雑貨屋

不安定な経済環境が続く日本。一般的な中小売店舗が減少傾向にあるなか、リサイクルショップの店舗数は年々増加しています。

その主な理由は、近年の低価格志向や環境問題の関心の高さから、リサイクル業界が規模の拡大を続けていること、また、リサイクルショップが中小小売店に比べ粗利益が高く不況に強いと言われているからです。

では、リサイクルショップを開業するにあたって必要な資金はどれくらい必要なのでしょうか?
開業までのビジネスプランもあわせて解説します。

INDEX

形態によって異なるリサイクルショップの開業資金

リサイクルショップの開業には、大手チェーンなど既存店舗のフランチャイズに加盟する方法(フランチャイズ型)と、独立店で開業する方法(独立型)があります。

フランチャイズ型

フランチャイズ型の場合は、加盟先によって以下のようなサポートを受けられるというメリットがあります。

・開業や経営に関するノウハウや独自の買取ルート
・ブランドイメージの活用(商標)
・1年間年収保証など

ただし、その分開業に必要な資金も割高となります。

加盟するチェーンにもよりますが、だいたい200万円から500万円の開業資金が必要になることが多く、場合によっては1,000万円以上かかることもあります。

また、開業後思うような利益を上げられなかった場合、ロイヤリティーの支払いが経営を圧迫する可能性もあります。

独立型リサイクルショップ型

独立系のリサイクルショップの中にも、

・お店を構えて商売をする「店舗型リサイクルショップ」
・店舗を持たずに出張買取やインターネットで商売をする「無店舗型リサイクルショップ」

の2つがあり、どちらを選択するかによって開業に必要な資金や準備も違ってきます。

次からは、独立型のリサイクルショップに焦点を当てて見ていきましょう。

店舗型と無店舗型で異なる独立型リサイクルショップの開業資金

預金

共通してかかる基本費用

まずは、店舗型、無店舗型に関わらず、共通してかかる費用を挙げていきます。

店舗型、無店舗型どちらの形態を取るにせよ、この基本費用でおよそ合計80万円〜の資金が必要となります。

2〜3ヶ月分の生活費 500,000円〜

リサイクルショップを開業したあと、すぐに安定した利益が出るとは限りません。できれば2〜3ヶ月分の生活費を確保しておきましょう。

「古物商許可」取得費用 19,000円

リサイクルショップは「古物営業」にあたるため、「古物商許可」が必要です。「古物商許可」の申請には、19,000円の手数料がかかります。
この手数料は、途中で申請を取り下げる場合や、何らかの理由で不許可になった場合も返却されません。

電話設置費用 20,000円〜50,000円程度

電話加入権を購入して、店舗(またはオフィス)の固定電話番号を取得します。
最近では携帯番号のみで営業している小規模店舗や無店舗型のネットショップも存在しますが、顧客の信頼を得るという面で固定電話の取得は必要です。

NTTで電話加入権を新規購入すると37,800円(税込)かかりますが、電話加入権を取り扱っている業者から中古(休止中)の電話加入権を3,000〜7,000円前後で購入することも可能です。

中古で購入した場合は、基本工事費の2,000円のほか、状況によっては屋内工事費やそれに伴う機器工事費がかかります。

このほか、新規・中古いずれの場合も契約料864円(税込)がかかります。
電話機自体の費用なども合わせると、新規購入で50,000円前後、中古購入で20,000円前後が電話設置費用の目安になります。

インターネット環境の整備 10,000〜30,000円程度

無店舗型はもちろん、店舗型リサイクルショップの経営においても、公式ホームページの作成や顧客とのメールのやりとり、SNSを使った宣伝など、インターネット環境の整備は必要不可欠です。

インターネット接続のためのプロバイダ契約、モデムやケーブルの購入費用、レンタルサーバー契約などを合計すると、およそ10,000〜30,000円程度です。

仕入れ金 200,000円〜

店舗のスタイルや規模によって異なりますが、はじめの仕入れ金は最低でも200,000円、できれば500,000円以上は用意しておきたいところです。

店舗型リサイクルショップのみにかかる費用

店舗型リサイクルショップのみにかかる費用はおおよそ400万円程度となります。
先に述べた基本費用やその他雑費と合わせると、およそ500万円〜が店舗型リサイクルショップの開業資金目安となります。

