取るにしても販売するにしてもリスクが高くなってしまいます。そのため、最初から買取も引取もしないという判断をするところが多いというわけです。

この4つの他に、もともとの新品価格が高いのか安いのかも大事だね。
新品で安かったら、中古も安くなるもんね。
そうなの。だから最近流行りの安い家具なんかは、なかなか買い取れないんだよね。

家具別の「売れる基準」「売れない基準」

ここまでの4つの要素を踏まえたうえで、続いては家具別の売れる・売れない基準を見ていきましょう。ここで取り上げるのは寝具類・棚類・机類・椅子類・ソファー類・タンス類の6種類です。

寝具類はもともと買取のハードルが高い

寝具類はもともとかなり状態が良いものでなければ値段がつかない場合が多い家具です。なぜなら直接肌に触れる家具であるため、使用による劣化も早く、状態が悪いケースが多いからです。例えばマットレスは使用するほどへたりが出ますし、変色も進みがちです。

また圧縮されていたから運び込めたものの、いざ運び出すとなると扉から出せないという場合もあります。ベッドフレームの場合はサイズが大きいため、分解しても強度が落ちない構造かどうかも重要なポイントになります。

棚類は「白くてきれいなもの」が人気

茶色い本棚。

本棚や食器棚などは、現状「白くてきれいなもの」に値段がつきやすい傾向にあります。一方でナチュラルやダークブラウン以外の茶色は、ありふれたカラーのためか値段がつきにくい傾向にあります。ただしAmazonやIKEA、ニトリなどで買えるようなロープライスのカラーボックスなどは中古価格が非常に安くなってしまうため、カラーに関わらず買取が難しい場合が多くなっています。

机類も「白くてきれいなもの」が人気

ダイニングテーブルやローテーブルなどの机類も、ある程度しっかりした作りの「白くてきれいなもの」に値段がつきやすくなっています。またナチュラル志向が高まっていることもあり、木目が美しいものなどにも高い買取金額がつく傾向があります。

ただし机の場合はそのままでは運び出しできないケースも多いため、分解しても強度が下がらない構造になっているかが売れる・売れないの境目になることもあります。なお、天板がガラスでできているようなテーブルの場合は、運搬中の破損のリスクが高いため、買取も引取も断られる可能性が高くなります。

椅子類は「家電的」な椅子が特に厳しい

ダイニングチェアやデスクチェアなどの椅子類は、値段のつきにくい家具の一つです。特にリクライニングチェアやマッサージチェアなど、家電的な要素の強い椅子類に関しては、新しいモデルが出ると同時に新品の実勢価格(実際に売られている価格)も下がるうえ、買い手がつきにくいため、売れない可能性が高くなります。

ソファー類も実は買取のハードルが高め

ソファー類は寝具類と同様、実はそもそも買取までのハードルが高い家具です。大きな理由は次の2つです。第一にソファーの上で過ごす時間が長いため、スレや剥がれに傷やシミ、汗や皮脂による変色など使用による劣化が早いこと。第二に大きくて重い商品が多いため、リサイクルショップとして管理コストがかかること。だからもともと値段が高いものも多い家具ですが、想像以上に安くしか売れない場合が多いのです。

またソファー類もIKEA、ニトリなどの低価格帯の商品は値段がつかないケースが多くなっています。どんなに状態が良くてもリサイクルショップに並べば中古品なので、どうしても買い手がつきにくくなってしまうからです。

タンス類は使用年数がポイント

洋服ダンスやクローゼットは使うたびに可動部分を動かすので、使用年数が長くなるほど劣化しやすくなります。また無垢材などでできているタンス類の場合は、大きいうえに重いため、ソファー類と同様管理コストがかかりがちです。そのためよほどの高級品でない限り、使用年数の長い年季の入ったタンス類は買取不可となるケースが多くなってしまうのです。

でも普通に使っていれば、傷や汚れはつくよね?それで買取不可になるのは厳しい気もするなあ。
できるだけ高く売れるコツみたいなものもあるよ。
それを先に言ってよ!
あはは……ごめんごめん。じゃあ最後はその話をしようか。

