虫めがね・電卓を持つ女性

リサイクルショップで継続的な利益を出すために欠かせないのが「価格設定(プライジング)」です。
今回の記事では「リサイクルショップでの価格設定をする際の6つのコツ」を紹介していきます。

INDEX
  1. コツ1. いくらで売りたいかではなく「いくらで売れるか」を知る
  2. コツ2. オークションサイトで「最低落札価格」を調べる
  3. コツ3. 過去の販売実績を参考にする
  4. コツ4. リサイクルショップを調査する(競合店調査)
  5. コツ5. 「鮮度管理法」で商品の鮮度により価格を変える
  6. コツ6. 先頭数字効果と端数価格効果でお客様の購買意欲向上へ
    1. 先頭数字効果で先頭の数字に目が行く人間の心理をつかむ
    2. スーパーでよく聞くイチキュッパは端数価格効果

コツ1. いくらで売りたいかではなく「いくらで売れるか」を知る

新しく仕入れた商品に価格をつける際に「仕入れ値」を軸にして販売価格を設定していく方法があります。ひとつ例を挙げて考えてみましょう。

例えば、3,000円で仕入れたあるキャラクターのフィギュアをショップの価格を決めようとしているとしましょう。3,000円という仕入れ値を基準に考えた結果、5,000円という価格設定に決まりました。
しかし、このように仕入れ値を意識した価格設定は間違っている場合が多いのです。

なぜなら、「市場(マーケット)」を無視した価格設定だからです。
価格設定の際には、まずそのフィギュアがマーケットでどのくらいの価格で売買されているのかを知る必要があります。

「この価格なら売れる」という値段を商品に付けましょう。

コツ2. オークションサイトで「最低落札価格」を調べる

オークション

いくらで売れるかを知ることが大切と書きました。
しかし、市場で売買されている商品の価格を知るにはどういう方法があるのでしょうか?

最も素早く知りたいのであれば「インターネットオークションサイト」が役に立つでしょう。
2017年10月現在で利用者数が多いオークションサイトとして「Yahoo!オークション」、「モバオク」の2サイトが挙げられます。

もし、これら2つのサイトの落札価格を同時に調べたい場合は「aucfan(オークファン)」という国内最大級のオークション相場サイトの利用をおすすめします。
※aucfanのサイトには「楽天オークション」の項目もありますが、同サービスは2016年10月をもって終了しています。

しかし、これらのオークションサイトが役に立つのはあくまで「商品の型番」が正確にわかっているケースです。家電製品、電子機器類や時計などは型番が記されているため、オークションサイトの落札価格を知ることができます。ちなみに、参考にするべき落札価格は「最低落札価格」が良いでしょう。オークションサイトでは、商品の状態含めて同一商品でも落札価格がかなり変動するためシビアに考えていた方がよいからです。

最低落札価格にどれくらい上乗せして販売すれば良いのかは商品によって違うため、一概には言えないので、実際に試行錯誤を行ないながら知っていくしかありません。

コツ3. 過去の販売実績を参考にする

インターネットオークションサイトは価格設定をする際に非常に便利なツールです。しかし、理想を言えば「過去の販売実績を参考にすること」がベストではないでしょうか。もちろん、適当に価格を設定して売れた商品はデータには含めない方が良いかと思います。しっかりオークションサイトや競合店で調査を行なって、価格を設定し自店舗に並べた商品が対象になります。

実際に売れた商品というのはその後も売れる確率は高いため、安心して仕入れを行ないやすいです。
リサイクルショップの強みになることも十分に考えられます。

コツ4. リサイクルショップを調査する(競合店調査)

リサイクルショップを経営していく中で他のリサイクルショップに足を運ぶ「競合店調査」は非常に重要です。競合店の定義は難しいですが、少なくとも同じ地域内にあるリサイクルショップへは調査に行くべきではないでしょうか。

「競合店がどのような商品をどれくらいの価格で販売しているのか」という点を意識して店内を回っていきましょう。
自店舗の価格設定が競合店と大きく差があった場合、もう一度価格をリセットしもう一度設定する必要があります。

コツ5. 「鮮度管理法」で商品の鮮度により価格を変える

市場の新鮮な魚

リサイクルショップはスーパーの鮮魚コーナーと同じく「鮮度」が命です。

鮮度が大切な理由は簡単です。なぜなら、リサイクルショップは「お客様がワクワクする空間」でなければいけないからです。
お客様が来店されて前回と同じ商品ばかりだったら、「新鮮味がないショップ」と思われてしまいます。そのようなことが続いてしまうと、せっかく獲得したリピーターも離れていってしまいます。

そのような問題を事前に防ぐ方法が「鮮度管理法」です。鮮度管理法とは「商品の鮮度を常に把握しておくこと」だと考えてもらえれば良いでしょう。

参考にできるのが「スーパーマーケットの鮮魚コーナー」です。
スーパーマーケットには開店と同時に店にお刺身が並びます。夕方くらいまでに売れ残っていると、20-30%の値引きシールが貼られます。そして、閉店一時間前になると更にその上から「半額」というシールが貼られ、お客様に購入されていきます。

リサイクルショップの商品もスーパーに並ぶお刺身のように考えましょう。意識するポイントは「お店に置いてから何日が経過しているのか?」ということです。一ヶ月売れ残ったら在庫処分などを独自で決めていかなければ、新しい商品を仕入れることができなくなります。

コツ6. 先頭数字効果と端数価格効果でお客様の購買意欲向上へ

オークションサイトの最低落札価格や競合店を調査することにより、仕入れた商品の適正な価格を設定します。

しかし、「適正な価格だからと言ってお客様が購入してくれると限らない」のが現実です。
リサイクルショップに買物に来ているお客様はできるだけ安く買いたいと思っています。その欲求に有効的に訴える方法として「先頭数字効果」「端数価格効果」が挙げられます。

先頭数字効果で先頭の数字に目が行く人間の心理をつかむ

人間というのは先頭の数字を過大評価すると言われています。

たとえば、「2,000円」と「1,999円」のどちらが安く感じますか?
確かに、1,999円の方が2,000円より「1円」安いです。しかし、人は体感的にはもっと安いと感じてしまうのです。これが「先頭数字効果」というものです。

一番最初の数字が2から1へ、たった1つ下がっただけでも効果が絶大なのです。

スーパーでよく聞くイチキュッパは端数価格効果

では、「端数価格効果」はどのようなものでしょうか?
端数価格効果とは「1,980円」や「2,980円」というのに「端数の末尾の数字が8にすることによって消費者の購買意欲を高める効果」のことです。
日本では、「イチキュッパ」や「二キュッパ」と呼ばれているくらい浸透していますが、実はこのような効果があるのです。

これら2つの効果を知った上で街を歩くと、どこにでも「2,999」」や「1,980円」という数字を見かけると思います。
リサイクルショップで価格設定する際にも非常に効果的ですので、ぜひ取り入れ、来店するお客様の購買意欲を高めていきましょう。

今回紹介したリサイクルショップでの価格設定のコツは以上6点になります。
ぜひ、価格設定の際には参考にしてみてください。