インターネットオークション

「インターネットオークション」は近年、非常に需要が高まっている市場です。
パソコンやスマートフォンをお持ちの方なら、一度は利用したことがあるという人も多いのではないでしょうか?

そんなインターネットオークションを運営することを古物競りあっせん業と呼びます。
今後ますます普及していくであろう「古物競りあっせん業」を開業する場合、決められた届け出を行う必要があります。

この記事では、古物競りあっせん業開業の手順をご説明いたします。

INDEX
  1. 「古物競りあっせん業」を開業するためには?
    1. 古物商や古物市場主とは開業手順が違うため要注意!
    2. 古物競りあっせん業には「古物営業法」という法律がある
  2. 古物競りあっせん業を開業する手順を詳しく解説!
    1. 古物競りあっせん業は原則、事後に届け出を行う
    2. 届け出には古物競りあっせん業開始届出書が必要となる
    3. 法人と個人によって提出する添付書類が違う
    4. 業務内容によっては公安委員会の認定を受けることも可能
  3. 事後の届け出といえども余裕をもって準備をしよう

「古物競りあっせん業」を開業するためには?

未使用でも古物と呼ぶ

洋服やファッション小物、CD、本、ゲーム、家具、家電……インターネットオークションでは多種多様な商品を出品物とすることができます。中古や未使用品など状態も様々ですが、これらは古物として扱われます。

「古物」の売買をあっせんするインターネットオークションの運営者になるためには、事前にいくつかの手順を踏まなければなりません。

古物商や古物市場主とは開業手順が違うため要注意!

古物市場とリサイクルショップとインターネットオークション

古物競りあっせん業は、古物を取扱う営業(古物営業)の一種ですが、古物営業には他にふたつの営業方法があります。

ひとつ目は、古物商と呼ばれる1号営業です。こちらは、古物を買い取り、それを売るという営業のことを指します。いわゆるリサイクルショップや金券ショップなどがこれに該当します。

ふたつ目は、古物市場主と呼ばれる2号営業です。こちらは、古物商を営む業者のみが参加する売買の場や交換などの競り場を提供する営業のことを指します。
例えば、中古自動車オークションなどがそうです。こちらは中古自動車販売業者のみが参加するオークションとなります。

古物競りあっせん業はこの二つの営業方法とは異なる3号営業にあたります。
パソコンやスマホの普及とともに急速に需要が高まっているインターネットオークションを運営することで収益を得る営業です。3号営業で提供される売買の場は、基本的に不特定多数が参加できます。

古物商や古物市場主とは開業の手順が異なるため注意が必要です。

古物競りあっせん業には「古物営業法」という法律がある

古物競りあっせん業に関しては古物営業法という法律により一定の規定があります。
この法律では古物競りあっせん業の開業する際には、公安委員会への届け出を行うことが義務付けられています。

これに関して、古物営業法第10条の2に記載があります。

古物競りあっせん業者は、営業開始の日から2週間以内に、営業の本拠となる事務所(当該事務所のない者にあっては、住所又は居所をいう。以下同じ。)の所在地を管轄する公安委員会に、次に掲げる事項を記載した届出書を提出しなければならない。

万が一届け出をせず営業を行った場合、20万円以下の罰金が科せられます。
届け出の窓口となるのは、警察署生活安全課防犯係です。

また、届け出をしても、外国籍の方には制限が設けられ、住居不定や成年被後見人などの方は許可が受けられない可能性があります。

古物競りあっせん業を開業する手順を詳しく解説!

古物営業の中でも、自らが古物の売買を行わないのが特徴的な古物競りあっせん業。
そのため、古物商や古物市場主とは開業の手順が少し異なります。

そもそも、古物競りあっせん業の開業には許可」は必要ありません。つまり、開業前に行うべき申請手続きはないということです。

古物競りあっせん業は原則、事後に届け出を行う

古物競りあっせん業の届け出

古物商や古物市場主を開業する場合、事前に許可申請を行わなければなりません。
一方、古物競りあっせん業では、原則的に事後の届け出で問題ありません。前述の古物営業法に従い、インターネットオークションサイトの運営を開始してから2週間以内に届け出を出します。届け出に際し手数料などはかかりません。

事後の届け出となる理由は、インターネットという性質上、実際のURLを確認しなければ甲乙つけがたいからです。

届け出には古物競りあっせん業開始届出書が必要となる

届け出を行う際には、いくつかの書類が必要となります。必要書類は法人と個人で違いがありますが、共通して必要な書類は「古物競りあっせん業開始届出書」というものになり、2通必要です。うち一通は原本、もう一通は複写でも問題ありません。

古物競りあっせん業開始届出書は、警視庁のホームページ上からPDF形式で取得することができます。以下の手順で進み、プリントアウトしてください。

警視庁トップページ→手続き→古物営業→各種申請・届出手続→古物競りあっせん業の届出

警視庁ホームページの記載例を参考にするとスムーズです。

法人と個人によって提出する添付書類が違う

個人が古物競りあっせん業を行う場合には、住民票の写し(本籍、国籍が確認できるもの)が必要です。

法人の場合には、下記の添付書類を提出する必要があります。

  1. 法人定款の写し
  2. 登記事項証明書(登記簿の謄本)
  3. 役員全員の氏名及び住所を記載した書面(書式問わず)

法人、個人問わず必要な添付書類は以下になります。

  1. 該当URLを使用する権限のあることを疎明する資料
  2. 24時間警察から連絡を受けられる連絡先(法人の場合は部署、担当者名含む)

業務内容によっては公安委員会の認定を受けることも可能

古物競りあっせん業の営業では、業務内容が「公安委員会が定める盗品等の売買の防止及び速やかな発見に資する方法の基準」に適合している場合、公安委員会から認定を受けることが可能です。
認定を受けることで優遇措置は特にありませんが、サイト上に認定マークを表示することができるため、利用者へ安全性を訴えることができるというメリットが得られます。

古物競りあっせん業の認定申請についても、警察署生活安全課防犯係が窓口となります。
申請には手数料が17,000円かかりますが、万が一不認定となった場合でも返却されません。

提出書類は以下になります。

  1. 住民票(法人のみ)
  2. 略歴書(業務担当者の最近5年の略歴を記載した署名押印のあるもの)
  3. 誓約書(規則19条5号第2〜5号の事項に該当しない旨)
  4. 規則第19条の6(盗品等の売買の防止等に資する方法の基準)に適合することを説明した書類
  5. 古物競りあっせん業者の遵守事項が守られていることを説明した書類

「盗品等の売買の防止等に資する方法の基準」については多くの事項が存在するため、警視庁のホームページで確認するようにしてください。

記載は以下の場所になります。

警視庁トップページ→手続き→古物営業→各種申請・届出手続→古物競りあっせん業の認定申請

事後の届け出といえども余裕をもって準備をしよう

古物競りあっせん業の開業の手順は非常にシンプルなものといえます。
しかし、必要となる書類は用意するのに手間がかかるものもありますから、事後の届け出で問題ないといえども2週間という期限があります。余裕をもって準備を行った方が良いでしょう。

サイト運営の前に準備を済ませておくのが理想的ですが、書類作成方法がわからない、添付書類の入手に手間取っているという場合、法律や古物競りあっせん業に詳しい専門家を頼るのも一つの手だといえます。