物件にかかる費用や設備工事費、仕入れ金を切り詰めることで、300万円あたりまで切り詰めることも可能ですが、予算はある程度余裕を持って確保しておきましょう。

店舗型のリサイクルショップにかかる基本費用以外の資金詳細は次の通りです。

物件にかかる費用 家賃の9〜15ヶ月分

物件に関する費用として、以下を合計して大体家賃9〜15ヶ月分程度の資金が必要となります。

敷金 賃貸料6ヶ月分〜12ヶ月
礼金 賃貸料1ヶ月分
仲介料 賃貸料1ヶ月分
古物商許可申請から取得までにかかる1ヶ月〜2ヶ月分の家賃

※リサイクルショップ開業に必要な「古物商許可」は、営業所が決まっていないと申請できないため、開業前の家賃も必要となります。

都市部に売り場面積25坪、賃貸料250,000円の物件を借りると仮定すると、その12ヶ月分の金額は3,000,000円となります。

設備工事費 1,000,000円〜

内装や空調設備費用、商品を置く棚、看板、その他の備品代として合計800,000〜1,000,000円かかります。
このほか、仕入れや出張買取時に利用頻度の高い、軽トラックも購入しておくと便利です。中古なら200,000円程度で購入可能です。

無店舗型リサイクルショップにかかる費用

無店舗型リサイクルショップのみにかかる費用はおおよそ40万円程度となります。
無店舗型のメリットは、物件にかかる費用を安く抑えられる点です。

顧客を呼ぶための店舗を持たないので、設備工事費も必要ありません。
先に述べた基本費用やその他雑費と合わせると、合計で130万円〜の開業資金が必要となります。

店舗型のリサイクルショップにかかる基本費用以外の資金詳細は次の通りです。

商品を保管する倉庫契約料 30,000円〜
出張買取など仕入れの時に必要な軽トラック(中古) 200,000円〜
広告宣伝費 100,000円〜
駐車場契約料 70,000円〜

独立型リサイクルショップ成功の鍵は明確なビジネスプラン

店舗型、無店舗型、どちらの形態を選ぶにせよ、独立型のリサイクルショップを開業し成功させるためには、明確なビジネスプランの作成が必要です。

次の6つのポイントを考察していきましょう。

コンセプトの決定

他社との差別化を図るために、店のカラーや強みを明確にします。

対象商品・顧客の選定

・取扱商品の幅を広くして気軽に利用できる店にして、性別・年齢を問わず幅広い顧客層を狙う
・特定の分野に特化した品揃えで専門性を高め、職業や趣味、年齢によって顧客のターゲットを絞る

など、仕入れの方向性やターゲットの顧客層を明確にします。

仕入れルート

古物市場やフリーマーケット、ネットオークションなど、リサイクルショップ経営の要となる商品の仕入れルートを開拓します。いかに高い粗利益率を確保できるかがポイントです。

価格の設定

商品の定価・仕入れ額・他社の販売額などを考慮して行います。
また、販売から1ヶ月後→40%OFF、2ヶ月後には半額以下、というように、期間を定めた値下げ設定など、在庫が残ってしまったときの対策も考えておきましょう。

宣伝方法

顧客に店舗の存在を知ってもらうための宣伝方法を決定します。

・ネット広告
・チラシのポスティング
・地元情報誌への掲載
・アフィリエイトを利用した集客

など、方法はさまざまです。

宣伝費にかけられる予算を考慮しながら、SNSや検索エンジンへの登録など、無料コンテンツも大いに活用しましょう。

収支計画

開業資金・1ヶ月の売り上げ計画・粗利益のシミュレーションなど、収支計画を立てておきます。思うような利益が出なかったときは、事業計画の見直しをしましょう。