お金を持ってサムズアップしている男性。

同じ商圏で同じ不用品回収業を営んでいても、儲かる業者もいれば儲からない業者もいます。「なぜあそこは儲かっているのに、うちは儲かっていないんだろう」と頭を悩ませる経営者もいるのではないでしょうか。

1社や2社の不用品回収業者を見ているだけではその答えは出ないかもしれません。しかし儲かっている不用品回収業者を何社も見ていけば、そこには共通する点が見えてきます。ここではそうして見えてきた7つの共通点について解説します。

INDEX
  1. 関連法案のポイントを理解している
  2. 企業としての理念があり、現場に浸透している
  3. 依頼者とのコミュニケーションを重要視している
  4. サービス業としての自覚を持っている
  5. ウェブマーケティングに力を入れている
  6. 料金体系が明確である
  7. 効率的に回収が行える拠点を持っている
  8. まずは一つ、できることから始めよう

関連法案のポイントを理解している

儲かっている不用品回収業者は何も違法行為を働いて儲けているのではありません。むしろ儲かっている不用品回収業者ほど、関連法案をよく理解し、全うに商売をしています。

例えば古物営業許可や各種廃棄物収集運搬業許可などに基づいて、自社が回収できる品物と回収できない品物を現場の従業員も含めてしっかりと理解しています。そのため不用意に違法業者と誤解されるような言動をとらないため、本来必要のないクレーム対応や行政への対応に時間をとられることもありません。

このように関連法案に沿って営業をしていれば、本業に全ての時間を注ぐことができるため、結果的に利益も大きくなります。だからこそ関連法案を理解し、遵守する業者は儲かるのです。

リユース・リサイクル情報局では以下の記事で、不用品回収業関連の法案について解説しています。できるだけ簡単にポイントを説明しているので、参照してみてください。

<不用品回収業者が知っておくべき法案についての記事はこちら

企業としての理念があり、現場に浸透している

企業における理念とは、企業として何を実現したいのか、そのために何をするべきかを示す基準のようなものです。

例えば「世界一、お客様を大切にする不用品回収業者になる」という理念を掲げていれば、部下が依頼者の足元を見て料金を提示したり、依頼者の思い出の品を雑に扱ったりしたときに「それは理念とは違う行動だから間違っている」と指摘することができます。

しかし理念は掲げているだけでは意味がありません。理念が機能するためにはそれが現場レベルに浸透しており、社員自身が自分の言動を理念に照らし合わせてチェックしたり、社員同士の中で理念を基準にした会話が成立している必要があります。

このような状態は一朝一夕には作り出せません。また一度このような状態になったからといって、その後もずっとその状態が維持されるわけでもありません。日々の業務の中で、自分を含めた社員全員で「あの場合はどう考えるか」「その場合はどう考えるか」というすり合わせを積み重ねて、ようやく理念が浸透している状態を作り出せるのです。

笑顔で働く従業員。

確かに大変ですが、理念が浸透していればその都度細かい指摘や指示を出さなくても、社員が自発的に動いてくれるようになります。

そうなれば経営者やリーダーは新倉庫や新しい回収車などの設備投資や、新規事業所の開設や新商材の取り扱いといった事業拡大の意思決定など、より重要な仕事に集中することができます。その結果として、不用品回収業者としての利益をさらに伸ばしていくことができるのです。

依頼者とのコミュニケーションを重要視している

不用品回収のサービスは人生で何十回も利用するようなものではありません。そのためリピーターは少なく、仮にリピートしたとしても数年間隔での利用が一般的です。そのため接客を通じて依頼者とコミュニケーションをとる必要性を感じない業者も少なくないでしょう。

しかし今や不用品回収のサービスを利用する多くの人が、インターネットを使って業者を検索しています。そこで見つかる情報の中には、「あの業者に依頼したら気持ちよく買い取ってもらえた」「この業者は買取価格も安いし、態度も悪かった。二度と依頼しない!」といった口コミ情報もたくさん含まれています。

そのため一人一人の依頼者と丁寧にコミュニケーションをとっていれば、その依頼者の口コミを見た人が「この業者なら安心して依頼できそうだ」と問い合わせをしてくれる可能性があるのです。

また依頼者とコミュニケーションをとっていると、会話の中から「そういえばこの品物も買取をお願いしたい」「親戚の人にも不用品の扱いに困っている人がいる」といった別のニーズがみつかる可能性もあります。

依頼者とのコミュニケーションを重視していれば、こうした新たなビジネスチャンスを呼び寄せることができます。それはもちろん、売上や利益につながりますから、結果的にコミュニケーションを重視する不用品回収業者は儲かるのです。

サービス業としての自覚を持っている

口コミを広める主婦。

前述したように、インターネットが普及した現代において、口コミは絶大な営業効果を持っています。そのため基本的には力仕事である不用品回収業においても、不用品回収というサービスを提供するサービス業であるという自覚が必要不可欠です。

