使わなくなった冷蔵庫の処分方法には、知り合いに譲ったり、自治体の粗大ゴミ回収を利用したりと色々あります。しかしもしまだ使えて中古として売れるような冷蔵庫なのであれば、お金に変えて新しい冷蔵庫を買う資金の足しにするのが賢いやり方です。
ただし、どんな冷蔵庫でも買い取ってもらえるわけではありません。冷蔵庫はリサイクルショップや不用品回収業者などで買い取ってもらえますが、こうした業者もそのあと他の人に売れないような冷蔵庫まで買い取るわけにはいかないからです。また買取価格も様々な要因で高くなったり、安くなったりします。
ここでは一般的なリサイクルショップの冷蔵庫の買取基準と、2018年12月現在の買取相場を紹介したあと、冷蔵庫をなるべく高く売る方法についても解説します。
買取できる冷蔵庫と買取できない冷蔵庫の違い
| チェックポイント | 買取OK | 買取不可 |
|---|---|---|
| ちゃんと冷える？ | 冷える | 冷えない |
| 臭いは大丈夫？ | 気にならない | きつい匂いがある |
| 表側・内部のひどい汚れはある？ | 気にならない | ある |
| 付属品に欠損はない？ | ない | ある |
| 製造年は？* | 5年以内 | 5年以上 |
※業者によってはより古いものでも買い取る場合がある。
リサイクルショップや不用品回収業者のような買取業者は、どのような基準で買取できる冷蔵庫と買取できない冷蔵庫を判断しているのでしょうか。買取業者が見ているのは、主に上表の5つのチェックポイントです。
最も重要なのは庫内がちゃんと冷えるかどうか、つまり故障していないかどうかです。冷蔵庫は食品などを冷やす家電ですから、そもそもちゃんと冷えなければ売りようがありません。そのためその他の4つのチェックポイントでOKが出ていても、ここでNGが出てしまうとその時点で買取不可になってしまいます。
次点で重要なチェックポイントが内部の臭い、同点で表面や内部の汚れです。軽く掃除をして除去できるような臭いや汚れであれば買取価格から減額される程度で済みますが、メンテナンスに時間と手間がかかるような場合は買取不可になる可能性も高くなります。
その次に見るべきは、扉やメイン収納の棚などの割れや紛失がないかどうかです。棚がない、棚が割れている、コンセントが破損している、水受けがないなどの欠損があると、買取不可と判断されるケースがあります。
ここまでの4つのチェックポイントをクリアしていても、最後の製造年の項目でNGが出てしまうと、それだけで買取不可になる場合もあります。なぜなら冷蔵庫の寿命は一般的に8〜9年と言われているため、製造年から5年以上経ってしまうと故障のリスクが高くなるからです。したがって買取業者は、リスク軽減の観点から5年を目安に買取ができるかどうかを判断するのです。
この5つのチェックポイントによって買取不可と判断された場合で、かつもう使えない（使わない）場合は、その冷蔵庫は適切な方法で処分しなければなりません。冷蔵庫の処分方法や処分料金については、冷蔵庫処分にお困りの方必読！冷蔵庫処分方法を徹底比較！で詳しく説明しているので、こちらを参照してください。
冷蔵庫の買取相場を知っておこう
冷蔵庫の買取相場
買取基準をクリアしていれば、その冷蔵庫が売れる可能性は高くなります。ではいったいどれくらいで売れるのでしょうか。以下では、一例として取材に協力いただいた小規模リサイクルショップの買取価格表を紹介しておきましょう。
＜国内主要メーカーの場合＞
| サイズ | 製造年 | ||
|---|---|---|---|
| 1〜3年 | 3〜5年 | 5〜7年 | |
| 単身用 1〜2ドア 〜170L |
500〜8,000円 | 0〜6,000円 | 0〜1,000円 |
| 中型 2〜4ドア 171〜300L |
3,000〜30,000円 | 0〜15,000円 | 0〜3,000円 |
| ファミリー用 3ドア〜 301L〜 |
10,000 〜80,000円 |
1,000 〜50,000円 |
0〜5,000円 |
＜その他のメーカーの場合＞
| サイズ | 製造年 | ||
|---|---|---|---|
