なんだか最近、炊飯器で炊いたお米が美味しくないんだよね。


そろそろ買い替えどきなんじゃない?


うーん、でも炊飯器って思ったより高いんだよあ。


じゃあ中古で買えば?探せば良いのが見つかるわよ。

炊飯器の寿命は長いもので3年、短いもので10年、平均では6年と言われています。寿命を超えて使い続けると、本来の性能が発揮されず、炊き上がったお米の味も落ちていきます

そのため「なんだか最近お米が美味しくない」と思うようになったら、買い替えどきと言えます。

しかし新品の炊飯器は性能こそ良いものの、値段も安くはありません。そんな時こそ、中古の炊飯器の出番です。

「いざとなると、どんな炊飯器に買い換えればいいのかわからない」
「そもそも中古の炊飯器って大丈夫なの?」

そんなふうに思う人もいるかもしれません。そこで今回は現役のリサイクルショップ店主山下さん(仮名)に「自分に合った炊飯器」の選び方とともに、失敗しない中古炊飯器の買い方について教えてもらいました。

まずは「自分に合った炊飯器」を知ろう

今回ご協力いただいた、現役リサイクルショップ店主の山下さんいわく「自分に合った炊飯器を知るには、各種炊飯器のメリット・デメリットを知ったうえで、“炊飯量”と“炊き上がり”、“保温機能”の3つの切り口から考えるのがおすすめです」とのこと。

炊飯器と一口に言っても、実は大きく3つの種類があり、それぞれに長所短所があります。

種類 メリット デメリット
マイコン炊飯器 ・とにかく安い。
・構造がシンプルなので、掃除などのメンテナンスが楽。
・構造上火力が低いので、3合以上の炊飯には不向き。
・美味しさを維持できる保温時間は12時間程度。
IH炊飯器 ・マイコンよりも火力が高いので炊き上がりが良く、かつ3合以上にも対応できる。炊飯時間も短い。
・美味しさを維持できる保温時間は24時間程度。
・3種類の中ではバランス型。最も種類が多く、価格も高すぎない。
・種類が多いため、選びにくい。
・機能面は圧力IHに劣るため、こだわりがある人には物足りない場合もある。
圧力IH炊飯器 ・IHよりもさらに炊き上がりが良い。
・早炊きモードや、玄米モードのほか、料理用モードなど様々な機能を備えていることが多い。
・価格が高い。
・各メーカーで上位機種として位置付けられているため、種類が少ない。
・構造が複雑なので、掃除などのメンテナンスが比較的面倒。

これらを前提として、次に考えるのが日々の炊飯量です。

「炊飯器が最も美味しくお米を炊き上げられるのは、容量の8割。だから炊飯器のサイズを決めるときは、日々の炊飯量÷0.8で考えてください」。

例えば日ごろから1合〜2合ずつしか炊かない人であれば、1.25〜2.5合あればいいので3合炊きの炊飯器で十分です。

一方で3合〜5合をまとめて炊くことが多いのであれば、3.75〜6.25合の炊飯器が必要になります。

3合炊きの炊飯器でOKならば、マイコン炊飯器を含めた3種類が候補に入りますが、3合炊きより大きな炊飯器が必要なら、3合以上でも炊き上がりの質が落ちないIH炊飯器か圧力IH炊飯器の中から選ぶことになります。

大きすぎても小さすぎても、炊き上がりのクオリティは落ちてしまいます。自分に合ったサイズを選ぶようにしましょう。

炊飯量の次に考えるのは炊き上がりにどこまでこだわるかです。

こだわりがないのであればマイコンで十分ですが、それなりにこだわるのならIH、かなりこだわるのなら圧力IHがおすすめです。

最後のポイントになるのが保温機能をどれくらい使いたいかです。

「上位機種になるほど長時間保温をしてもお米の味が落ちない機能が備わっています。炊いたお米を1日で食べ切る人や、冷蔵・冷凍するのが面倒だという人は、上位機種を選ぶといいでしょうね」。

前表にあるように、マイコン炊飯器が美味しさを維持できる保温時間は12時間程度。

IH炊飯器になると24時間程度は味を維持できるようになり、圧力IH炊飯器ではより美味しく保温することが可能になります。

自分や家族のライフスタイルを振り返ってみて、どの程度の機能が必要か考えてみましょう。

プロは中古炊飯器の“ココ”を見る!