例えば寝癖や無精髭、汗臭い制服に薄汚れた靴下、雑な言葉遣いで依頼者の自宅に訪問するようでは、サービス業としての自覚があるとは言えません。ヘアスタイルや髭はきちんと整え、制服や靴下の臭いや汚れには最新の注意を払い、言葉遣いも丁寧にする。そうして老若男女問わず、どんな依頼者からも「気持ち良い業者だな」と思ってもらえて初めて、サービス業としての自覚を持っているということができます。

アメリカのカリフォルニア大学で教授を務めるアルバート・メラビアンの研究によれば、人間の印象のうち55%は見た目(態度、姿勢、身振り手振り、顔つき、体型、視線、服装など)で決まり、38%は話し方(声の調子、高低、響きなど)で決まり、言葉(何を話すか)はたった7%しか影響力がないことがわかっています。

1回の接客時間が短い不用品回収業においては、第一印象が最終的な印象に大きな影響を与えます。その意味で、サービス業として身だしなみや服装、話し方を整えることは非常に重要だと言えます。儲かっている不用品回収業者はこうしたサービス業としての基本を忠実に守れているため、前述したような口コミをきっかけとしたビジネスチャンスにも恵まれるのです。

ウェブマーケティングに力を入れている

2018年7月に発表された総務省作成の「2018年版 情報通信白書」によれば、いまやインターネットの利用者は12歳までと60歳以上を除く全ての世代で90%以上を記録しており、60代でも73.9%、70代でも46.7%となっています。また同省作成の「2015年版 情報通信白書」では、全体の72.6%が情報収集を行う際の手段としてインターネットの検索サイトを挙げています。

このような時代にあっては、それがアパレルブランドでも、自動車メーカーでも、そして不用品回収業者でも、インターネットを活用した集客・販売の仕組みづくりであるウェブマーケティングに力を入れていなければ、あっという間に他社に顧客を奪われてしまうでしょう。

実際儲けている不用品回収業者は、必ずと言っていいほど自社のホームページを運営しており、GoogleやYahoo!の検索でも表示されやすいように様々な工夫を凝らしています。

料金体系が明確である

商品に値段が書かれておらず、店員に尋ねなければ値段を知ることさえできないお店があったとしたら、積極的に行きたいと思うでしょうか。

あるいはオプションサービスや割引システムが何種類もあり、支払う料金を自分で把握できないようなお店があったとしたら、そこでサービスを受けたいと思うでしょうか。答えはNOのはずです。

しかし不用品回収業者の中には、どれだけの費用がかかるかが曖昧なところも少なくありません。依頼者からすればそのような業者には見積もりも依頼しづらく、「もし依頼して、見積もりよりもはるかに高い料金になったらどうしよう」と不安になってしまいます。これでは儲かるはずもありません

一方、儲かっている不用品回収業者はホームページ上で明確に料金体系を提示しているほか、ケースバイケースで料金が変わる場合も、ブログを通じて実際にかかった料金と作業内容をわかりやすく紹介することで、依頼者が問い合わせをしやすいようにしています。

不用品回収業者にとっては、依頼者にはできるだけ気軽に問い合わせをして欲しいはず。明確な料金体系の提示は、そのための大きな第一歩と言えます。

効率的に回収が行える拠点を持っている

地図とトラック。

不用品回収業はコンスタントに儲かる取引があるビジネスではないため、一定以上の数をこなす必要があります。そのためにはできるだけ1日の訪問先を増やし、それらを効率的に回収して回らなければなりません。

しかし倉庫や事業所の家賃や土地代が安いからと、郊外に拠点を設けてしまうと効率的に回収して回ることができなくなります。なぜなら所有しているトラックに積み込める量は決まっているため、途中で荷台が満載になると、一旦郊外の拠点まで戻らなければならないからです。

また移動時間、ガソリン代、人件費といったコストも、訪問先が遠くなるほど余計にかかってしまいます。これでは必然的に利益は減少し、最終的な儲けも小さくなります。

一方、儲かっている不用品回収業者はある程度家賃や土地代が高くても、回収に便利な場所に拠点を構えています。これにより1日あたりの回収の数が増やせるうえ、移動時間、ガソリン代、人件費などのコストの節約もできます。結果最終的な儲けも大きくなるというわけです。

まずは一つ、できることから始めよう

ここで上げた、儲かっている不用品回収業者の7つの共通点を、全て一度に実践するのは難しいかもしれません。しかしなかには「これならすぐ始められそうだ」というものがあったはずです。まずはそれを一つ実践してみて、余力が生まれた頃に一つ、また一つと実践していきましょう。そうすればやがて、儲かる不用品回収業者の仲間入りを果たしているはずです。