| 1〜3年 | 3〜5年 | 5〜7年 | |
| 単身用 1〜2ドア 〜170L |
500〜4,000円 | 0〜2,000円 | 0円 |
| 中型 2〜4ドア 171〜300L |
1,000〜10,000円 | 0〜4,000円 | 0〜1,000円 |
| ファミリー用 3ドア〜 301L〜 |
1,500〜25,000円 | 0〜15,000円 | 0〜1,000円 |
「思ったより安くなっちゃうな」「意外と高く売れるんだ」などこの買取相場に抱く印象は人それぞれでしょう。ただし注意して欲しいのは、これらはあくまで汚れなどの少ない中古美品の場合の価格だという点です。実際の買取価格は以下のような要因で、相場よりも高くなったり、安くなったりします。
・その時々の人気
・型番
・状態（小傷や汚れの有無、ニオイの度合い）
・付属品の有無
・使用年数
・買取方法（店頭買取・出張買取・宅配買取）
・出張買取時の距離や搬出条件（エレベーターの有無など）
そのため場合によってはどんどん減額されて、結局は無料や有料での引き取りになる冷蔵庫もあります。ただし中古市場で人気のある商品の場合は、それ以外の商品に比べて比較的相場が安定する傾向にあります。以下にメーカー、商品名、型番の例を表にまとめておくので、参考にしてください。
| メーカー | 商品名 | 型番例 |
|---|---|---|
| シャープ | プラズマクラスター SJシリーズ |
SJ-F501E、SJ-GT47D、SJ-GT50D、SJ-WX50E、SJ-WX55Eなど |
| 東芝 | ベジータ GRシリーズ |
GR-P600FWA、GR-M460FWX、GR-P460FW、GR-P41GXV、GR-M36Sなど |
| パナソニック | ナノイーX搭載 NRシリーズ |
NR-F454HPX、NR-F504HPX、NR-F654HPX、NR-F604WPX、NR-F554WPXなど |
| 三菱電機 | 置けるスマート大容量 WXシリーズ |
MR-WX70C、MR-MX57D、MR-MX50D、MR-WX47LD、MR-B46Dなど |
| 日立 | 真空チルド搭載冷蔵庫 | R-WX74J、R-HW60J、R-XG56J、R-XG43J、R-S40Jなど |
買取査定時の商品・メーカーごとの特徴
人気商品の中でも、商品によって少しずつ相場に特徴があります。この特徴を理解しているだけでも、その冷蔵庫にとってベストの売り方を見極めやすくなります。そこで以下では買取査定時の商品ごとの特徴を解説しつつ、それぞれに適した売り方について説明します。
プラズマクラスター SJシリーズ
シャープのプラズマクラスターSJシリーズは、同社が空気清浄機や洗濯機などにも活用しているプラズマクラスターを搭載。冷蔵庫内に浮遊するカビ菌などを除菌し、常に清潔な状態を保つことができます。
冷蔵庫内の除菌は、臭い防止や汚れ防止につながります。これらは冷蔵庫の買取査定において重要な要素のため、中古市場における同シリーズの需要は今後も根強く続くだろうと考えられます。したがってプラズマクラスターSJシリーズは、他の機種に比べれば比較的値崩れがしにくい部類に入ります。そのため比較的落ち着いて売却を検討することができる機種と言えるでしょう。
ベジータ GRシリーズ
東芝のベジータGRシリーズの特徴は、野菜の量に応じて鮮度や栄養を維持するためのピコイオンを放出したり、野菜室収納を他社製品よりも強化したりして、野菜保存の性能を高めているという点です。
こうした食品の保存期間を延長する機能は、今後共働き世帯が増えていくにあたって需要がますます伸びていくと考えられます。これは中古市場も同様で、同シリーズの中古需要も堅調が続くでしょう。
ただしベジータGRシリーズにはシャープのプラズマクラスターのような庫内を特別清潔に保つための機能は備わっていません。そのためメンテナンスを怠ると、必要以上に買取価格が下がってしまう可能性も高くなります。
買取に出す際はこの点に注意し、あらかじめ臭いや汚れの防止策を講じるか、査定前にしっかりとメンテナンスをするようにしましょう。
微凍結パーシャル搭載 NRシリーズ
