エアコンの大手メーカーパナソニックやシャープは修理対応の最低保有期間を10年としていて、他のメーカーについても一般的な寿命は、10年~13年と言われています。
1度購入すると長持ちする分、あまり知られていないのが処分方法です。しかしエアコンはテレビ、冷蔵庫、洗濯機と同じく、家電リサイクル法の対象品目となっています。そのため家電リサイクル法に従って正しく処分しなければなりません。
ところが家電リサイクル法に従った処分方法にはいくつか選択肢があり、その方法次第で処分のための費用も大きく変動します。ここではエアコンの処分で損をしないために、家電リサイクル法で定められている洗濯機の一般的な処分方法を紹介するとともに、そうしたお得な処分方法を紹介します。
エアコンを処分する前に知っておくべき基本の知識
まずはエアコンの処分方法のうち、家電リサイクル法に基づく最も基本的なエアコンの処分方法について知っておきましょう。またこの方法で処分する際は、法律で定められたリサイクル料金などの費用も必要になります。これについても、だいたいいくらくらいかかるものなのかについてを把握しておきましょう。
エアコンの基本的な処分方法は2つ
エアコンの基本的な処分方法には、家電量販店に引き取りを依頼すると指定引き取り場所に自ら持ち込むの2つがあります。以下ではそれぞれについて解説します。
家電量販店に引き取りを依頼する
エアコンメーカーなどのホームページを見ると、エアコンを処分する場合は販売店に引き取りを依頼するよう書いてあります。これは家電リサイクル法の基本として、以下の流れが作られているからです。
・消費者から販売店が使わなくなったエアコンを引き取る。
・販売店は引き取ったエアコンをメーカーや、メーカーが委託した業者などに引き渡す。
・メーカーやメーカーから委託を受けた業者は、そのエアコンをリサイクル資源として適切に処理する。
この方法で処分する場合は後述するリサイクル料金の他に、販売店やその委託業者が定めている運搬料金を支払う必要があります。
指定引き取り場所に自ら持ち込む
もう一つの方法である、各自治体に設けられている指定引き取り場所に自ら持ち込むという方法の手順は以下の通りです。
1.郵便局でリサイクル料金を支払い、家電リサイクル券を受け取る。
2.指定引き取り場所を確認する。
3.家電リサイクル券の排出者控片を切り取り、現品貼付用片をエアコンに貼る。
4.製品を指定引き取り場所まで運搬し、引き渡しを行う。
参考:一般財団法人家電製品協会 家電リサイクル券センター
この方法では必要な費用はリサイクル料金だけになるので、家電量販店に引き取りを依頼するよりも安く済ませることができます。
ただしエアコンの場合、取り外しをするための工具や知識、技術が必要になります。最悪の場合室外機のコンプレッサが破裂したり、エアコンないの冷媒(フロン類)が漏れたりと、大きな事故につながる可能性もあります。また無事取り外しができても、運搬用の車がなければ持ち込みはできません。
そのため、この方法でエアコンを処分できる人は限られてしまうと言わざるを得ません。
エアコンの処分料金
リサイクル料金 | 972円(一部例外を除く) 参考:一般財団法人家電製品協会 家電リサイクル券センター |
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運搬料金 | 1,080円〜 (販売店によって変動) |
エアコンのリサイクル料金、運搬料金は上表の通りです。このようにして見ると、エアコンを販売店に引き取ってもらう場合は最低でも2,052円はかかるということがわかります。
また運搬料金については、販売店によって1〜3階建の場合は2,160円、3階以上は+1,080円という料金設定をしているところもありますし、別途訪問回収費という名目で3,000円弱を請求しているところもあります。そのため実際にいくらかかるかは、各販売店への直接問い合わせが必要です。
「家電量販店に引き取りを依頼する」は確かに最も基本的なエアコンの処分方法ではありますが、こうした費用がかかってしまうという難点があります。また「指定引き取り場所に自ら持ち込む」も基本的な方法ではあるものの、前述したような危険があるという問題があります。
引き取りだと費用がかかるし、持ち込むにはまず安全に取り外せないといけないのか……エアコン処分の道のりはなかなかハードだね。
そうなの。家電リサイクル法に忠実な方法だから安心は安心だけど、ちょっと気が進まないよね。
何か他に良い方法があればいいのになあ。
何言ってるの、こんぶ!今日はここからが本番よ!
