マジックリンとかんたんマイペットって、どうやって使い分けたらいいの?
あー確かにその二つの使い分け方って、意外と知らないよね。
で、どう違うの?
いや、それが私もよく知らなくて……。プロの人に聞いてみようよ!
うん、そうしよう!
花王から販売されている「マジックリン」と「かんたんマイペット」、自宅の掃除に使っている人も多いのではないでしょうか。しかし、両者の使い分け方となると「意外と知らないかも……」という人もいるはず。
そこで今回はプロのハウスクリーニング業者の方にご協力いただき、この2つの洗剤の使い分け方とその理由についてお聞きしました。
どちらも得意なのは「油汚れ」
2つの洗剤の成分表示を見てみると、マジックリンには「アルカリ性」、かんたんマイペットには「弱アルカリ性」と書かれています。このことから、どちらも得意なのは油汚れを落とすことだとわかります。
汚れには大きく2種類あります。一つは酸性の汚れ、つまり「油汚れ」「手あか」「皮脂」などの主にベトベトしているのが特徴の汚れ。もう一つは水あか汚れや石鹸カス、トイレの黄ばみなどのアルカリ性の汚れです。
汚れを落とすには、汚れの性質とは逆の性質を持つ洗剤が効果的です。つまり酸性の汚れにはアルカリ性の洗剤、アルカリ性の汚れには酸性の洗剤が効くのです。
汚れの種類 | 効果的な洗剤 |
---|---|
酸性の汚れ | アルカリ性洗剤 |
アルカリ性の汚れ | 酸性洗剤 |
したがって、マジックリンとかんたんマイペットは、どちらも油汚れが得意な洗剤なのです。
マジックリンとかんたんマイペットの違いは「強さ」
ではマジックリンとかんたんマイペットの違いはどこにあるのでしょうか。それは洗剤としての「強さ」です。以下の表はマジックリンとかんたんマイペットの成分表示の内容です。
マジックリン | かんたんマイペット |
---|---|
界面活性剤(1% アルキルアミンオキシド)、泡調整剤、アルカリ剤 | 界面活性剤(0.2% アルキルアミンオキシド)、泡調整剤 |
両者の違いは2つ。一つは界面活性剤(洗浄成分)の濃度で、マジックリンはかんたんマイペットの5倍の濃度の界面活性剤が含まれています。
もう一つの違いはアルカリ剤の有無。これは助剤と呼ばれるもので、アルキルアミンオキシドの洗浄力をパワーアップさせる役割があります。
つまるところ、マジックリンは洗剤として強力で、かんたんマイペットは洗剤としてマイルドだということです。
マジックリンとかんたんマイペットの使い分け方
マジックリンとかんたんマイペットの違いは洗剤としての「強さ」。そのため使い分け方は簡単です。
シンプルにマジックリンは掃除頻度の低い場所や、頑固な汚れに使い、かんたんマイペットは掃除頻度の高い場所や日常的な掃除に使う、という分け方をすればいいのです。
マジックリン | 頑固な汚れに使う |
---|---|
かんたんマイペット | 日常的な掃除に使う |
このように書くと、中には「使い分けなくても、強力なマジックリンを1本持っていればいいのでは?」と思うかもしれません。
しかしそれは勘違い。強力な洗剤は確かに頑固な汚れも日常的な汚れも落とせますが、そのぶん、使った後は2〜3回の「中和(水拭き)」をしないと、洗剤が残ってしまうのです。
洗剤を放置していると素材を傷めてしまったり、自分や家族の体に悪影響を及ぼしたりする可能性があるため、中和の作業は不可欠。そのためマジックリンでの掃除は、時間と手間がかかります。
一方、かんたんマイペットは洗浄成分の濃度が低いので、頑固な汚れには太刀打ちできないことがある代わりに、中和の作業をしなくても大きな問題にはなりません。だから毎日の掃除にはかんたんマイペットが適しているのです。
まとめ
同じように思える洗剤にも、きちんと使い分け方があるんだね
私も今回は勉強になったわ!
よし、早速掃除をしようっと!
当たり前のように使っているマジックリンやかんたんマイペットですが、意外と使い分け方は知らないもの。
しかし使い方を間違えると、健康を害するおそれもあります。正しく使い分けて、安全かつ効率的に掃除をするようにしましょう。