ああ、もう……本当にもう嫌だ……なんで僕はあんなことを……。
どうしたのよ、そんなにネガティブになっちゃって。
僕、少し前に家の中を大掃除して、断捨離したんだ。でもそのとき捨てたものの中にすっごく大切なものがあって、「なんであのとき捨てちゃったんだろう」って思っちゃってさ……。
なるほどね。断捨離で後悔する人は一定数いるみたいだね。
そうなんだ。僕だけじゃないと思えば少しは気が楽になるけど……はあ……。
あらら、これは重症ね。捨てちゃったものは戻らないけど、次同じような後悔をしないための対策ならあるわよ?
……後学のために聞いておくよ。
そうそう、その調子。いつまでも過去ばかり見てても仕方ないわよ。
断捨離をしている最中につい頭をよぎるのが「これを捨てて後悔しないだろうか」という不安です。例えば何年か前に買ったダウンジャケットを夏真っ盛りの時期に目にすると、「なんだか着る気がしないなあ」「少しくたびれて見えるなあ」と魅力が半減して見えるものです。
冷静に判断できていないにもかかわらず、そこで「ときめかないから捨てよう」と決めてしまえば後悔するのもある意味では当然でしょう。
そこでここでは、「捨てる」という行為との向き合い方を解説するとともに、断捨離での後悔をしないためにぴったりのサービスを紹介します。
「捨てる」だけが断捨離じゃない
「捨てるんじゃなかった」と思う人も多い
一大ブームを巻き起こし、今なお雑誌や書籍などでも取り上げられている「断捨離」。しかしそのブームに影響を受けて断捨離をしたものの、捨てたことを後悔してしまうケースも少なくありません。
とりわけ思い出の詰まったものは後から買い直すことができないため、捨てて後悔する人も多いようです。
もちろん、見返すことで落ち込んだり、悲しい気分になったりと、ネガティブになってしまう思い出の品は捨てても後悔することはありません。
しかし見返すと嬉しいとか、楽しいとか、あるいは「頑張ろう」といった形で前向きになれる思い出の品は、あとから「どうしてあのとき捨ててしまったんだろう」と後悔しやすい傾向にあります。
最終目標は「日々の充実」
このように捨てるべきでないものまで捨ててしまうことの原因は、「日々の充実」という本来の断捨離の目標を忘れて、捨てることそのものが目標になってしまっている点にあります。
片づけコンサルタントとして活躍する「こんまり」こと近藤麻理恵さんも、片付けにハマってノイローゼになっていた頃は、「もっと捨てなきゃ」「もう捨てるものはないかな」と常に捨てることばかり考えてしまっていたそうです。
「断捨離」や「捨てる」はあくまで手段にすぎず、目的ではありません。そこをはき違えて「断捨離すること」「捨てること」を目的にしてしまうと、本来捨てるべきでないものまで捨てなければならないような気がして捨ててしまうのです。
そのため断捨離をしたあとの後悔が怖い人や、すでに後悔をしてしまっている人は、まず「自分の毎日を充実させるためには、何をするべきか」から考え直してみましょう。きっとその答えが、今自分に一番必要なことのはずです。
物置シェアサービス「モノオク」
それでも「断捨離がしたい」「持ち物を減らしたい」と思うのであれば、いきなりきれいさっぱり捨てるのではなく、少しハードルを下げてみるのもいいかもしれません。
つまり「今は必要ないものに思えるけど、捨てたら後悔しそうな気もする……」という悩ましいモノへの対応を、一度保留するのです。そのために役立つのが、以下で紹介する「モノオク」というサービスです。
登録者1万人の「物置」のマッチングサービス
モノオクは2018年4月にサービスを開始させ、2019年7月に登録ユーザー数1万人を突破した「物置」のマッチングサービスです。
つまり一時的に使わなくなった家の中の荷物や、引っ越し屋の都合で荷物を一時的に預かってもらいたいなど、収納・保管に困る荷物をどこかに預けておきたいという人と、空いたスペースを活用したいという人をつなげるサービスなのです。
預ける側は預かる側(ホスト)から提示される金額だけを支払えばよく、それ以外に特別な費用も必要なければ、申込書の記入や内覧をする必要もありません。アプリ上でホストとメッセージと荷物写真をやりとりし、契約期間を定めるだけで荷物を預けられます。
ホスト側は登録時に自己紹介文や自分が対応できる内容、スペースの特徴や写真などの登録が必要になりますが、空いたスペースがお金になると思えば、そこまで面倒な手間ではありません。
「断捨離すると後悔しそうなもの」を預ける
たとえばダウンジャケットやコートなどの冬服、押入れの中の羽毛ふとんなど、暑い季節にすると見るだけでうんざりするものも断捨離するとあとで後悔する可能性が高いでしょう。あるいは見返すと気分がポジティブになれるような思い出の品なども、捨ててから後悔することが多いモノです。
しかし冬服にしろ、冬用のふとんにしろ、思い出の品にしろ、置いておくとクローゼットや押入れのなかでけっこうなスペースをとってしまいます。スペースに余裕のある家ならともかく、そうでない家なら「なんとかしたい……」と思うはず。
そんなときこそ物置シェアサービスの出番です。モノオクで預けてしまえば、「捨てたら後悔する。でも家の中に置いておくこともできない」という悩みは一気に解決します。
もちろんそのぶんお金はかかってしまうので、自分なりに考えて上手に使いこなす必要はあります。たとえば夏の間にコツコツと部屋の整理整頓を進めておいて、冬が来た頃にはきちんと収納できるようにしておくとか、「○年経ったら思い出の品は捨てる」といった基準を定めておいて、期限が来たら捨てるといった具合です。
断捨離したあとのスペースを活用する
断捨離を通じて「日々の充実」という本来の目的を達成できたのなら、そうして空いたスペースを使ってお金を稼ぐというのも一つの手です。
実際、モノオクのホストの多くは1部屋月1〜3万円の売上を出しています。スペースの大きさや立地にもよりますが、十分「ちょっとした小遣い稼ぎ」にはなるのです。
また空いているスペースをシェアすることには、もう一つメリットがあります。というのも、もともと持ち物が多い人は、断捨離をしてしばらく経つと「モノが少ない空間が落ち着かない」とまたモノを買ったり、集めたりしがちです。
しかしそのスペースを他人に貸してしまえば自分のモノを置けなくなりますし、もし置けばそのスペースから生まれるお金もなくなります。結果「物理的に置くスペースがない」「今はある売上が、モノを置くとなくなる」と思うことで、モノを増やさなくなるのです。
まとめ
なるほど、物置シェアサービスかあ。
ずっと置きっ放しにしていたらお金がかかっちゃうけど、仮置きの場として使うのなら十分アリな選択肢だと思うわよ。
そうだね。うまく使ってモノと冷静に向き合ってみるよ。
断捨離をしたり、家のモノを整理整頓したりするのは、モノを捨てるためではありません。それはあくまで自分の毎日を今よりも充実させるために行うべきです。
さもなければ「捨てなければ」という強迫観念に縛られて、捨てなくていいものまで捨ててしまいかねません。
「断捨離をして後悔するのが怖い」「断捨離をして後悔をしている」という人は、無理にモノを捨てる必要はありません。もっと自分に対するハードルを下げ、「モノオク」のようなサービスも使いながら、ゆっくり進めていけばいいのです。
そうやって自分のペースでモノと向き合っていけば、いつかきっと自分にぴったりのモノとの付き合い方が身につくはずです。