シャッター商店街 

近代社会において多くの方が利用するリサイクルショップ。
消費者の「物」に対する意識の変化や、無駄を無くすことへの意識向上によって、リサイクルへの関心はさらに高まったといえるでしょう。

しかしその一方で、開店後わずか1年あまりで閉店してしまう、といった経営困難に陥るリサイクルショップが頻発しています。
個人で経営を行なっている小さな店舗は、リサイクル業界のシェアを多く占めている大企業の店舗に飲み込まれてしまうのが現実です。

そんな激しい競争社会の中で、個人経営店はどうしたら業界の荒波を生き残れるのでしょうか?
今回は、そんなリサイクルショップ経営の際に注意したい点などをまとめてご紹介します。

INDEX

ネット社会のユーザー増!現在の業界事情は誰よりも早く把握しよう

リサイクルショップを経営する際に、まず注意したいのは現在のリサイクル業界の事情を把握することです。

冒頭でもお伝えしたとおり、昨今日本ではリサイクルへの関心が非常に高まっています。

以前はリサイクルショップに足を運ぶことに抵抗を感じていた層も、インターネットの普及によってオークションサイトを利用できるようになり、より多くのユーザーがリサイクルに触れる機会が増えているのです。
また、昔は今よりもインターネットの普及率が悪く、いわゆる相場というものが分かりにくい状況でした。

しかし今は手持ちのパソコンやスマートフォンなどで、誰でも簡単に価格相場や最低価格を調べることが出来るようになったのも、リサイクルショップのニーズが増えた要因の1つでしょう。
そういった近年のリサイクル業界の事情を把握して経営に臨まなければ、他店舗に勝つことはできません。

リサイクル事業は「古物商許可証」さえ申請すれば誰でも始められますので、ライバルも他の事業より圧倒的に多いといえます。
現在リサイクルショップを利用するユーザーは、インターネットを駆使してシビアに価格相場などを勉強しているという事を頭に置いておきましょう。

販売商品の枯渇は絶対NG!安定した仕入れルートの確保がカギ

ビジネスマン

「仕入れを制する者がリサイクルショップの経営を制する」…といっても過言ではありません。
リサイクルショップにとって一番重要なのは、どれほど安定して仕入れを行なえるかなのです。

開業までの手続きや資金集めに奔走するよりも、経営者は仕入れルートの開拓に時間と労力をかけなければいけないと言えます。

リサイクルショップの廃業理由の8割販売商品の枯渇であると言われています。
つまり、買取りが上手くいかなければ経営は困難になるということです。

安定したルートを確保するためには、自店のポータルサイトなどで買取希望顧客を募ることや、古物営業許可証を持った人間しか入ることができない古物市場の利用が有効です。

店舗を構える場合には、リサイクルショップが開店したという事を店舗近隣に済む住人に知ってもらうためにも、ポスティングチラシを利用して広告を打ちましょう。
地道な作業になりますが、そういった温かみのある対応も個人経営店の強みです。積極的に行なって損はありません。

店舗のコンセプトをしっかりと定めて、安定した集客を

どんな客層をメインターゲットとするのか、またどういった商品を仕入れて主に販売するのか…など、店舗のコンセプトや方向性を開店前にしっかりと定めておくことも大切です。

コンセプトが定まらない状態で開店してしまうと、どことなく乱雑な雰囲気が漂い、店舗の強みや魅力も半減してしまいますからね。

店舗の内装や陳列方法、店内BGMなどもコンセプトがしっかりとあれば決めやすくなり、統一感が生まれます。
居心地の良いお店というのは、それだけで「もう一度寄ってみようかな」という気持ちにさせるものです。

メインターゲットをきっちりと定めれば、より顧客を集めやすくなりますので、開店前にどのようなリサイクルショップを経営したいのかを明確にしておきましょう。

開業資金は最低でも3〜6ヶ月分を確保しよう

先ほど、重要なのは「仕入れ」であるという事をお伝えしましたが、もちろん開業資金だっておろそかにしてはいけません。
なぜならば、取り扱う商品によっては必要となる費用も変わってくるからです。

個人経営店舗型の場合、賃貸契約にかかる費用や備品等の資金も必要となりますので、最低でも3〜6ヶ月は利益が出ずとも営業可能な資金を調達しておきましょう。

忘れてはいけないのが、肝心要となる仕入れのための資金も必要だということです。
例えば、30万円で買い取った商品が60万円で売れたとしても、買い付けのための30万円をまた用意しなくてはいけません。
売れて初めて買取金額を回収できるということなので、売れなければ利益の見込みは0に等しいのです。

運営方法によって買い取る商品や販売方法も変わってくると思います。
扱いたい商品、金額などもあらかじめ頭に入れて、資金調達や経営に臨みましょう。

専門分野を持った従業員を雇うことで満足度を高める

店員

特定の専門分野に関連した商品を取り扱うリサイクルショップであれば、ぜひ従業員にはその分野に明るい人物を起用しましょう。
人間というものは、自分が好きなことであれば予想以上に熱くなれる生き物。
それは従業員にとってはもちろん、ユーザー…いわゆるお客様だって同じです。

例えばファッションに造詣が深い人物であれば衣服担当、読書家であれば古本担当など、自分に関心のある物の担当をしてもらうことでスタッフ本人にも満足して仕事がしてもらえるはず。

また、専門分野に長けた従業員とコミュニケーションを取ることで、お客様の満足度も確実に高め、リピーターを得ることができるでしょう。

数年後に笑える経営をするなら、今がチャンス!

現在は活発であるリサイクル業界ですが、数年後がどうなっているかは誰にもわかりません。
だからこそ、活発である「今」が成功するタイミングだといえるのです。

せっかく開いたリサイクルショップ、この絶好の機会に潰してしまうのはあまりにも勿体無いと思いませんか?

経営者の方、もしくはこれからリサイクルショップを開業したいとお考えの方は、今回ご紹介したポイントをしっかりとチェックし、数年後に笑えるような準備をしましょう!