中古家電には中古家電ならではのチェックポイントがあるものですが、中古炊飯器ではどのような点に注意する必要があるのでしょうか。

「大前提として、中古のマイコン炊飯器はおすすめしません。同じく、極端に古い=価格が安いIHや圧力IHの炊飯器もおすすめしません」。

山下さんによれば、こうした炊飯器はすでに性能がかなり落ちている場合が多く、炊き上がりが悪いうえに、保温機能が故障していたりするのだそうです。

「これを踏まえたうえでチェックして欲しいのは、“パーツ”と“内釜・外蓋の状態”です。外側の見た目を気にされるお客様も多いのですが、味や機能には影響しないので気にする必要はありません」。

炊飯器の蒸気口には、様々な細かなパーツが組み込まれています。

例えば内部の圧力を調整するための鉄球、パイプやゴムパッキンなどです。これらは掃除などのメンテナンス時に外すことがあるため、場合によっては欠損したまま販売されていることがあります。

リサイクルショップも買取時にチェックしますが、メーカーや機種によってパーツの種類や数が違うため、チェックが漏れてしまうケースがしばしばあります。

そのため中古炊飯器を買う際には、消費者側も丁寧に確認しておく必要があるのです。

Googleで「メーカー名 型番号 説明書」で検索すればもともとどのようなパーツがあるかがわかるので、購入前にパーツが全て揃っているかどうかをしっかりとチェックしましょう。

また、炊飯器で最初に劣化し始めるのが内釜です。テフロン加工が剥がれてきていたり、傷があったりすれば、購入後に性能が落ちるスピードも早くなります。長く使いたいのであれば、内釜の状態の良いものを選ぶようにしましょう。

内釜の状態が良くても、外蓋がきっちり閉まらなければ圧力が逃げてしまい、ちゃんとお米を炊くことができません。そのため外蓋の開閉がスムーズかどうかも、中古炊飯器を買う際には大切なチェックポイントになります。

古い炊飯器、実は「燃えないゴミ」として捨てられます!

家電を買い換えるとなると、気になるのが処分方法。

冷蔵庫やエアコンなど、法律でリサイクル家電と定められている家電は、小売店でリサイクル券を購入するなど費用や手間がかかります。そのため家電の買い替えは処分が面倒、と考えている人も多いかもしれません。

しかし炊飯器に関して言えば、処分方法はとても簡単です。なぜなら燃えないゴミとして捨てられるからです。

炊飯器は家電リサイクル法が定めるリサイクル家電ではありませんし、粗大ゴミの基本的な定義である縦横30cm以上に当てはまる機種も少ないため、一般ゴミとして処分できるのです。

※自治体によって決まりが異なる場合があるため、捨てる前にホームページなどでご確認ください。

ただし、最近買ったばかりだったり、ほとんど使っていなかったりするようなら、一度リサイクルショップに持ち込んで買取査定をしてもらうのも一つの選択肢です。

また他にも冷蔵庫や電子レンジなど、手放したい家具・家電があるのであれば、リサイクルショップの出張買取もしくは不用品回収業者のサービスを利用するのがおすすめです。

リサイクルページなら、複数の業者から見積もりをとって買取金額や回収費用を比較できるのでとても便利です。ぜひご活用ください。

まとめ

中古なら安くて済むし、処分するのも「燃えないゴミ」として捨てるだけなら楽チンだね。


そうなの。炊飯器の買い替えって、みんなが思っているより意外とハードル低いのよ。


思い立ったが吉日。早速リサイクルショップに行ってくるよ!

炊飯器に限らず、家電の買い替えは得てしてハードルが高く感じるものです。

しかし炊飯器に関しては、「自分に合った炊飯器」を知ったうえで、ポイントを押さえて探していけば、思っているよりも簡単に欲しい炊飯器が見つかります。

今使っている炊飯器も、状態や機種によっては不用品回収業者やリサイクルショップに売ることもできますし、値段がつかない場合は「燃えないゴミ」として捨てることもできます。

さらに言えば、リサイクル家電の場合は手間や費用がかかりますが、炊飯器はリサイクル家電ではないので気にする必要がありません。こう考えると、買い替えのハードルはもっと下がります。

お米の炊き上がりや、炊飯量など今の炊飯器に不満を抱えている人は、これを機に買い替えてみてはいかがでしょうか。