エアコンをお得に処分する方法はコレだ!
ここまで紹介してきた方法では「もう使わないエアコンを処分するだけなのに、お金はもちろん危険も冒したくない!」と思う人も多いはずです。
そのような人のために、以下ではお得にエアコンを処分する方法を紹介しています。方法次第では処分費用が0円になったり、今持っているエアコンによっては逆にお金がもらえる可能性もあります。ぜひ参考にしてください。
リサイクルショップ・不用品回収業者に買取してもらう
お得にエアコンを処分する方法とはずばり、リサイクルショップ・不用品回収業者に買取してもらうというものです。その理由は大きく2つあります。第一に、エアコンによっては買取価格がついてお金がもらえる可能性があるからです。製造年が1〜3年の新しい洗濯機や、定価が高額な高性能洗濯機であれば、かなりの確率で買取価格がつくはずです。
第二にたとえ洗濯機が古かったり、汚れがひどかったりして買取価格が安くなると、家からの運び出しなどの作業料金の方が高くなってしまい、結果的に費用がかかる場合でも、販売店に依頼するより安く済む場合があるからです。
というのも、リサイクルショップ・不用品回収業者の中には作業料金をとらずに、リサイクル料金程度(1,000円〜。設置状況によって変動する)で引き取ってくれるところも少なくないのです。
こうした観点から、お得にエアコンを処分する方法は「リサイクルショップ・不用品回収業者に買取してもらう」であると言えるのです。
なおエアコンの買取相場や買取価格をできるだけ高くするための方法を、以下の記事で詳しく解説しています。こちらもぜひ参考にしてください。
<違法な不用品回収業者にご注意!>
不用品回収業者には法律に従って正しく営業をしている業者と、法律を無視して違法な営業をしている業者がいます。
不用品回収業者はリサイクルショップよりも色々な販路を持っているため、リサイクルショップでは買い取ってくれないようなエアコンでも買い取ってくれる場合があります。しかしその際、違法な営業をしている不用品回収業者に依頼をしてしまうと、最悪の場合依頼をした人までも罪に問われる危険があります。
そのような事態を避けるには、消費者自身が自分の目で正しく営業している業者と違法な業者を見極める必要があります。そのため、依頼をする際は違法な不用品回収業者ってどういう人たち?見極めるポイントをご紹介参考に、しっかりと見極めるようにしてください。
安く済んだり、楽に済んだりするぶんリスクもあるんだね。
でも消費者が賢くなれば、悪い業者もいられなくなるから、ぜひとも勉強しておきたいところね。
インターネットオークションや販売店の下取りは使えない?
他の家電ではお得に処分する方法として、インターネットオークションやフリマアプリで自ら中古販売したり、新品購入と同時に販売店の下取りを依頼して、新品を安くで買うという方法も考えられます。
しかしエアコンではその性質上、これらの方法は選択肢には入りません。まず自ら中古販売する方法ですが、これはそもそも安全に取り外しをするのが難しいうえ、取引相手が販売後の設置までできなければならないからです。
また販売店の下取りについては、基本的に下取りサービスを行っているところがなく、値段交渉をしてみても少なくともリサイクル料金はかかってしまうというのが現状だからです。
なるほど、エアコンはちょっと特殊な家電なんだね。
そうなの。だからお得に処分したいなら、リサイクルショップや不用品回収業者を利用するのがおすすめね。
まとめ
エアコンは他の家電に比べると、やや特殊な性質を持っています。そのため処分の際にも基本的には専門家の手を借りる必要があります。
自分で安全に取り外しができない限りは、販売店に引き取ってもらうか、もしくはリサイクルショップや不用品回収業者を利用するかのいずれかを選ぶことになるでしょう。費用やリスクを自分なりに検討して、納得のいく選択肢を選びましょう。
なお他の家電のお得な処分方法や、家電リサイクル法の対象家電全般の処分方法、リサイクル料金がかかる理由などについて知りたい人は、【まとめ】テレビ、エアコン、冷蔵庫、洗濯機…中古家電のお得な処分方法も参考にしてください。