損をしないための買取金額アップ術

リサイクルショップはよほど高価なものでもない限り、基本的に修理などをせずに店頭に並べます。もちろん簡単なクリーニングは行います。しかし時間をかけて修理をしてもそのためのコストの方がかさんでしまうのです。そのため簡単な補修で隠せるような傷や汚れがあると、それだけで店頭での販売価格が下がってしまい、結果的に買取金額にも影響が出てしまいます。

逆に言えば、買取を依頼する側である程度メンテナンスをしていれば、少しでも買取金額を引き上げられるということです。以下ではこうした損をしないための買取金額アップ術を紹介します。

埃や汚れを拭き取る

埃や汚れをとる掃除器具。

最も基本となるメンテナンスは布などを使って埃や汚れをとっておくことです。材質にもよりますが、純アルコールなどを使うとこびりついた汚れやテープを剥がした後などもきれいにできます。この方法は短時間でできるうえ、見た目の変化が大きいため、リサイクルショップに買取を依頼する際はぜひともやっておきたいメンテナンスです。

木製のものはワックスをかける

木製の机類や椅子類、棚類などは、専用のワックスを塗り込むだけでかなり見た目が良くなります。樹脂加工が施されていない家具はもちろん、樹脂加工が施されている家具でも、ある程度の効果が期待できます。日常的にメンテナンスしていて、すでに家具用のワックスを持っている場合は、買取を依頼する前にワックスをかけておくと、買取金額アップの可能性が高まります。

小さな傷は補修しておく

通販サイトなどでは家具の小さな傷を補修するための道具が売られています。こうした道具を使って小さな傷を補修しておくと、そのぶんの買取金額アップが見込めます。特に色の濃い家具の傷は目立ちやすいため、一手間かける価値があると言えます。

持ち込みも高価的な買取金額アップ術

リサイクルショップの出張買取では、お店によって買取金額から担当者の作業代金が差し引かれる場合もあります。そのため担当者の作業が必要ない、持ち込みによる買取査定では出張買取よりも金額が高くなる可能性があります。

また出張買取では1点だけの回収の場合など、採算が取れないようなケースでは引取を断られることもありますが、持ち込みなら無料で引き取ってもらえる可能性もあります。もちろん一見してゴミだとわかるような家具は別ですが、試してみる価値がある方法です。なお、買取に関して持ち込みのみで対応しているお店もあります。

やりすぎにはくれぐれもご注意を

簡単なメンテナンスをしたり、リサイクルショップに直接持ち込んだりすれば、確かに買取金額がアップする可能性はあります。しかし同時に時間と労力をかけたにもかかわらず、思ったよりも買取金額が上がらなかったり、結局引き取ってもらえなかったりする可能性もないわけではありません。

そのため、やりすぎにはくれぐれも注意が必要です。「絶対に高く売りたい!」という一心でプロ並みの機材と技術を駆使しても、それに見合う金額アップになるケースは稀です。あくまで「この家具を送り出す前の最後の挨拶みたいなものだ」と思える程度にとどめておくようにしましょう。

プロの視点から自分の家具を見てみよう

プロの視点から自分がこれから売ろうとしている家具を見れば、買取を依頼する側から見た売れる・売れない家具の基準とプロの目から見た買取できる・できない家具の基準のズレを解消できるのではないでしょうか。

最も簡単にプロの視点を得る方法は「自分だったら、お金を出してその家具を買いたいか?」「自分だったら、その家具にいくら出せるか?」と自問自答してみることです。そこにリサイクルショップ側のコストを加味すれば「なんで買い取れないんだ?」「どうしてこんなに安くなっちゃうの?」といった疑問も、自ずと解決するはずです。家具の買取金額にがっかりすることのないよう、ここで解説したプロの視点を依頼する前から持つようにしましょう。

もちろん買取を依頼していただけるのはとってもありがたいことなんだけど……。
でも必要以上にがっかりされちゃうと、心苦しさもあるよね。
そうなの。お客様とリサイクルショップがお互いにメリットがあるような取引にしたいなあって思うよ。
なんだか今日のくるりはリサイクルショップの店長って感じ!
なによ、いつもリサイクルショップの店長って感じじゃない!もう、コンブのくせに~。
うふふふふ。