リサイクルショップの業態の種類は「総合型」と「専門特化型」

リサイクルショップの業態には大きく分けて2つあります。

総合型
総合型とは「特定のモノだけではなく多岐にわたるジャンルの商品を買取・販売を行う形態」です。どんな商品でも商品価値があるモノであれば取引するというタイプです。

専門特化型
専門特化型とは「特定のジャンルの商品に特化して買取・販売を行う形態」です。つまり、店舗の得意分野の商品を専門に扱う形になります。

専門特化型リサイクルショップは4つのメリットがある

「総合型」と「専門特化型」が存在するのは決してリサイクルショップ業界だけではありませんね。どこの業界でも見られる動きではないでしょうか。両方の業態を比較した際に、「専門特化型」のリサイクルショップが得ることができるメリットは4つあります。

1. 総合型との「差別化」が図れる

総合型リサイクルショップの中には大手企業が経営しているものがあります。圧倒的な資金力で広告に力を入れることができるため、当然認知度があがりお客様を呼ぶことが可能になります。そのような総合型ショップに差別化を図る方法として、ニッチなジャンルを扱う専門特化型があります。

ニッチなジャンルに絞る事で、顧客の幅を狭めてしまいますが、総合型では扱いきれない量のマイナーな物まで置けるので、狙った層の購買意欲を高める事ができます。

2. お客様に「どのようなお店か認知されやすい」

リサイクルショップを経営する上でもっとも大切なのは「ショップの個性を出すこと」です。近年では、リサイクルショップは堅実に利益を出せる・新規参入もしやすいビジネスとされ、力を入れる企業・個人も増えています。リサイクルショップが乱立する中、予め何があるのかわかる事は、そのジャンルの商品を欲しがるお客様の足を運ばせる力があります。

3. 特定ジャンルの商品に対して専門知識・目利き能力がつく

専門特化型の最大のメリットはやはり「深い専門知識・目利き能力」が付くことだと思います。総合型とは異なり、特定のジャンルを扱うため、商品に対して確かな目利き能力を養うことができます。また、扱う商品の情報収集にも時間をかけることができるでしょう。

4. お客様が安心して売りに来てくれる

お客様が総合店でも売れる商品を専門特化型に売りに来る理由は「総合店に比べて専門特化型のリサイクルショップの方が高く売れる」と考えているからです。専門のジャンルに特化にした深い知識が可能にする目利き能力はお客様の安心も掴むことができると言えます。

6つの専門特化型のリサイクルショップの成功事例

具体的に、どのような専門特化型のリサイクルショップがあるのでしょうか?

今回は以下3つのジャンルの商品に特化したショップを見ていきたいと思います。

・工具(プロツール)
・古着・服飾雑貨
・ベビー用品

専門特化型のリサイクルショップとしてどのような企業・ショップが成功を収めることができているのでしょうか?

工具専門の「アクトツール」と「寄楽屋」

近年はDIYブームと言われており、趣味として日曜大工を行う人が多い時代です。そのため、「工具」の需要は以前より確実に高まっていると言えるでしょう。そのニーズに焦点を当て、中古の工具を専門に買取・販売を行なっているショップとしては「アクトツール」と「プロツール販売買取専門店」があります。

ホスピタリティー精神豊かな「アクトツール」

公式サイト:アクトツール

アクトツールは株式会社アクトによって経営されているショップです。1975年の創業当初は自動車の解体業と中古車・部品販売業を専門に行なっていました。株式会社アクトが中古工具の販売買取事業「アクトツール」を開始したのは1992年。2017年現在では関東・九州圏に12店舗に増え、プロ用の中古電気工具専門店として拡大しています。

アクトツールでは明るい店内でホピスタリティー精神豊かな従業員による接客により従来の工具店との差別化に成功しています。

地域密着型の「寄楽屋」

公式サイト:寄楽屋

寄楽屋は1948年創業の老舗企業。1997年に中古機器工具のリサイクルショップ「寄楽屋」をオープンしました。寄楽屋の最大の特徴は「地域密着」です。寄楽屋が5店舗全てを千葉県に構えており、地域に根付いた経営に力を入れています。

