キャッシュレス決済

電子マネーによるキャッシュレス化がどんどん進んでいます。IT技術の発達を考えれば、この流れはおそらく今後も続くでしょう。

リサイクル情報局ではリサイクル業者がスマホ決済を導入するメリットとオススメのサービス3選や、消費増税に負けるな!キャッシュレスキャンペーン活用で利益&集客力アップ!などの記事を通じて、主に販売の面でのリサイクル業者のキャッシュレス化に触れてきました。

しかし次は買取においても、キャッシュレス化が進む可能性があります。

以下では買取キャッシュレス化の最前線をレポートするとともに、中小リサイクルショップがこの状況にどう対応するべきかを考えます。

INDEX
  1. 買取にもキャッシュレスの時代がやってきた?
  2. 買取キャッシュレス化は中小リサイクルショップにもメリットあり
  3. どうすれば買取キャッシュレス化できるのか?
  4. まとめ

買取にもキャッシュレスの時代がやってきた?

電子マネー

PayPayやメルペイ、楽天ペイやLINE Payなど、日本でも様々な電子マネーが使われるようになり、キャッシュレス化が進んできています。この流れの中で、買取でもキャッシュレス化が始まっています。

例えばフリマアプリの「メルカリ」では、出品した商品の売上金をメルペイに変換し、メルカリ内の取引はもちろん、メルペイを使った電子マネー決済にも使えるようにしています。

「ヤフオク!」も同様で、売上金やポイントをPayPayと交換できるようにすることで、キャッシュレス化につなげています。

2019年11月には、ブックオフコーポレーションが全国125店舗で買取キャッシュレス化をスタート。

お客様が買取代金をLINE Payやau WALLET プリペイドカードなどで受け取れる「スマホで受取コース」をリリースしました。

代金を現金で受け取る形の買取では、査定をしている間もお客様は店舗にいなければなりません。

店舗によっては査定のために1時間以上もお客様を待たせることになり、クレームに発展するケースもあります。

しかし「スマホで受取コース」の登場により、お客様は以下の4ステップで買取を完了できるようになったのです。

1.店舗に商品を持ち込む。
2.公式アプリ、または会員カードを提示(この後は店舗から出てもOK)。
3.買取代金の通知がアプリやLINE等に入る。
4.どの電子マネーで受け取るか選ぶ。

このように、買取キャッシュレス化は問題化していた「お客様の待ち時間」「クレーム対応による業務非効率化」の解消に加え、電子マネーユーザーへの買取促進まで一挙に実現できる施策なのです。

買取キャッシュレス化は中小リサイクルショップにもメリットあり

リサイクルショップ

中小リサイクルショップは「人手不足」と「仕入不足」という課題を抱えがちです。

一人が買取に手を取られていると他に接客する人がいないとか、仕入=買取が来ないために店頭の在庫が少なくなるといった状況には、多くの中小リサイクルショップが頭を悩ませているのではないでしょうか。

買取キャッシュレス化による「お客様の待ち時間」「クレーム対応による業務非効率化」の解消、電子マネーユーザーへの買取促進は、こうした課題を解決する糸口になります。

「あのリサイクルショップは買取査定の間、待たなくていい」となれば、それだけで買取促進になります。

また待ち時間が原因のクレーム対応も無くなるので、貴重な人手を奪われることもなくなり、増えてきている電子マネーユーザーが買取を利用する確率も高くなります。

買取キャッシュレス化は、中小リサイクルショップにとってもメリットがあるのです。

どうすれば買取キャッシュレス化できるのか?

3411パソコンの前で考えるショップ店員(女性)

問題は「どうすれば買取代金を電子マネーで支払えるのか」です。

企業から個人に電子マネーで支払いを行う場合、実際は「企業→電子マネー業者→個人」という形で、間に電子マネー業者が入ります。

しかし現状、「企業→電子マネー業者」への支払い手続きがややこしく、これを各企業で対応するには、手間と時間がかかりすぎるという課題があります。

これを解決したのが、ブックオフコーポレーションが利用している、ヤマトホールディングス傘下のヤマトシステム開発株式会社提供の「マルチバリューチャージサービス」です。

「マルチバリューチャージサービス」は「企業→電子マネー業者」への支払い手続きを一括で請け負います。

これにより、企業側が手間も時間をカット。買取キャッシュレス化を実現したのです。

とはいえ「じゃあ早速導入しよう」と言えるほど、サービスが成熟しているわけではありません。

なぜなら今のところ、このようなサービスを提供しているのは「マルチバリューチャージサービス」だけ。そのため他サービスと比較検討することができません。

費用に関してもニュースリリースでは「個別のお見積りとなるため、以下【お問合せ先・事業者の方】までお問合せください」と書かれており、非公開となっています。

ヤマトシステム開発株式会社は同サービスを「2025年までに100社」を目標に拡大していく予定です。

今後登場するであろう類似サービスの動向も含め、冷静な判断が求められそうです。

まとめ

顧客満足度の上昇や買取促進など、買取キャッシュレス化のメリットは大きいと言えます。

そのため電子マネーユーザーが多いお店であれば、導入は十分検討する価値があると言えそうです。

一方で、買取キャッシュレス化のサービスはまだ始まったばかり。

今後の展開を正確に予想することは、誰にもできません。導入コストや効果が得られないリスクを考えれば、様子見をするのも選択肢の一つです。

特に現時点で電子マネーユーザーが少ない業者の場合は、買取キャッシュレス化を導入しても、あまり大きな効果は得られないかもしれません。

「お客様に喜んでもらえるためのベストの選択肢は何か?」をよく考えたうえで、自社にとって最善の結論を出したいところです。