パナソニックの微凍結パーシャルを搭載したNRシリーズも保存機能を強化した機種です。微凍結パーシャルはチルドと冷凍のいいとこ取りを実現し、チルド室よりも長期間保存でき、冷凍室よりも美味しく食べることを可能にしました。
この機種も東芝のベジータ同様に、共働き世帯が多くなるこれからの時代に必要とされる冷蔵庫と言えるでしょう。そのため中古相場も比較的値崩れしにくい傾向にあります。ただし、やはりプラズマクラスターのような機能は搭載されていないため、高く売りたいのであればメンテナンスに注意が必要です。
置けるスマート大容量 WXシリーズ
三菱電機の置けるスマート大容量WXシリーズは、｢薄型断熱構造SMART CUBE｣の採用により大容量にもかかわらず、スリムな幅を実現した冷蔵庫です。そのため従来は大容量の冷蔵庫が置けなかった家庭でも、大容量の冷蔵庫が使えるようになっています。
核家族化・一人暮らし化がさらに進行していくであろう日本においては、同シリーズのコンパクト設計は今後も重宝されていくでしょう。小さな家でも大容量の冷蔵庫が使えれば、生活の質を上げたり、買い物の頻度を下げたりすることができるからです。そのためスマート大容量WXシリーズも比較的値崩れしにくい機種だと言えます。
しかし同シリーズにも冷蔵庫内の清潔レベルを特別引き上げる機能は搭載されていないため、メンテナンス不足が買取価格ダウンにつながりやすいのも事実です。買取に出す際は注意するべき点と言えます。
真空チルド搭載冷蔵庫
日立の真空チルド搭載冷蔵庫も、中古市場で値崩れしにくい機種の一つです。真空チルドは野菜の呼吸を抑えたり、肉や魚の酵素の働きを抑制することで、食品の保存期間の長期化を実現しています。
高い保存機能はここまでみてきたように、確実に今後も支持されるスペックです。そのため中古市場での人気も、堅調が続くと考えられます。
しかし何度も繰り返しますが、プラズマクラスターのようなメンテナンス機能がない以上は、使用中もしくは売却前のメンテナンスには注意が必要です。メンテナンスを怠って、必要以上に冷蔵庫の価値を落とさないように気をつけましょう。
冷蔵庫をなるべく高く売る5つの方法
買取金額を決める要素とは？
ここまで見てきたように、冷蔵庫の買取相場の幅は非常に広く、時に数万円単位にもなります。なぜこのような差が生まれるのかというと、先ほども触れたように中古冷蔵庫の査定には、以下のような要素が絡んでくるからです。
・その時々の人気
・型番
・状態（小傷や汚れの有無、ニオイの度合い）
・付属品の有無
・使用年数
・買取方法（店頭買取・出張買取・宅配買取）
・出張買取時の距離や搬出条件（エレベーターの有無など）
したがって、中古冷蔵庫の買取価格は実際に査定してみないとわからないというのが実情なのです。しかし買取価格が正確にわからなくても、できるだけ高値がつくようにすることはできます。以下では上記の7つの要素を踏まえたうえで、冷蔵庫をなるべく高く売る方法を5つ紹介します。
なお使わない冷蔵庫をどこでどうやって売ればいいのかについては、【まとめ】リサイクルショップって何が売れるの？【随時更新】で詳しく説明しているので、こちらを参照してください。
メンテナンスをする
簡単なのに効果が高い方法が、メンテナンスです。買取基準のところでも見たように、冷蔵庫の場合は汚れ以外に臭いも大きな査定ポイントになります。そのため汚れと臭いをできるだけ取り除いておくことが、買取価格アップにつながります。
冷蔵庫のメンテナンスには重曹やセスキ炭酸ソーダなどを使った方法も効果的ですが、買取相場の取材に協力いただいたリサイクルショップの店長曰く「キッチンハイターを薄めたものが最強です」とのこと。これを雑巾などに染み込ませて庫内をくまなくふきあげれば、汚れも臭いも最大限取り除くことができます。
ただしキッチンハイターを使う場合は、原液では消毒作用が強くシミになってしまうので必ず薄めること、そして最後に必ず乾拭きすることの2点を必ず実行しましょう。
また前述の店長曰く、臭いの防止策として「市販の冷蔵庫用の消臭剤より効く」のが、新聞紙。ギュッと丸めて入れておくだけで、庫内の嫌な臭いをしっかり吸い取ってくれます。
付属品を交換しておく