古着・服飾雑貨専門の「キングファミリー」と「トレファクスタイル」

古着・服飾雑貨の販売買取事業を行なっているリサイクルショップは「キングファミリー」と「トレジャーファクトリー」があります。

1kgあたり150円買取の「キングファミリー」

公式サイト:キングファミリー

「キングファミリー」は全国81店舗を展開しています。キングファミリーでは老若男女問わず、家族全員で古着を楽しめるお店です。1店舗あたりの商品数は1万着と圧倒的な品ぞろえが特徴。それを可能にしているのが「重さによる査定」です。店舗で販売できる古着に関して「1kgあたり150円」の買取になります。わかりづらい査定の基準を「重さ」とシンプルにしたことで、安定した仕入れに成功しています。

古着の街にある「トレファクスタイル」

公式サイト:トレファクスタイル

総合型リサイクルショップ「トレジャーファクトリー」が古着・服飾雑貨に特化したショップが「トレファクスタイル」です。トレファクスタイルの成功は「立地」にあります。下北沢や町田など“古着文化”豊かな地域にショップを出しており、トレンドを意識した販売・買取を行なっています。店舗数は全国で37店舗になります。トレジャーファクトリーはトレファクスタイルの他にも「ユーズレット」や「ブランドコレクト」などアパレルのリユース事業を展開しています。

キッズ・ベビー用品専門の「きっずえんじぇる」と「ベビー用品ぴよこ」

決して安くはないのにも関わらず使用期間が限られている商品のひとつに「ベビー用品」があります。ベビー用品の多くが「1~4歳までの使用」を目安に製造されています。商品によっては1歳と半年のように早い段階で不必要になるものもあるため、リサイクルショップへ持っていく親も多いとされています。ベビー用品を専門に扱うリサイクルショップの中に「きっずえんじぇる」と「ベビー用品ぴよこ」があります。

美品揃いの「きっずえんじぇる」

公式サイト:きっずえんじぇる

「きっずえんじぇる」は2000年に埼玉県さいたま市に本店を開業し、現在では全国50店舗という急激なスピートで成長を遂げているキッズ・ベビー用品のリサイクルチェーン店です。総合型リサイクルショップで販売されているキッズ・ベビー用品との大きな違いは「商品のキレイさ」にあります。

その理由は「キズ、シミや汚れがある商品の買取は不可」という徹底した買取査定を貫いているからです。また、商品メンテナンスにも力を入れることによって、安くて質の高い商品を販売に成功しています。

ネットショップ専門のベビー用品ぴよこ

公式サイト:ぴよこ

「ベビー用品ぴよこ」は1997年に開業したベビー用品専門のショップです。他のベビー用品専門リサイクルショップと異なるのは「ネットショップ専門」という経営形態ではないでしょうか。また、開業から20年で10万点という買取実績数。北海道から沖縄まで全国に対応しています。埼玉県越谷市にある事務所では定期的にガレージセールを行なっており、格安の値段で商品を販売しています。

専門特化型リサイクルショップで市場でのポジションを獲得する

事業で行う以上、リサイクルショップを経営する最大の目的は「継続して利益を出すこと」だと思います。そのためには、リサイクルショップ業界という市場でポジションを確保しなくてはなりません。

ただの総合型のリサイクルショップを開業するだけでは、大手の総合型リサイクルショップに勝つことは難しいと言えるでしょう。他店との違いを出せる「専門特化型」は、今のリサイクルショップ業界で自店のカラーを出すには適した形態です。

また、今はほとんどの人がネットで検索してからお店に訪れるといっても良い状態ですから、集客のためにネット対策は欠かせません。お店のホームページを用意するのはもちろん、より効率的にリサイクルショップの宣伝がしたいなら一括見積もりサイトなどへ登録するのがおすすめです。

例えば日本リサイクル業IT支援協会(JRITS)が運営するリサイクルページであれば、ユーザーは無料で最大5社の一括見積もり査定を行うことができるので、お客さんの目に触れる機会がより増えるでしょう。リサイクルページにお店を掲載するには月額7,500円(税別)のJRTIS会員になる必要がありますが、成約料や仲介手数料は一切かかりません。どれだけ依頼があっても安心ですし、利益率も上がります。

これからリサイクルショップを開業しようと考えている方は、総合型リサイクルショップが意識して力を入れていないニッチな市場に参戦し、ネットでの対策にも力を入れてみてはいかがでしょうか。