買取基準にも挙がっている付属品ですが、仮に汚れがひどかったり割れていたりしても、メーカーや量販店などに問い合わせれば有料で交換してくれる場合があります。買取業者からすれば買い取る品物は新しいほどいいので、これも買取価格アップにつながります。
しかしこの場合気になるのは交換が有料だという点です。せっかく交換しても、交換料金より買取価格の上がり幅の方が小さかったら結果的に損をすることになるからです。
もしそのような不安がある場合は、事前に問い合わせをして「こんな状態の冷蔵庫なんですが、棚を交換したら買取価格はいくら上がりますか？」というように確認しておきましょう。その回答に満足してから、交換の手続きを進めても遅くはありません。
なお人気機種や製造年の新しい冷蔵庫であれば、たいていの場合は棚などの付属品の交換料金よりも、交換することによってアップする買取価格の方が大きくなる傾向があります。
店頭に直接持ち込んで売る
冷蔵庫の買取方法は主に2つ。一つは店頭に直接持ち込んで売る店頭買取と、業者に自宅まで来てもらって売る出張買取です。このうち店頭買取は、業者側にとってリスクもコストも少なくて済むため、そのぶん買取価格も上乗せしてもらえる傾向にあります。
しかし自分で店頭に持ち込むとなれば、部屋から運び出す時間と労力、車などに載せて店頭まで持っていく時間と労力に交通費がかかりますし、場合によっては冷蔵庫を詰めるようなわざわざ用意する必要もあります。にもかかわらず、いざ持ち込んでみたら「この冷蔵庫は買取できませんね」と言われてしまったら、すべての苦労が水の泡です。
そのため持ち込み先の店舗への事前確認は必須です。自分が持ち込もうとしている冷蔵庫が、そのお店の買取基準を満たしているか、店頭買取と出張買取では買取価格にどれくらいの差があるのかなどを、あらかじめ電話でしっかり確認しておきましょう。
使わない冷蔵庫は「なるはや」で売る
冷蔵庫は他の家電と同様に、毎年のように新しいモデルが発表されています。そのためたとえ新品でも、旧モデルになると大幅に安くなっていきます。こうした業界の仕組みは、中古相場にも影響を与えます。すなわち、同じ状態の冷蔵庫でも古くなるほど安くなり、新しいほど高くなるのです。
したがって売る手間を惜しんで「今はとりあえずしまっておこう」と後回しにすると、しまいこんでいる期間のぶんだけ買取価格は安くなってしまいます。
逆に言えば、使わなくなった時点がその冷蔵庫の一番の売り時だということです。そのためもし冷蔵庫を高く売りたいのであれば、「なるはや」が鉄則です。
相見積もりをとる
ファミリータイプの冷蔵庫がよく売れるリサイクルショップもあれば、一人暮らし用の冷蔵庫がよく売れるリサイクルショップもあります。すると前者のリサイクルショップは、ファミリータイプの冷蔵庫を仕入れたいと考えて高値をつけて買い取るようになり、後者のリサイクルショップは、一人暮らし用の冷蔵庫を仕入れたいと考えて高値をつけるようになります。
これが同じ冷蔵庫でも、業者を変えると買取価格も変わるという現象の真相です。そのため自分の冷蔵庫をできるだけ高く売りたいのであれば、いろいろな業者に見積もりをとって、どこが一番自分の冷蔵庫を欲しがっているのかを調べる必要があります。それがわかれば場合によっては買取金額に数千円単位の金額差が生じる可能性もあります。確かに面倒かもしれませんが、ぜひとも試してみて欲しい方法です。
一括見積もりはリサイクルページで！
冷蔵庫を含む中古品の買取価格は、様々な要素が絡むうえに業者によっても変動するため、一度相見積もりにかけてみなければ、自分が売りたい冷蔵庫がいくらくらいで売れるのかはわかりません。しかし自分であちこちの業者に査定をしてもらうのはかなりの手間と時間がかかります。
そこでおすすめなのがリサイクルページです。リサイクルページでは、冷蔵庫の買取に対応している全国のリサイクルショップや不用品回収業者、便利屋などを見つけることができます。
しかも単に見つけられるだけでなく、情報や写真を送るだけで一括見積もり依頼をすることも可能なのです。冷蔵庫を高く売りたいけれど、自分で相見積もりをとるのは面倒だという人は、ぜひ一度活用してみてください。